小柳雄平ブログ(その1)  JBNの協力のもと木の文化を繋ぐ

☆巻頭の一言

私が待望していた「林業サプライチェーンの実施による林業の大改革」の、全国への具体的な展開が、いよいよ、開始されました。森林パートナーズ(注2)と、木造住宅作りの全国組織=JBN、全国工務店協会(注1)の連携により、それが実現されたのです。今日は、その待望のブログを書きます。

 

林業再生・山村振興への一言(再出発)

 

2022年5月 (№211)

 

□椎野潤(新)ブログ(422) 小柳雄平ブログ(その1)  JBNの協力のもと木の文化を繋ぐ 2022年5月27日

 

☆前書き

森林パートナーズの小森雄平社長から、この記念すべき快挙を報告する論文が送られてきました。以下に、これを報告します。

 

☆引用

「8年前の2014年から実運営をすすめている木材流通サプライチェーン「森林再生プラットフォーム」はこのたび、日本全国の地域工務店約3000社を束ねる一般社団法人JBN・全国工務店協会(注1)のご協力をいただきながら林業・地域工務店をつなぐサプライチェーンを深化し、展開する機会を得ました。

森林パートナーズ株式会社(注2)は、地域工務店として林業が衰退していくような木材の使い方、購入の仕方をしてはいけないという思いと、林業経営体として長期的な経営ができる産業に林業全体を成長させなければならないという思いが掛け合わさり、8年前の2014年に木材流通サプライチェーンシステムを構築し、6次産業化をして実運営を開始し、5年前の2017年に、その管理・運営をするために設立した会社です。

 

近年のウッドショック(いまではロシアのウクライナ侵攻による影響でさらに深刻化、長期化している)の中で国産木材の活用が見直され、その安定供給の体制を構築するための国土交通省整備事業として、JBNのご協力を得つつ当社の取組の展開が採択されました。先ずは当社の足元の東京埼玉において、また横展開として熊本県内においてJBN会員工務店の随意のもと木材流通プラットフォームを構築し、地域・参画者の条件に合わせたサプライチェーン構築を進めて参ります。

また本事業では他の事業体も同様に採択されており、木造在来軸組大型パネル、CAD/CAMの技術向上、AIによる木材需要量傾向解析、需要情報と森林資源データとの紐づけなど、先進的な技術が見られます。それぞれが各々で成長するのではなく、連携し合えるように交流できればと期待します。

 

この意義は誠に大きく、先ずは具体的地域の企業体を連携させ実証しつつ、この実例をもって各論を共鳴させながら拡大し、全国総合的なニューノーマル(注3)な産業連携をつくり、環境、国家国民のためになればと願います。その将来展望のためにもJBNのご協力を得たことは心強く有難く思います。

 

サプライチェーン構築のために技術革新や効率化を取り入れることはもちろん、ただやみくもに技術導入をするのではなく、ビジョンをもつことが必要です。5月3日の椎野先生のブログ「小森胤樹ブログ 南九州の森林再生・山村振興(その4)対談 小森胤樹 VS 大竹野千里」の中で、「おおすみ100年の森」の大竹野千里さんが「我々が目指すのは、『人の手によって管理された多様性に富んだ大隅半島の森』作りです。ここで言う『人』というのは、孫やひ孫の世代であり、『管理』されたとは、どこにどんな山があるのかを、きちんとデータとして把握し続けると言う事です。大隅の山全体をきちんと把握した上で、木材生産の山、林産物生産の山、レジャー・教育の山など多様性を持った大隅の森作りをすることです。」という言葉がありましたが誠にこれが大事だと考えます。

 

また森づくりの在り方に限らず、生産林の長期的経営のスキーム(注4)、原木運搬と木材加工設備の有効的な配置、木材消費量の予測値の共有などその土地の人口推移などの動向なども考慮し具体的、複合的なビジョンを持つことが将来につながるサプライチェーンを構築するための指針になります。(これにはその土地の産官学のクリアな連携が不可欠であり、また生産者・消費者も深く協議し、)その上でバックキャスト思考(注5)をもって今から取り組むべきこと、大きく変革しないといけないことなどをサプライチェーン内で共有しデータ化しながら具体化していかなければなりません。

ただ練ってばかりでは前に進みませんので、目の前で必ず必要になると確信するものは実行しながら協議していくことが肝要でしょう。そのような姿勢で本事業を推進していければと考えております。

 

☆まとめ

小柳雄平さんは、以下のように述べておられます。

小柳雄平さんは、かねてから、伊佐ホームズは地域工務店として、林業が衰退していくような木材の使い方や、購入の仕方をしてはいけないと強く思っていました。さらに、林業経営体については、長期的な経営ができる産業に、成長させなければならないと、凄く強い信念を持っていました。

