SNS地域経済動かす効果的な活動がコロナ禍収束後の活性化を左右 48市町村で住民を超すフォロワー 

林業再生・山村振興への一言(再開)

 

2021年6月 (№117)

 

□ 椎野潤(続)ブログ(328)SNS地域経済動かす 効果的な活動がコロナ禍収束後の活性化を左右 48市町村で住民を超すフォロワー

2021年6月29日

 

☆前書き

ツイッター、フェイスブック、インスタグラムへの魅力的な投稿で、フォロワーが急拡大しています。コロナ禍後の地方再生に、にわかに期待が持たれます。2021年6月12日の日本経済新聞に、この記事がでていました。今日は、これを取り上げてブログを書きます。まず、この記事の「書き出し文」の引用から始めます。

 

☆引用

「自治体のSNS(交流サイト、注1)発信力が経済を動かす時代になってきた。ふるさと納税の寄付先を選択する「決め手」となるほか、観光訪問や将来的な移住にも結びつく。国境に縛られない特性を生かし、海外からフォロワー(観覧登録者、注2)を獲得した自治体もあり、効果的な活用が新型コロナウイルス収束後の活性化を大きく左右する。(参考資料1、日本経済新聞、2021年6月12日から引用)

 

☆解説

日本経済新聞は、全国1741市町村の公式アカウント(注3)を2021年5月末の時点で集計しました。ツイッター(注4)、フェイスブック(注5)、インスタグラム(注6)の各アカウント(注3)を、都道府県別にまとめたところ、最多は東京都で90万でした。行政情報入手のため、住民がフォローするケースも多く、人口が集中する東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県が上位(神奈川3位55万、千葉4位53万、埼玉5位45万)に並んでいました。

一方、人口比でみますと、長野県が16.1%でトップに浮上します。東京(6.5%)や神奈川(6.0%)などが全国平均(6.6%)を下回ったのに対し、8道府県が住民の1割を超えるフォロワー(注2)を獲得していました。

長野県では、人口9000人の白馬村が、フェイスブック(注5)で13万以上を集め、全体を牽引しています。ここでは、フェイスブックに対する投稿で、細やかな配慮が、この凄い実績を生んでいるのです。「今こそ没入感を楽しんでもらいたい」として、スキーシーズンには、滑走する動画、登山期には白馬岳山頂から見わたす写真などをコンシューマー(一般市民)に見せて工夫をこらしています。

ここで翻訳機能が付いているのが、大きいのです。これが、海外のフォロワー(注2)を集める凄い力を発揮しています。投稿のたびに、オーストラリアや香港などから「素晴らしい風景」「行ってみたい」などのコメントが寄せられます。

さらに拡散性のさが、閑散期の集客に効果を発揮するのです。課題だったシーズン終了後の誘客を図ろうと、4月に「映える櫻」を掲載しました。その結果、驚いたことに、俄かにカメラマンが増え、前年比3倍の観光客が訪れました。

さらにこのフォロワー(注2)数の増加は、ふるさと納税の多寡にも直結していました。フォロワー数の合計が5万円未満に止まる徳島県や福井県など5県の平均寄付単価は、2.5万円です。一方で、50万円以上の北海道などの4都道県は、3.4万円と6割も高いのです。

また、これは市区町村レベルで、より顕著に表れています。ツイッター(注4)で人口の4倍強の2000あまりのフォロワー(注2)を持つ山梨県丹波山村は、2019年度に550万円だった寄付額が、2020年度には6000万円と10倍以上に拡大しました。この「勝因」は、ツイッターで返礼品の桃(山梨市産)をPRしたことでした。担当者は、「山梨市の返礼品と同じ生産者だが、丹波山村の方が人気となった」と話しています。

2017年の返礼品競争のあおりを受けて、流出額日本一(6991万円)の町となってしまった京都府精華町は、SNS(注1)で起死回生を狙っています。流出は、まだ、続いていますが、今年度は「赤字解消のアイディアを大募集」を呼びかけ、フォロワー(注2)からの意見を募っています。この結果が注目されます。(参考資料1、日本経済新聞、2021年6月12日から参照引用)

 

