林業再生・山村振興への一言(再開)
2021年1月(№65)
□ 椎野潤(続)ブログ(276) 新年おめでとうございます
2021年 夢拓く大型パネル 2021年1月1日
☆ 新年おめでとうござい 2021年元旦 椎野 潤
2021年は希望に満ちた年になります。2020年の秋から冬にかけて、ブログは素晴らしく盛り上がりました。それは塩地博文さん、伊佐 裕さん、小柳雄平さん、小森胤樹さん、森田俊彦さんの5人の仲間が、盛り上げてくれたからです。
年末には、塩地博文さんが、共同執筆してくれて、ブログがとても大きな盛り上がりになりました。秋には、伊佐裕さんと小柳雄平さんが、森林パートナーズと秩父FORESTで、2020年のブログの追い込みに、勢い良いスタートを切ってくれました。年末には森田俊彦さんが小森胤樹さんと共同で、南九州で林業再生と山村振興の種まきを始めてくれました。早春にはそれが芽を出し、春の訪れととももに、どんどん育って いくはずですです。
2021年の正月は、この人達の、新春にかける夢を聞かせていいただいて、始めます。毎週、火曜日と金曜日が楽しみです。今年の元旦は金曜日でした。元旦は、私と塩地さんの2人で、皆さんに、ご挨拶します。今日この後は、塩地博文さんにバトンタッチします。
☆ 新年おめでとうございます 2021年元旦 塩地博文
新年に当たり、大型パネル事業の2021年の計画を<少しお話しさせていただきます。最大の難関の一つであった「施工図」のソフトウエアの開発が完了し、飛躍を期す年を迎えています。その具体的な目標とは、「大型パネル技術の地域移転」と「工業化の推進」です。
2018年に誕生したウッドステーションは、起業後すぐに<大型パネルの地域生産を担える企業を対象として、「大型パネル生産パートナー会」という任意団体を設立し、その団体への参加募集を開始しました。2019年12月時点で95社が集まっており、小職はその会長を引き受けています。現在、大型パネルはウッドステーションの株主の1社であるテクノエフアンドシー(ミサワホーム子会社)で、大型パネルの殆どの生産を行っています。テクノエフアンドシーは、全国5工場でその生産をカバーしていますが、需要地がその5工場から遠隔地にある場合は、輸送費が高くなります。また、テクノエフアンドシー工場の製造能力を上回る受注状態にもなります。それで、目下、生産拠点の拡大が課題になっています。すなわち、テクノエフアンドシー以外の、生産パートナー会員の方々に生産してもらう必要性が生じています。
その状況に陥ることは、大型パネル事業としての成功を意味しています。起業早々から生産パートナー会を設立し、その準備を整えていたことで、円滑な生産拠点拡大が始まっています。新潟では地元の木材会社が大型パネル生産を開始すると発表しました。この後に続いて、関東圏の数社から打診があり、生産量、供給圏が広がっていきます。このタイミングに合わせるために、施工図のソフトウエア化を急いでいました。大型パネル製造に不慣れな企業にしてみると、「情報化」は絶対条件になります。いわば、素人でも、情報化によりパネル生産が可能になるのです。熟練工を必要とする現場生産との違いは、情報化により誰でも生産可能になる点にあります。
地域への技術移転は、情報化の賜物です。誰でも生産が可能になれば、輸送費もすぐに減少していきます。これは大型パネル普及に弾みがつくだけでなく、地域大型パネル工場は、地域木材との親和性を、ますます向上させていきます。地元資本による地域大型パネル工場は、地域内経済循環を支えていくエンジンになると思われます。
次は、工業化の更なる推進です。情報化の成功の波に乗り、大型パネルの生産方式を一気に革新していきます。CADCAM化(注1)により人力作業を機械生産へ、ついにはロボット生産の検討が始まります。大工による過酷な現場生産も、工場内部における負担の高い取付作業も、消滅していきます。情報化を経る事で、ジャストサイズが割り出されて、無駄の多かった木材加工が、その歩留まり(注2)を高める効率的な加工へシフトが進みます。
2021年は、大型パネル事業の飛躍の年とし、その飛躍を現場で疲弊している大工の解放や、低い歩留まり率に悩まされている国産材の価値向上に繋げて行きたいと思っています。
(注1)CADCAM:設計のCADデータから、工場で自動加工を行うためのCAMデータを自動生成
して、これにより自動機を動かして自動生産すること。
(注2)歩留まり:生産全般において、「原料(素材)の投入量から期待される生産量に対して、実際に得られた製品生産数(量)の比率」のこと。
[付記]2021年1月1日。