椎野ブログの再開にあたって

椎野塾 堀澤正彦

人間としてこの世に命を授けられた以上はどのように生きるのか。
本当に何も残さず生きるのか。
言葉を残しなさい。
自分がやりたいと思ったことをやり切れないと思ったら、後世に後輩に言葉を残しなさい。

この一節は、江戸末期から昭和を生きた、思想家の内村鑑三が「後世への最大の遺物」として講演で説いた内容の抜粋で、椎野先生から教えていただいた言葉です。
日本が成熟した社会になり、大きな変革期を迎えるなか、今より良い社会を残してゆきたい。そのためには、自分の考えを伝え続けなければならない。
椎野先生は内村鑑三の思想に共鳴、発奮して、自身の思い、考えを後世の人に読んでもらえるように生涯書き続けますと宣誓したのです。

2010年からはブログとして連綿と書き続けてきました。内容は、社会、産業の未来から山村振興、林業再生と多岐にわたり、時には椎野塾に関わる多くの面々が執筆者となり続いていましたが、椎野先生は高齢となり書き続けることが困難になりました。
遂に先生は筆を置かれ、椎野ブログの掲載も2026年1月を最後に途切れていました。

先導者たちへ
先導者=高い志をもって時代を先駆ける者は、常に孤独である。漆黒の闇夜に一艘の小船を漕ぎ出し大海を渡らんとするが如き、そういう孤独をきっと、皆、味わっているはずである。
人の先に立って、未踏の明日を切り拓こうとすることとは、そのような勇気のある精神の戦いである。
松明に火を灯し舳先に掲げよう。
この一点の小さな明かりが、思いがけず、遥か遠くにある同じ志の者を励ますとしたら、やがて次々と狼煙のように伝播して、煌めく数多の松明が、満天に輝く星空になるとき。
先導者=高い志を持って時代を先駆ける者は決して孤独ではない。

この詩は、先生に師事するようになって間もないころ、頂戴した手紙に書かれていたものです。自ら綴った詩ではないそうですが、先導者たれと教え諭されている私たちへの訓辞だと思っています。

現在、椎野塾に関わっているメンバーの多くは森林林業の関係者です。社会全体が変革期を迎えている今、将来に何が変わろうとも必ず残るであろう森林と地域が一体となった山村振興を実現するための先導者たらんとする。

小心ながらその意思を承継し、椎野ブログを再開します。

 

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