京アニ巡礼 熱烈なファンが世界に大きな波を作る 山村振興に追い風

京都アニメーションの火災事故が、インスタグラム(注2)で世界中の京アニファンに伝えられたとき、海外で、大きなうねりが起こりました。「京アニのアニメ」の世界の熱烈なファンが、訪日し、「京アニ巡礼」が発生しました。埼玉県の神社で、ファン自作の神輿が練り歩きました。

 

 

□[山村振興]京都アニメーション 熱烈なファンが世界に波を作る 名作のモデルになった地域を巡回する巡礼が発生 山村活性化

 

京都アニメーションの「京アニ巡礼」は、私の心に深いものを残しています。私は、これについてブログを書きましたが、これは私が書いたロケツーリズム(注1)の最初のブログです。京アニの悲しい事故が、インスタグラム(注2)で世界中の京アニファンに伝えられたとき、海外で、凄いうねりが起こりました。このブログは、2019年8月11日のブログです。今日は、これを引用します。

 

□椎野潤ブログ(230)京都アニメーション支援金100億円突破 名作のモデルになった地域を巡回する巡礼の流れが発生 祭の神輿も登場 2019年8月11日。

 

☆前書き

 

京アニの悲しい事故があって、「京アニのアニメ」の熱烈なファンが、世界に多数いるのに驚かされました。事故から一カ月もたたない内に、世界から、大勢のファンが押しかけたのです。2019年7月29日の毎日新聞(参考資料1)に、これが出ていました。今日は、これを取り上げてブログを書きます。

 

☆引用

 

「京都アニメーション」制作の人気アニメ「らき☆すた」の舞台になった埼玉県久喜市の鷲宮(わしのみや)神社で、7月28日夜、ファンらによる恒例の「らき☆すた神輿(みこし)」が登場し、周辺を練りあるいた。京アニの放火殺人事件を受けて自粛も検討されたが、「京アニの復活を祈願したい」と、予定通り実施された」(参考資料1から引用)。

 

☆解説

 

鷲宮神社で開かれた「八坂祭」で、「らき☆すた神輿」の参加者らが、京アニ犠牲者の冥福を祈り,黙とうをしました。その後、大勢のファンが、掛け声に合わせて神輿を担ぎ、練り歩きました。

「らき☆すた」は、女子高生の日常を描いた美水かがみさんのマンガが原作で、2007年に放映されたものです。主人公姉妹の実家「鷲宮(わしのみや)神社」のモデルが、この神社であることからファンが詰めかけ、2008年の夏祭から、キャラクターが描かれた手作りの神輿を、ファン達が担ぐようになっていたのです。(2019.7.29、毎日(古賀三男)を参照して記述。「 」内は引用)

 

☆まとめ

 

映画やテレビドラマなどで、人気を博した作品には、放映中から終了直後にかけて、ロケツーリズムにより、観光客を引きつける力があります。でも、これが一時的な効果に終わってしまうことが多いのです。しかし、名作と呼ばれ永く愛される寿命の永い作品もあります。

「京アニアニメ」には、長編、短編を含めて、多くの名作があります。名作の中には、年々、年を重ねるにつれ愛読者が増え続ける作品も、多々あるのです。

各地域の山村が、地域に結びつく作品を「探して」、あるいは「新作を作ってもらって」、地域のロケツーリズムを実現することは、きわめて有効な「山村振興策」と言えます。

どこの山村にも、色彩センスが良く、絵を描くのが好きな人、写真を撮るのが好きな人はいるでしょう。その人たちに、地元の美しい山、森林、田園、海岸風景を、インスタグラム(注2)などに投稿してもらって、広く世界の人々に見てもらっておくのも、ロケツーリズムの可能性が拡がって、良い方法だと思います。

また、市町村とアニメ(注3)製作会社とが連携して「新規製作作品」の企画を練るのは、きわめて重要です。また、芸術系の学校と提携して、学生の卒業研究に取り上げてもらう、また卒業直後のスタートアップの第1号発表作品を誘致して、試写会などを支援して若手を育てる。できれば、その人達に、山村に居住してもらい、テレワークで仕事をしてもらう。これらは、皆、きわめて有効な「ロケツーリズム」の「山村振興策」です。

 

(注1)ロケツーリズム:フィルムツーリズム(film induced tourism)の語が原点。テレビの番組や映画の舞台となったロケ地や、原作の舞台をめぐる旅。このフィルムツーリズムの語は、日本でも、1990年代からしきりに使われた。近年はロケツーリズムと呼ばれる。

 

(注2)インスタグラム:写真や動画の共有に特化したソーシャルネットワーキングサービス(SNS)。

 

(注3)アニメーション(animation):動画(どうが)とも呼ばれ、コマ撮りなどによって、複数の静止画像により動きを作る技術。アニメ: アニメーションの略。

 

参考資料

 

(1)毎日新聞、2019年7月29日。

 

[コメント]

インターネットを見ていましたら、「アニメ製作ソフトを50%引中(2日間限定)」という広告記事が出ていました。今、こういうものを使って、素人がアニメ作品を作る時代です。こういう「ソフト」と、「ソフトを使って『山村振興分野』のアニメを描く人」「資金を融資する人」を、つなぐ人は、典型的な「山村振興」のスタートアップです。あなたも、このようなスタートアップを見付けて、「アニメを描くスタートアップになりたい」と、作品を持参して、相談に行ってみたらどうですか。もし「美的センスがある」と判断されたら、スタートアップになれるかもしれません。

 

[付記]2020年7月17日、椎野潤記]

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です