顧客一人一人に、セミオーダーワンピースを作る みんなに最良のワンピースを着てもらう

ダイレクト・ツウ・コンシューマー(D2C、注1)を実現している女性たちは、農業以外でも多方面にいます。アパレル分野にも、女性らしい素晴らしいセンスと感性を持った、成功者が大勢います。今日は、その代表的な人を紹介しておきましょう。

 

林業再生・山村振興への一言(再開)

 

2020年9月(№34)

 

□ 椎野潤(続)ブログ(245) 皆に最良のワンピースを 顧客一人一人に、セミオーダーワンピースを作る  2020年9月11日

 

☆前書き

2020年3月24日の日本経済新聞(参考資料1)は、これを取り上げて記事を書いていました。ここでは、これを読んでブログを書きます。記事は、以下のように書き出しています。

 

☆引用

「手の節はN、首はN、ひざはS」。鏡を前に座る女性の各部位を婦人服企画・販売、newR(ニューアール、東京・港)の中川かおり社長(47)が記号判定していく。その次には色の異なる4種類の布を肌に当てていく。

オーダー服の対面販売でも見かけないこの作業は、同社独自のものだ。「骨格診断」で顧客の体つきから似合う素材・デザインを選び、『パーソナルカラー診断』で髪や肌の色から似合う色を判断し、顧客に最も合ったワンピースを販売する。」(参考資料1、日本経済新聞、2020年3月24日から引用)

 

☆解説

結婚、出産後も、働く女性が急増しています。自分の感性や直感力を生かして、D2C の自分自身の会社の起業を目指す女性も増えてきています。そのようなことを考えている人たちには、この記事が紹介している、中川さんの起業準備は、凄く参考になるでしょう。そこで、この記事を参照して書いてみましょう。

中川さんは、IT関連企業に就職しました。2015年に、育児休暇に入ると夫の転勤先の中国北京に移り住みました。中国では、仕立ての費用が日本より安価で、気に入った生地を買い、服に仕立て上げてもらうのが趣味になりました。

一方で、服を仕立てても、体系に寸法や色合いが合わない人も多いのです。ここで、ふと、似合う服がわかる「骨格診断」や「パーソナルカラー診断」を受けた、過去の経験を思い出しました。「診断に基づいて服を作れば良い」と気付き、休職が完了したら会社をやめて起業したいと思いたちました。

2017年4月、復職を控え帰国して、診断アナリストに師事しました。1カ月間、猛勉強をして理論を身につけました。そして2017年12月には、アナリストの拠点に診断場所を間借りし、ニューアールを設立しました。この時は、まだ、会社勤めと二足の草鞋(わらじ)です。

2018年8月に会社を退職しました。そして展示会に試作品を展示したのち、同年9月から製品の販売を開始しました。これを、SNSのインスタグラム(注2)に、投稿したところ、評判になりました。2019年2月には、ファッションに敏感な女性の多い、東京・南青山に、待望の店を構えました。中川さんは、「今まで以上に、沢山の人に、本当に似合う服を提供し、笑顔になってもらいたい」と言っています。(参考資料1、日本経済新聞、2020.3.24を参照して記述。「 」内は引用)

 

☆まとめ

中川さんの仕事は、服を販売することではありません。一人一人異なる「体型」「骨格」「肌色」「髪形」「個性と雰囲気」に、実際の布を合わせてみて、その人にピッタリの服を探してあげる「サービス業」です。そして、本当に「ピッタリ」の服が作れて、自分の新しい魅力を発見した女性の「とびきり」の笑顔に出会えるのを目的に、仕事をしています。

中川さんは、毎日のこの作業の状況を、SNS上に投稿しました。そして、「ピッタリ」の服を作れてよろこんだ女性たちの喜びの声でSNSサイトは満ちました。この会社には、服を売る営業はいないのです。店に客を招き入れているのは、喜びに満ちた顧客たちなのです。一人一人が自分にピッタリの服を、「作る人」に直接作ってもらうこの事業こそ、ダイレクト・ツウ・コンシューマー(D2C)そのものです。

これからの若い女性たちの起業の多くは、このような事業になって行くでしょう。これは、アパレルに限ったことではないのです。若い女性が「あれが欲しい」と夢見ている全てのものが、当てはまります。(2020年夏、記述)

 

(注1)ダイレクト・ツウ・コンシューマー: D2C(Direct to Consumer):製造から販売までを統合したビジネスモデルのうち、インターネット上の自社ECサイト中心で販売するモデル。インスタグラムなどのSNSを通じた消費者(コンシューマー)と生産者の情報交換が主力になる。

(注2)インスタグラム(Instagram):写真や動画の共有に特化したソーシャルネットワーキングサービス(SNS)。また、スマートフォンなどから同サービスを利用するためのアプリケーションソフト。

 

参考資料

(1)日本経済新聞、2020年3月24日。

 

[付記]2020年9月11日、椎野潤記

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