☆まとめ

住民数を上回るフォロワーを獲得している48市町村があります。この高い関心は移住にも結びつきます。

神奈川県葉山町は2015年、転出超過の状況を改善しようとインスタグラム(注6)に注目しました。「#葉山歩き」のハッシュタグ(注7)を設け、町の魅力が伝わる投稿を促したところ「住みたい」との声が増加しました。同年からプラスに転じました。以降も転入超過を維持しています。

人口の20倍以上のフォロワーをフェイスブック(注5)で持つ北海道壮瞥町では、自然環境や生活感の伝わる移住ブログの掲載を始めた2020年度以降、移住相談が増加しました。(参考資料1、日本経済新聞、2021年6月12日から参照引用)

 

2021年5月末のフォロワー(注2)数人口比のランキングは、以下の通りです。

[ツイッター]

(1) 東京都青ヶ島村

(2) 北海道陸別町

(3) 山梨県丹波山村

 

[フェースブック]

(1) 沖縄県渡名喜町

(2) 北海道壮瞥町

(3) 長野県白馬村

 

[インスタグラム]

(1) 岐阜県白川村

(2) 奈良県天川村

(3) 神奈川県葉山町

 

この一覧の中で、神奈川県葉山町は、異色です。葉山町は自然環境にも恵まれていますが、観光地というよりは、静かな住宅地です。そこに、この動きの風に乗って、移住希望が拡大しはじめました。 全国各地でも同様な活動をすすめれば、市街地の中心からの移住を増大させ、人口減少による衰退から脱出できるところが増えていくだろうと、強い期待を持ちました。

静かな住宅地でも、丁寧に探せば、春は櫻、初夏は薫風かおる新緑、梅雨時の紫陽花、梅雨明けの夏の空、秋の訪れの風情と紅葉、冬の降雪風景、さらに四季により移り変わる遠景の山々の変化などがあるはずです。この写真や、動画を丁寧に撮って、このブログに登場した町村のように、ツイッター(注4)、フェイスブック(注5)、インスタグラム(注6)に、時々刻々、タイミング良く投稿すれば、2拠点居住で移住を望む人々が、一気に増加するはずだと思います。

ここへきて、地域再生(山村振興)には、にわかに、希望が膨らみました。皆を苦しめたコロナの悪魔が、地域再生(山村振興)への追い風を送ってくれたのです。日本経済新聞は、このチャンス到来に際して、「地域再生エディター」の専門家を選定し、この記事を書いてくれています。それにより、記事が格段と明確になり、豊かになりました。私も、このブログでは、ブログ読者に、記事をわかりやすく読んでもらうことを考えて、記事紹介のブログに努力しました。私の「山村振興」のブログも、このテリトリーのブログが、今後、一層、重要になると思います。力を入れ書いていきたいと思います。(参考資料1、日本経済新聞、2021年6月12日から参照引用して記述)

 

(注1) SNS(Social Networking Service):人と人との社会的な繋がりを維持・促進する様々な機能を提供する、会員制のオンラインサービス。

(注2) フォロワー: Twitterをはじめとするソーシャルサービスにおいて、特定のユーザーの更新状況を手軽に把握できる機能設定を利用し、その人の活動を追っている人のことである。自身のことをフォローしているユーザーのこと。

(注3) アカウント (account) :ユーザーがネットワークやコンピュータサイトにログインするための権利のこと。

(注4) ツイッター(Twitter):アメリカ合衆国・カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くTwitter, Inc.のソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS)。

(注5) フェイスブック(Facebook):アメリカ合衆国・カリフォルニア州メンローパークに本社を置くFacebook, Inc.のソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS)。

(注6) インスタグラム:写真に特化したSNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。画像や短時間動画を、共有する無料のスマートフォン・アプリとそれを用いたサービスのこと。

(注7) ハッシュタグ:言葉やスペースの無いフレーズの前にハッシュ記号(番号記号)、#を付ける形のラベルである。メタデータタグタイプであり、Facebook、インスタグラム、Twitterといったソーシャル・ネットワーキング・サービスに投稿したメッセージに、言葉やフレーズの前に#(ハッシュタグ)を付けると、文章内に表示されるか、文章の語尾に追加される。

 

参考資料

(1)日本経済新聞、2021年6月12日。

 

[付記]2021年6月29日。

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