これで本当に地域の消滅は防げるのか(後編)  高齢者の「生涯現役」に希望 高齢者一人一人が生涯現役を目指すこと、まず、自分自身がそのように生きること

☆巻頭の一言

高齢者に「生涯現役」を目指してもらおうという動きが、今、急速に進んできました。

結局、最高齢者が、元気で仕事をして働いてくれることが、地域の幸福社会の存続と進化を続ける上で、最も大きいのです。また、これは結局、高齢者一人一人の意欲と熱意が鍵を握るのです。これは、高齢者の「有業率(注1)」の増加として顕著に現れています。

また、私自身に、その意欲や熱意が満ち満ちているかを、自省してみました。でも、私は、充分頑張っていると確信しました。特に、ここ数カ月は、日々確実に進化していると、強く実感しています。

 

林業再生・山村振興への一言(再出発)

 

2022年4月 (№200)

 

□椎野潤(新)ブログ(411) 高齢者の「有業率」の増加は、最増が宮崎で、次いで福島、栃木が続きます。長野・山梨は 高齢者が3割就業しています 2022年4月19日

 

☆前書き

2022年2月26日の日本経済新聞は、この記事を報じていました。記事は、以下のように書き出しています。

 

☆引用

「地域の担い手として、高齢者に「生涯現役」を目指してもらおうとする動きが広がっている。少子化が加速する中、限りある人材の活用は、喫緊の課題。医療費の抑制にも寄与する。積極的に就業を支援する宮崎県や福島県では、65歳以上で仕事を持つ人の割合は、5ポイント以上増えた。(参考資料1、2022年2月26日、日本経済新聞から引用)」

 

☆解説

都道府県で、65歳以上の高齢で仕事を持つひとが、最近最も増加したのは、宮崎県でした。その有業率(注1)は、25.9%でした。すなわち、65歳以上のひとの1/4は仕事を持っているのです。次いで福島県と栃木県でした。一方、有業率の数値が最も高かったのは長野県で、30.4%でした。山梨県が、30.3%で続いていました。

宮崎県では、少子高齢化への危機感を背景に、さまざまな活動を進めていました。高齢者と企業とのマッチングイベント(注2)を、定期的に開催していました。2019年までに、これに1000人が参加し、134人が就業しました。

2020年10月には「みやざき女性・高齢者就業支援センター」を開設しました。高齢者からの求職の相談に、「キャリアコンサルタント(注3)」の国家資格を持つ相談員が、常時応じる仕組みもつくりました。初年度は半年だけで、328件の相談があり、うち、62人が就職しました。まだ、就業人数は、そんなに、多くはありませんが、これは大きな動きなのです。

保育園や老人ホームを運営する社会福祉法人スマイリング・パーク(宮崎県都城市)で働く男性は、60歳の定年を機会に、同社に契約社員として転職しました。2022年4月からは、正社員として働く予定です。この人は「社会の一員として、もっと責任ある立場になりたい」と言う思いから転職したのです。

 

同法人は、2020年度に定年を70歳から75歳へと引き上げました。職員390人中、65歳以上が2割を占めています。同法人は、週休3日制のほか、音声入力支援システムによる事務経験、体力面の不安をカバーするための最新型リフト導入など、働きやすい環境づくりを進めています。山田一久理事長は、「高齢者には、豊富な経験がある。生かさないのはもったいない」と話しています。(日本経済新聞、2022年2月26日(鈴木洋介、塚越慎哉、内藤英明)を参照引用して記述)

 

☆まとめ

有業率(注1)自体が、最も高い長野県では、今から44年前の1978年には既に、高齢者に学びの場を提供する「シニア大学」を開設していました。過去、40年以上にわたり、定年後の生活向上に、取り組んできたのです。このシニア大学では、現在、10学部で800人が学んでいます。ビジネス講座も用意し、喫茶店などの起業にもつなげています。

もっとも、体力が低下していく中では、本人の希望と適性が合致しないことも、しばしば起るのです。山梨県では、求職セミナーの開催時に体力測定を実施しています。30秒間で立ち上がれる回数を測ったり、パズルに取り組んでもらったりした上で、仕事を紹介します。県産業労働部は「身体的な特徴も踏まえてマッチングすることで、定着率を高めていきたい」と話しています。

