地域再生 アニメ聖地巡礼 関東 全国の半数を占める 東京が群を抜く

林業再生・山村振興への一言(再開)

 

2021年7月 (№126)

 

□ 椎野潤(続)ブログ(337) 地域再生 アニメ聖地巡礼 関東 全国の半数を占める 東京が群を抜く 2021年7月30日

 

☆前書き

「アニメの聖地巡礼」で巡る聖地の数は、関東地方が全国の1/2以上を占めています。その中で、東京が圧倒的に多いのです。2021年6月26日の日本経済新聞は、この記事を書いていました。今日は、これを取り上げてブログを書きます。まず、この記事の「書き出し文」の引用から開始します。

 

☆引用

「関東は全国の半数を占める「アニメ聖地」の宝庫だ。民間ウェブサイトによると、2021年4月時点で2827カ所と、2014年比で7割以上も増加した。東京都が群を抜くほか、神奈川県、埼玉県、千葉県が10位以内に入る。北関東も着実に増えている。急な観光地化による混乱など、一部に課題もあるが、国内外から観光客や移住者を呼び込むコンテンツ(注1)として重要性が高まる。(参考資料1、2021年6月26日の日本経済新聞から引用)

 

☆解説

アニメ聖地として、凄く人気を集めた茨城県大洗町の事例を紹介してみましょう。ここは、女子高校生が戦車で戦う人気アニメ「ガールズ&パンツァー(略称ガルパン)」の舞台になった町です。この町では、旅館や店舗など各所に、女子高校生キャラクターのパネルが並びました。2012年からガルパンと合体した「大洗あんこう祭り」は、町の一大イベントになりました。2020年はコロナ禍で中止されましたが、2019年は、人口1万5千人の町に14万人が訪れたのです。

同町でウェブ製作を手掛けるハイド&ルークは、クラウドファンディング(注2)で600万円を集め、2020年には、ガルパングッズや特産品を扱うポータルサイト(ウエブサイトの入口、注3)を開設しました。

ガルパンのラッピング列車を運行する鹿島臨海鉄道は、2020年、乗車記念に記帳する「鉄印帳」を発売しました。これも即日完売しました。

このように大洗町では、町の祭りも、商店街も、鉄道も、ソフトウエア開発事業者も、「ガルパン」の広報に団結して総力をあげたのです。そして、これをインスタグラムを通じて、世界に発信しました。ですから、世界のアニメファンは、日本に、次世代都市が生まれていると思ったのです。

なお、これは最近の名作アニメだけでなく、昭和の名作アニメでも、観光資源になるのです。昭和の名作で、世界から客を集めた、東京都調布市の事例を紹介しましょう。調布市は、テレビアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」の舞台になりました。「ゲゲゲの鬼太郎」のシーンに登場した市内のスポットを紹介する地図「調布市×『ゲゲゲの鬼太郎』第6期聖地巡礼マップ」を発行しました。6回にわたり7万8000部を発行し、何度も増刷するほどの人気でした。

2019年5月に開園した公園「鬼太郎ひろば」では、建設資金の一部を、クラウドファウンディング(注2)で募りました。予定額の2倍の1000万円が集まりました。原作者の水木しげる氏の命日に合わせて実施している「ゲゲゲのスタンプラリー」は、2020年までの5回で、3万1000人のファンが集まりました。(参考資料1、2021年6月26日、日本経済新聞を参照引用して記述)

 

☆まとめ

アニメ聖地の分布を見ますと、関東地方が全国の半数以上を占めています。その中で、東京都の聖地数は、2021年4月時点、1810カ所で、ダントツの1位です。2位神奈川県の400カ所の4.5倍です。これは、未来に向けて拡大する海外市場を見据えて、積極的に事業展開する事業家が、東京に多いということを示しているのでしょう。事実、アニメは、世界から人を呼び込む凄い力を持っているのです。

映画「君の名は」のラストシーンのロケ地、東京都新宿区の須賀神宮前の階段は、海外から多くの観光客が訪れる、聖地巡礼の定番スポットです。特に映画が公開された中国と韓国のファンが多いのです。

神社の参拝客も増え、階段が描かれた絵馬も人気です。神職は「もともとは地元の決まった人が参拝する神社でしたが、映画の公開の後は、途切れることがないほどに参拝者が増えました」と言われています。

観光客の受け入れに不慣れな地域の注目度が急に上がると、難しい問題も生まれやすいのです。神奈川県鎌倉市の江ノ島電鉄、鎌倉高校前駅付近の踏み切りは、漫画「スラムダンク」に登場したため、「日本一有名な踏み切り」になりました。SNS(注4)上に多くの写真が投稿され、コロナ禍前は、訪日客が殺到し危険になりました。それで2017年には、警備員を常駐させる対応を余儀なくされたのです。

普段、静かな地域で生活されている方々の中には、そのような雑踏には巻き込まれたくないと思われる方も、おられると思います。でも、地域を活性化させていきたいと考えるのなら、積極的な姿勢を取らねばならないのです。地域に顧客がきてくれる対策を積極的に取らねばなりません。それには、アニメ聖地の巡礼の誘致は、きわめて有効な対策です。(参考資料1、2021年6月26日、日本経済新聞を参照引用して記述)

 

(注1)コンテンツ:「内容」「中身」を意味する英語由来の言語。IT産業や娯楽産業においては「情報の中身」「情報そのもの」を指す概念。表現内容や表現手法も含めて《情報そのものが商品価値を持つ情報》のこと。

(注2)クラウドファンディング:防災や市民ジャーナリズム、ファンによるアーティストの支援、社会・政治運動、ベンチャー企業への出資 、映画・フリーソフトウェアの開発、個人・事業会社・プロジェクトへの貸付など、幅広い分野への出資に活用されている。

(注3)ポータルサイト:ポータルとは門や入口を指す語。このことから、ウェブにアクセスするための様々なコンテンツを有する巨大なサイトを、ポータルサイトというようになった。

(注4)SNS(Social Networking Service):人と人との社会的な繋がりを維持・促進する様々な機能を提供する、会員制のオンラインサービス。

 

参考資料

(1)日本経済新聞、2021年6月26日。

 

[付記]2021年7月30日。

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です