小柳雄平・ 伊佐裕ブログ 森林パートナーズのビジョンとのつながり

林業再生・山村振興への一言(再開)

 

2022年3月(№189)

 

□ 椎野潤(新)ブログ(400) 小柳雄平・伊佐裕ブログ 森林パートナーズのビジョンとのつながり 2022年3月11日

 

☆前書き

小柳雄平さんが、経営する「森林パートナーズ」の目指すところ、ご自身が目指しているところを述べる「論文」を投稿してくれました。読者のみなさまに読んでいただきます。

 

☆引用

森林パートナーズのビジョンとのつながり                                 小柳雄平

日本国内で国産木材、地域産木材を活用する動きが、最近、顕著に見られるようになりました。また、将来の資材として先人が植えた木々が、適齢期を迎え過密になってきています。さらに、これに加えて、脱炭素、カーボンニュートラル(注1)、外国産木材の価格高騰から発した「ウッドショック」など、様々な動きが出現してきており、これらが加速度的に国産木材、地域産木材の活用を後押ししています。

先日、木材のサプライチェーン(注2)を構築しつつある具体的な事例を目にする機会を得ました。そこでは、木材資源量情報や生産情報、加工情報などを整理して、その情報を活用して木材消費に結びつける、様々な取り組みが見られました。

私は、この具体的な動きに、とても驚き嬉しく思いました。でも、これらのサプライチェーンが、収益性を内包した構成になっているかというと、まだ、これからのようです。

我が社「森林パートナーズ」のシステムは、需要情報を山側へ伝え、その情報に合わせて生産された材を、需要者である工務店が山元から直接購入することで、山元の利益を確保しようとしています。

さらに、これにより、木材流通を「六次産業化(注3)」したトレーサビリティーシステム(注4)を、確立しようとしているのです。これにより、収益力を高めるシステムとして構築を進めてきました。でも、まだ多くの課題が残されています。今後、これを解決し、連携チャンネルの拡幅などを進め、これにより森林資源を総合的に活用していく必要があります。

 

現在の国産材活用において喫緊の課題は、地域によって様々ですが、どこも将来の流通ビジョンとしては、とても明確です。すなわち、そのビジョンが目指すところは、安定的な木材需要情報による、木材生産と木材の安定供給の体制確立です。ここでは持続的な産業連携の体制確立が求められています。

その基盤があって、はじめて、そこに自由な競争が起こり、世界における競争力の向上にもつながるのです。すなわち、このビジョンをもちながら、現状を打破していくことが、凄く重要なのです。

日本中の多くの地域で、今、林業は、収益が少なく疲弊しています。この林業で利益を還元する仕組み作りを、強力に進めねばなりません。そして、その仕組みを継続するのは補助金によるのではなく、それ自体が収益構造を持つ必要があります。

 

人口増加や経済発展が著しかった時代は、木を生産すれば、すぐ売れる時代でした。しかし、現在は、人口減少が明らかな時代です。この中で、そのような仕組みを作るには、需要情報と緊密に連携した「木材のサプライチェーン」の構築が必要なのです。

サプライチェーンを構築するには、信頼関係を築き上げ、ブラックボックス(注5)を排除し、情報の見える化・共有化をすることが、きわめて重要です。そして共有した情報をもとに、作業を効率化し流通の手間やコストを最適化します。

これが、各工程を分断した中で効率化を目指すより、はるかに成果があがり、流通の総合的なコストダウンにつながります。これにより利益の分配が可能になり、そこに消費者へも含め価値を乗せることにより、バリューチェーンが形成できます。有効なコストコントロールが生まれます。

 

ウッドステーションの大型パネルは、その流通の最適化を見事に実現するもので誠に見事です。森林資源のデータ測量などの技術も、ドローンや3Dレーザーなどの発達により、デジタル化が進んでいます。AI搭載のハーベスター(注6)なども、さらに精度を上げてきています。

数年前に漠然と思い描いていた、設計者が引いた線が即座に丸太の玉切りにリンクする時代が、目の前に来ているのです。我が「森林パートナーズ」のシステムも、次なる有効なバージョンアップ、機械化を繰り返して、さらに先進的な技術と融合させながら、来たるべき日本国を担う、美しい森、美しい街並み作りを進めていきたいと思います。

 

☆まとめ

小柳雄平さんが、立派な論文を投稿してくれました。私が、今、執筆している「林業再生・山村振興」の目指すところと、見事に合致しています。深い感動の渕に沈んでいます。

 

(注1)カーボンニュートラル:温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させることを意味する。例示すると、二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量をできるだけ削減した上で、削減しきれなかった分を植林・森林管理などにより二酸化炭素を吸収することで差し引きトータルでゼロにすること。

(注2)サプライチェーン:部材の製造から製品の流れ、情報の流れを合理化して、顧客に提供する価値の増大を図り続ける総合的な活動。サプライチェーンマネジメント:サプライチェーンをマネジメントすること。

(注2)六次産業化:六次産業化とは、「第一次産業」である農業や水産業の従事者が、自身の生産物を「第二次産業」の分野である食品加工を行い、「第三次産業」の分野である流通や販売までを手掛けること。また、このように経営が多角化展開することを六次産業化という。

これを林業に当てはめれば、「第一次産業」である林業従事者が、自身が生産した林木を、「二次産業の分野である製材品加工をして、木造住宅の建設を行い、さらに住宅販売、レンタル事業では、森の木材を可能なかぎり林産品加工品にして、「使用する時代」に対応して、人々に「所有せず使用してもらう」ことを目指すのは、次世代をめざした六次産業化である。

(注4)トレーサビリティ:モノの原材料・部品の調達から加工、組立、流通、販売の各工程で、製造元・仕入先・販売元などを記録・保管し、履歴の追跡が可能な状態にしておくこと。

(注5)ブラックボックス:電気回路・機械・生物的な系などについて,その内部構造は問題にせずに,それに対する入力と出力の関係だけが考察の対象とされるような過程。また,そのような装置。使い方だけわかっていて,動作原理のわからない装置。

(注6)ハーベスター (harvester) :収穫や伐採を行う農業機械及び林業機械の総称。

 

参考資料

(1)小柳雄平著:森林パートナーズのビジョンとのつながり、2022年3月10日。

 

[付記]2022年3月11日。

 

 

 

[追記 東京大学名誉教授 酒井秀夫先生の指導文]

[指導を受けたブログ名:再生エネルギーによる電力を熱に変えて貯蔵 コスト電池の1/5 「蓄熱発電」 米スタートアップ 脱炭素促す 2022年3月8日]

 

大谷恵理様

 

 

ブログ配信ありがとうございます。

 

 

興味深い発想です。以前、ブータンに行ったとき、河原のたき火で丸石を焼いて、それをコンクリートの浴槽に沈めてお風呂を沸かしていました。電気もない世界ですので、月明かりの下で、家族そろってたき火を囲んで夕食をとりながら、順番に入浴します。ブータンでは薪ストーブの上に丸石を並べて、寝た後にストーブの火が消えても丸石の放熱で部屋を暖めていました。こういった丸石の利用を発電に結びつけたのは創業者のまさにフィードフォード制御ですね。

 

石炭による火力発電にしてもバイオマス発電にしても、日本では熱利用が進まず廃熱が多いです。今回の蓄熱発電は、バイオマス発電と組み合わせると、いろいろな相乗効果で温暖化対策になります! しかし、その前にエネルギーは大事に使いたいです。

 

 

酒井秀夫

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