 

人間は、加齢を重ねますと、有病率は増大していきます。認知症などにも罹患しやすくなります。物忘れも激しくなります。脚力が衰え、身体的な体力も、次第に失われていきます。でも、考える力の訓練を重ね、身体を良く動かして体力を蓄える努力を重ねて行けば、考える力も体力も充分維持することができるのです。適切な努力を重ねれば、その年齢なりに、進歩を重ねることが出来るのです。

日本各地の「地域」も、その地域がどの位、活力があるかは、各地の高齢者の元気度で、大きく変わってくるのです。

 

こう考えると、定年は、結局、人生、二回目のスタートです。現役時代と同じように、あるいは、それ以上に、頭を使い、身体を使うことが、最大の健康法になるのです。

私は、2022年3月、誕生日を迎え、満86歳になりました。私は、今の自分を、「最後期高齢者」と呼んでいる時代に生きています。高齢化は、年々、少しずつ進行していきます。その中で、毎年、前年以上に、頭を使い、身体を使う生活に努力をしています。頭は高齢化で、一年一年衰えていきます。でも、その中で、毎日の生活で前年以上に頭を使い考える生活をしているのです。

 

高齢時代に入ってから、日本の幸福な未来の構築に役立とうと、毎日、ブログを書いて生活してきました。今は、日本の未来にとって、「林業再生と山村振興」の新世界の樹立が、最も大切だと考え、それに専念しています。それを専門分野だと考え、毎日、集中して考え続けています。その結果、その分野においては、考える頭の能力は、まだ、日々進化していると自覚しています。

「高齢化」と「腹壁膿瘍」という難病を抱えており、それにより、頭と身体の劣化は、年々進行しますが、日々の生活の努力により、その仕事に注力する頭の力と身体力は、まだ、日々、進化していると確信しています。特に、ここ数カ月は、それを実感しています。

 

すなわち、最後期の人生に至っても、頭を使い、からだを使って、その頭とからだを前提にした上で、健康を確実に維持・向上させることが出来ています。私は86歳です。介護保険の「要支援2級」で、リハビリー介護センターの訓練に週二回通って、訓練しています。毎日、ブログを考えています。それで、頭も身体も健康であり、未来の幸福社会の構築に役立つ仕事をこなせています。(日本経済新聞、2022年2月26日(鈴木洋介、塚越慎哉、内藤英明)を参照引用して記述)

 

(注1)有業率:65歳以上の人口に対する仕事を持っている割合=有業率。2017年と2012年を比較。

(注2)マッチングイベント:交流会。

(注3)キャリアコンサルタント:学生・求職者・在職者等を対象に職業選択や能力開発に関する相談・助言を行う専門職。2016年4月に職業能力開発促進法にキャリアコンサルタントが規定され、国家資格となった。

 

参考資料

(1)日本経済新聞、2022年2月26日

 

[付記]2022年4月19日。

 

 

 

[追記 東京大学名誉教授 酒井秀夫先生の指導文]

[指導を受けたブログ名:椎野潤(新)ブログ(410) 「高齢独居対策」山形が先行 60代婚活は 滋賀・福井が熱意を持って推進 2022年4月15日]

 

文月恵理様

 

ブログ配信ありがとうございます。

 

高齢独居対策は大事な課題です。

もう大分前になりますが、広島の知人が夕方芸備線で広島に帰ってくるとき、沿線の家々に灯る明かりを見て、「どの家も1人しか住んでいないんだよな」と嘆いていました。その後、それが空き家になったり、限界集落になったり、最近は消滅した集落もあると思います。地方を旅して、土蔵もある立派なお宅なのに明らかに空き家というのも見ることがあります。一方で、広い立派な玄関を構え、大家族で暮らしているお宅もあります。

1人暮らしでもIoTを使って安否を自動的に知らせる仕組みもあると思いますが、地域に若い家族で住んでもらえる仕掛けも考えなければならないですね。若い人にとっては、子どもの教育がネックになると思いますが、高校生には市内に寮を完備したり、リモートを可能にする通信などの整備も有用になるかもしれません。

 

酒井秀夫

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