鹿児島県大隅半島での「林業再生・山村振興」の動き(その3) 鹿児島の森林経営管理制度の講演録

林業再生・山村振興への一言(再開)

2021年3月(87)

 

□椎野潤(続)ブログ(298) 鹿児島県大隅半島での「林業再生・山村振興」の動き(その3) 鹿児島の森林経営管理制度の講演録 2021年3月19日

 

☆序文

ぎふフォレスター協会(注1)の小森胤樹さんから貴重な活動報告が送られてきました(参考資料1)。ここでは、これを紹介します。

 

[鹿児島の森林経営管理制度の講演録]

☆前書き

ぎふフォレスター協会の小森胤樹代表理事から、貴重な講演録が送られてきました(参考資料1)。私は、これを凄く楽しみにしていたのです。森田さんの報告(参考資料2)に続く小森さんの報告は、私が楽しみにしていた報告なのです。

 

☆引用

2021年2月3日、久しぶりに飛行機に乗り、鹿児島へ。午後からの研修会まで時間が有ったので、維新ふるさと館へ行きました。展示の中、西郷さんが亡くなったのが49歳と知り、ちょうど私と同じ年でした。明治維新で日本の社会システムは大きくかわりましたが、現在も世界の社会システムが変わろうとしているときです。そんな中、自分に出来ることは何なのかを改めて問いました。

鹿児島県の町村会の研修会の一講座として、24名の首長さんの前で、「なぜ今、森林経営管理法が必要になったのか」というお題で、私の視点からお話させていただきました。林業が産業としてほとんど存在しない町村長にとっては、森林環境譲与税も交付金の一種として、その目的も使途も十分把握されていない方もいらっしゃいました。しかしそれは仕方のないことなのかと感じています。だからこそ、行政内だけでなく、外部に専門家がいないとうまくいかないと改めて感じた次第です。

翌日は、鹿屋市、南大隅町、錦江町、肝付町の林務担当者、大隅地域振興局、大隅森林管理署、民間事業体と地域の森林管理のステークホルダー(注2)がおおよそ一堂に会した勉強会となりました。二日とも森田町長が直接周って頂いた結果、このような場が実現したこと本当に感謝いたします。事前に知り合いの民間事業体の方に聞くと、今までこのような研修会が存在したことはなかったと伺っていました。

前日の町村会研修の内容により現場レベルの具体的な話を盛り込んだ資料を作り、会に臨みました。一時間半話す予定が、熱が入りすぎて2時間ぶっ通しで話しました。それだけ話せたのは、皆さん反応を確認しつつ話をしているのですが、頷いてくれている方が多かったので、頂いた時間を超えて、伝えたいことを伝えました。

この会にお一人直接林業とは関係のない方にも来ていただきました。おおすみ半島スマートエネルギーの村上社長です。私と同じ小売電力事業だけでなく、木質バイオマス発電もされています。林業関係者だけでなく、地域において林業をどのようにポジショニング(注3)していくのかが大事だと考えているので、必要なステークホルダー(注2)だと考えています。

 

☆まとめ

その後、民間の方からの声で、仮称「大隅半島100年の森」という組織が動き出したのは森田町長からの報告(参考資料2)の通りです。

新年度以降も森林総合監理士として、一歩引いた地域外の専門家として、皆さんのお力になりたいと思っています。 (ここまで小森胤樹著、参考資料1から引用)

 

☆結言

小森さんは、私に送ってくれたメールの中で、「感動のあまり、身が震える思いです」と書いておられました。森田俊彦南大隅町長の鹿児島の市町村の人達への、特に南大隅の1市3町の人達への個別の説得は物凄く、「一人残らず全員から、明確な出席の回答を得ている」と聞いたとき、小森さんが著しく感動したのです。

特に2月4日の鹿屋市、肝属町、錦江町、南大隅町の人達への話に際しては、前日に講演した資料に、さらに細かい情報を加えて、周到に準備していたのです。それが見事に成功し、聴衆の深い感動を生んだのです。

この人達の生み出した強烈な熱気に、小森講師も大いに引き込まれ、1時間半の予定時間を、はるかに超える2時間も、熱演を続けたのです。この出発点は大きいのです。今後この1市3町は、熱にうなされたように力強く歩むでしょう。日本全国の中で、ここにその第一号が生まれ出たのです。私は、この誕生を強く待ち望んでいました。これを超える喝采は、まずありません。(この項、椎野潤が記述)

 

(注1)一般社団法人ぎふフォレスター協会:市町村の森林行政支援や民間事業体の森林監理のアドバイス、実行管理を行うことを目的に、岐阜県が認定する岐阜県地域森林監理士4名(内森林総合監理士2名)と森林総合監理士1名で設立した一般社団法人。本店、岐阜県郡上市、設立2019年11月。

(注2)ステークホルダー(stakeholder):企業・行政・NPO法人等の利害と行動に直接・間接的な利害関係を有する者を指す。日本語では利害関係者。具体的には、消費者(顧客)、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関など。

(注3)ポジショニング (positioning):ブランドが顧客の心の中で独自の地位 (ポジション) を築き、競合他社の製品やブランド認知の観点での差別化をイメージさせるための活動である。ポジショニングは、最も強力なマーケティングコンセプトの1つである。

 

参考資料

(1)小森胤樹:鹿児島の森林経営管理制度の講演について  2021年3月9日。

(2)椎野潤(続)ブログ(297) 鹿児島県大隅半島での「林業再生・山村振興」の動き(その2)

鹿児島の森林経営管理制度の取り組みの報告 2021年3月16日。

 

[付記]2021年3月19日

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