この二つを掛け合わせて、8年前の2014年に、木材流通サプライチェーンシステムを構築しました。6次産業化をして実務運営を開始しました。そして5年前の2017年に、その管理・運営をするために森林パートナーズ(注2)を設立したのです。

 

今回、林業と地域工務店をつなぐサプライチェーンを深化させ、展開を開始しました。日本全国の地域工務店約3000社を束ねる一般社団法人JBN・全国工務店協会(注1)と連携する活動を開始しました。

8年前の2014年から実運営をすすめていた、木材流通サプライチェーン「森林再生プラットフォーム」の全国展開が、いよいよ、具体的に始まったのです。

 

このたび、JBNと連携する森林パートナーズの取組が、国土交通省の整備事業として採択されました。先ずは東京近郊の埼玉において、また横展開として熊本県内において、JBN会員工務店との連携のもと、木材流通プラットフォームを構築し、地域および参加者の条件に合致した、サプライチェーンの構築が進められます。

さらにまた、この事業では、他の事業体も、多数採択されています。木造在来軸組大型パネル、CAD/CAMの技術向上、AIによる木材需要量傾向解析、需要情報と森林資源データとの紐づけなど、ここには、幾多の先進的な技術が見られます。このそれぞれが個々に活動するのではなく、連携し合って開発していければ素晴らしいと、私は、多大な期待を持っています。

 

この意義は誠に大きいのです。先ずは具体的に地域の企業体を連携させ実証しつつ、この実例をもって各論を共鳴させながら拡大し、全国総合的な産業連携が作れれば、国家国民のために大きく寄与するはずなのです。その将来への展望から見れば、JBNと森林パートナーズの連携は、極めて大きな出来事だったのです。

 

なお、ここでは、森づくりの在り方に限らず、生産林の長期的経営の枠組みを持った計画、具体的には、原木運搬と木材加工設備の有効的な配置、木材消費量の予測値の共有など、その土地の人口推移などの動向も考慮して、具体的、複合的なビジョンを持つことが重要です。

これが将来につながるサプライチェーンを構築するための指針となります。これには、その土地の産官学の透明な連携が不可欠です。また、生産者・消費者とも深く協議して、その上で、望ましい未来を明確に示した上で、これに向けて、明日の行動、近未来の企画を、具体的に進めて行かねばなりません。

 

ここでは、大きく変革しないといけないことを、サプライチェーン内で共有することが重要です。しかし、ただ練っているばかりでは、前に進みません。目の前で必ず必要になると確信するものを、実行しながら協議していくことが肝要です。小柳さんは、「そのような姿勢で本事業を推進して行きます」と力強く明言しています。(椎野潤記述)

 

(注1)全国工務店協会(Japan Builders Network:JBN): 全国の地域工務店を、技術、人材、品質、事務、情報等の面からサポート、関係省庁や各期間、関係事業者と協力・連携し、地域の良好な住環境と木造建築物の整備や維持で、地域社会に貢献することを目的とした全国組織。47都道府県で3000社の地域工務店が登録。年間3万棟の新築。30万件の施工実績がある。

(注2)森林パートナーズ株式会社: 国民的課題である森林の維持・再生と、地域材の活用促進のための事業を行う 地域工務店と林業・木材加工業の連携による6次産業化を実現するため、 「森林再生プラットフォーム」を提供する新木材流通コーデイネート事業を行うことを目的に、2017年6月30日に設立。

(注3)ニューノーマル(New Normal):ビジネスや経済学の分野において、2007年から2008年にかけての世界的な金融危機や、それに続く2008年か2012年にかけての大景気後退の後における金融上の状態を意味する語。

(注4)スキーム(scheme):「枠組みをもった計画」という意味のギリシア語を語源とした語。ビジネスシーンで使われるスキームは「計画」「案」「枠組み」。

(注5)バックキャスト思考: 望ましい未来から計画を立案すること。過去の実績から考えない。

 

[付記]2022年5月27日。

 

 

 

□ 椎野潤(新)ブログ(421) 未婚率の低下は人口減少防止に貢献する 未婚率の最少地域 宮崎県・鹿児島県 2022年5月24日

 

文月恵理様

 

ブログ配信ありがとうございます。

 

コロナ下で、社会はすっかり消極的になってしまいました。

ますます長くなる生涯において、どうしたら豊かに楽しく生活していくことができるかは、各人共通の課題です。

都会の若者は忙しく、休みが不規則な人もいて、共通の時間がなかなか持てないのではと思います。

昔は、合コン(合同コンパ)、合ハイ(合同ハイキング)、ダンパ(ダンスパーティ)が盛んでした。熱心な幹事が存在していましたが、今はすたれてこれらは死語になっているのではと思います。

未婚率が低い市町村があるのは、注目です。合ハイの場所もたくさんあるのではと思います。「自然に帰れ」という言葉を思い出しました。

 

酒井秀夫

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