地域再生 10代の衆議院選挙投票率 1都7県のトップ山梨県 地道な関心アップに汗 神奈川県模擬投票 高校生4万人参加 東京都ユーチューバー起用 登録人数100万人のサイトで

林業再生・山村振興への一言(再開)

 

2021年10月 (№149)

 

□椎野潤(続)ブログ(360) 地域再生 10代の衆議院選挙投票率 1都7県のトップ山梨県 地道な関心アップに汗 神奈川県模擬投票 高校生4万人参加 東京都ユーチューバー起用 登録人数100万人のサイトで 2021年10月19日。

 

☆前書き

日本経済新聞が、若者の投票率について、首都圏についても調べています。その結果、全国での分析とは、また異なった結果が判明しました。2021年9月18日の日本経済新聞が、これを書いていました。今日は、これを基にして考えてみます。

 

☆引用

「関東・山梨1都7県の前回2017年衆議院選挙の18、19歳投票率は、山梨県が46.22%と最も高かった。東京都と神奈川県が全国では10位内に入った。一方北関東3県は全国平均を下回った。各都県はインターネットやスマートフォンなどを活用するほか、出前授業や模擬投票などで地道な関心アップにも努めている。(参考資料1、2021年9月18日、日本経済新聞から引用)」

 

☆解説

関東地方の東京・神奈川・埼玉・千葉・茨城・栃木・群馬に、山梨を加えた1都7県で、18歳・19歳の投票率が一番高かったのは、山梨県でした。やはり若者の投票率が高いのには、それなりの理由があるのです。早くから県内で、努力が重ねられているのです。先行者の実施例を丁寧に見ておくのは、出遅れている各地の今後の地域創生に大いに参考になるはずです。ここでは、山梨県の取り組みに、神奈川県・東京都の事例を加えて紹介します。

山梨県は、若者の投票率が57.61%で、関東圏で唯一5割を超えています。山梨県選挙管理委員会は、選挙のない時期にも若年層を啓発するなど、地道な活動を続けています。小・中・高校に出向く「出前授業」を、10代の若者に選挙権を与えた2016年より4年早い2012年から、実施しています。当初は、小・中学校が対象でしたが、2015年からは高校も加えました。選挙の目的や意義などを伝え、小学生には、クイズ形式で興味を持ってもらえるように工夫しています。

選挙権の年齢引き下げに合わせ、公立高校には、校内放送での投票呼びかけも依頼しました。用事で投票できない場合、期日内投票ができることなどを伝えています。県選挙管理委員会は、若者向けに選管のインスタグラム(注1)を開設しました。「若年層が選挙に関心を持ち、投票しようと思えるように、啓発は今後も進めたい」と、山梨県は意気込んでいます。

神奈川県も、若年層の選挙への関心を高める方策に、早くから力を入れてきました。神奈川県は、選挙権の18歳への引き下げ前の2010年の参議院選挙から、全ての県立高校で模擬投票を実施していました。これは選挙管理委員会が推進している「シチズンシップ教育」の一環です。政治参加教育を通じて自立した社会人に育てるのが狙いでした。

3年ごとに半数を入れ換える参院選の前に、3年生4万人が参加しました。県選挙管理委員会と連携し、これまでに4回実施しました。選挙広報を読んで分析したり、実際の投票箱を借りたりする学校もあり「選挙モード」を高めるのに役立っています。

東京都は、幅広い影響があるユーチューバ(注3)を使い、若年層への普及啓発に乗り出しています。都選挙管理委員会は、2021年7月の都議会選挙でユーチューバーを初めて起用しました。登録者数が100万人超の「ねお」さんのチャンネルで、投票に行く意義などを放送プロデューサーのデープ・スペクターさんとの対談形式で紹介しました。選挙に関心を持ってもらうきっかけを増やしていくのが狙いです。

都選挙管理委員会は、スマホのゲームアプリや家計簿アプリなどでの動画広告も都議選で初めて展開しています。女優の浜辺美波さんが投票所へ行くように呼びかける動画が、ゲームの途中で流れます。視聴回数は合計169万回で当初の想定を上回りました。今後も「ネットメディアを活用した若者に刺さるコンテンツを考えていく」方針です。(参考資料1、2021年9月18日、日本経済新聞を参照引用して記述)

 

☆まとめ

18・19歳の若者の選挙参加に関して、関東地方では、山梨県が一番進んでいました。これは県をあげて行ってきた高校生への地道なアプローチの成果でした。

でも、神奈川県も流石です。議員の半数が入れ代わる参議院選挙に先立って模擬投票が行われました。この取り組みには、高校3年生4万人が参加していたのです。なにしろ、その人数が多いのが凄いのです。それも4回も実施していました。これには、県の「日本の民主主義」への危機感が現れていました。ここで全国都道府県での、このような試みを実施すれば、若者からの日本民主主義再興を始めようという試みは、大きく動き始めるものと思われます。

一方、東京都は、都が得意にしているITテクノロジー(注4)を駆使して、若者の政治への覚醒にチャレンジしています。東京都選挙管理委員会は、ユーチューバー(注3)を初めて起用しました。「ねお」さんチャンネルを使って広報を実施したのです。これは登録人数が100万人の巨大なインターネットチャンネルです。これは20〜30代の女性に、特に人気があります。

また、人気女優の浜辺美波さんの「投票所へ行く呼びかけ動画」を、ゲームの途中で流しました。この聴視回数は合計169万回に達しました。これらは見てくれる人の数が桁外れに多いのです。若者への浸透効果は著しく大きいと思います。

このように、SNS(注2)やテレビを通じた情報発信は現代社会を動かしているチャンネルです。若者の選挙への刷り込みを目指して、全国都道府県で実施すると良いと思います。

これにより、日本の民主主義の第2次維新の大きな流れが、産み出せると私は感じています。コロナ禍の終焉が見えてきて政権も交代した。今が絶好のチャンスです。皆で、力を合わせて挑戦しましょう。(参考資料1、2021年9月18日、日本経済新聞を参照引用して記述)

 

(注1)インスタグラム(Instagram):Facebook、Inc.が所有するアメリカの写真・動画共有ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)。2010年10月にサービスが開始された。

(注2)SNS(Social Networking Service):人と人・組織と組織との社会的な繋がりを維持・促進する様々な機能を提供する、会員制のオンラインサービス。

(注3)ユーチューバー(YouTuber):動画共有サイトYouTube上で自主制作の動画作品を継続的に公開している個人および組織。その中でも特にYouTubeチャンネルに重点を置いて活動している配信者たちを指す。

(注4)ITテクノロジー:科学的知識を、IT領域における実際的目的のために工学的に応用する方法論を指す用語・概念。

 

参考資料

(1)日本経済新聞、2021年9月18日。

 

[付記]2021年10月19日。

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