未婚率の低下で人口減少に歯止めをかけることが可能 未婚率の最少 宮崎県・鹿児島県

☆巻頭の一言

日本国・日本が、今、解決しなければならない最重要な課題は、日本で永続的に続いて行くと思われている「人口減少」の克服です。私は、これまで、その活路を見出すのは困難だと感じてきましたが、最近、その難しい扉を開けることの活路が、見えてきたと感じています。

近年、日本人・日本社会では、年々、晩婚化が進み、未婚者の増加が進みました。それは、この進化の著しい日本社会で、困難を乗り越えて行くには、自分達も、今までの働き方を変えて頑張らねばならないという、日本人、一人一人の決意が、社会をこの状態にさせてきたのです。でも、最近、この状況を、一変させてきた地域が現れました。

日本人の寿命は、近年も、年々、伸びてきています。食べることに苦労がない幸福な社会になってきましたが、幸福な長い生活を送る内に、いつの間にか、孤独で淋しい老後になってきているのを、感じるようになっていた人も、増えているのです。人生の後半を、もっと積極的に生きたいと思う人も増加しています。

 

ところが、最近、とても活気に満ちた社会に変えている地域が出てきたのです。これは、地域の衰退と消滅の防止のため、未婚者をなんとか減らしたいと、強い決意で努力する自治体職員の熱心な活動が、実ってきた地域が増えてきたからです。ここでは、ありとあらゆる手段を使って、若手にも、人生のベテランにも、男性と女性の新しい出会いを作ろうと奮闘しています。

この結果、寿命の伸長で、ますます長くなる生涯を、豊かに楽しく生活するために、幸福な楽しい明るい家庭を築きたい。そのために、最良の相手に、早く出会いたいと言う空気が、凄く醸成されたのです。この空気を受けて、若者にも、自分の一番楽しい時代に、一番素敵な異性と楽しく話したいという空気が充満してきています。

今、未婚率(注1)の減少に成功し始めた地域が増えてきています。この結果、これらの地域では合計特殊出生率(注2)の増加もみられるようです。私は、これらの先進地域の若者にも、人生のベテランにも、今起きている、熱気に満ち満ちた社会に、大きな期待を寄せています。

 

林業再生・山村振興への一言(再開)

 

2022年5月(№210)

 

□ 椎野潤(新)ブログ(421) 未婚率の低下は人口減少防止に貢献する 未婚率の最少地域 宮崎県・鹿児島県 2022年5月24日

 

☆前書き

今日のブロク執筆で、参照引用した2022年4月23日の日本経済新聞は、以下のように書き出しています。

 

☆引用

「晩婚化が止まらない。1970年に20.9%だった30歳時の未婚率(注1)は2020年、54.5%に上昇した。結婚や出産の選択は本人の自由な意志が尊重されるべきだ。一方で結婚での出産が大多数を占める日本では、未婚や晩産は少子化や人口減に密接に結びつく。未婚率(注1)の低い宮崎県や鹿児島県では「婚活支援」が奏功し始めている。(参考資料1、2022年4月23日、日本経済新聞(天野由輝子、竹内正直、笠原昌人、上野正芳、桜井祐介)から引用)

 

☆解説

自治体が「お見合い」を、若い男女から、中高年の男女までに熱心にすすめて、未婚率の低減に、今、成功しているのは、九州南部、宮崎県、鹿児島県です。2022年4月23日の日本経済新聞は、この2県の熱心な「婚活活動」について、丁寧に報告しています。ここでは、まず、これを取り上げて、ブログを書きます。

 

[宮崎県]

全国で、一番、未婚率が低いのは宮崎県です。未婚率は、49.1%です。宮崎県は、2015年度に、会員制の「みやざき結婚サポートセンター」を設置しました。1対1のお見合いだけでなく、「自治体としては珍しい取り組み」である、グループ婚活を用意しました。イベントの種類の豊富さを武器に、2022年1月末までに、累計116組の夫婦が生れました。

宮崎県は、新型コロナウイルスの感染拡大にも、柔軟に対応しています。オンラインで相手を検索できるサービスに加え、まん延防止等重点措置が明けた2022年3月には、対面イベントを13回も開催しました。コロナ下で消極的になっている日本の社会のなかで、この積極性がとても素晴らしいのです。

 

[鹿児島県]

全国で2番目に未婚率が低いのは、鹿児島県です。未婚率は49.9%でした。同県では、会員制の「かごしま出会いサポートセンター」を、2017年に開始しました。成婚者は2022年3月末までに、56組を数えます。新規会員の獲得にも力を入れています。出張窓口を96回開設したほか、比較的、登録者が少ない女性を取り込もうと、地元企業との連携も強化しています。私は、成婚数56をみると「まだまだ」だなと、思いました。でも、出張窓口を96回も開催したと聞くと、「頑張っているな」と感じます。

 

[市区町村]

市区町村では、和歌山県北山村が、未婚率25.9%で、最も低かったのです。いかだ下りで知られる観光地の利点を生かし、観光を兼ねた婚活イベントを開催しました。延べ100人の参加者のうち、多くを村外から呼び込みました。

移住で生活を切り換えようと考えている人達のための節目の「婚活」も、今後、増えてくるかもしれません。新時代を迎えて、新たな人生設計のための「婚活」が注目されます。(2022年4月23日の日本経済新聞(天野由輝子、竹内正直、笠原昌人、上野正芳、桜井佑介)を参照引用して記述)

 

☆まとめ

未婚率(注1)が低い都道府県・市町村ほど、一人の女性が一生の中で産む子供の数を示す「合計特殊出生率(注2)」が高いのです。このことから考えれば、都道府県の未婚率を減らして行けば、子供の出生数は増えるのです。

未婚率が全国都道府県で一番低い宮崎県・鹿児島県の合計特殊出生率は、単純平均で、1.63でした。これに対して、未婚率(注1)50%以上55%未満の32道府県の出生率(注2)は、1.45でした。未婚率が最も高い東京都の出生率は、1.12にした。 東京都は、合計特殊出生率が、大分、少ないのです。ですから、東京都などの未婚率(注1)が、宮崎・鹿児島の未婚率に近づいてくれば、日本は、かなり、子供の増加が期待できるはずなのです。

 

2022年4月23日の日本経済新聞に、「未婚率低い都道府県(2020年)」と題する図表がでていました(図表1)。この日経新聞の紙面には、日本列島の図が描かれ、都道府県ごとの「未婚率」が、茶色の濃淡で示されていました。

一見しますと、中部地方から九州にかけての列島西側が、東側に比べて茶色が濃く、未婚率が低いように見えます。

 

この図では、未婚率(注1)を以下の5段階に分けていました。

(1)〜50%未満

(2)50〜52%未満

(3)52〜54%未満

(4)54〜56%未満

(5)56%〜

この図で、最も未婚率が低い(〜50%未満)地域は、宮崎県と鹿児島県の2県でした。次いで二番目に未婚率が低い(50〜52%未満)地域は、北海道と、山形、福島、愛知、岐阜、福井、三重、和歌山、岡山、広島、山口、島根、香川、愛媛、佐賀、長崎、大分、熊本の17県でした。

一方、最も未婚率が高い(56%〜)地域は、東京都、京都府、秋田県、奈良県です。

 

また、この新聞には、「未婚率が低い市区町村(2020年)、注3」と題する表も掲載されていました。その記事にある、その未婚率の低い町村のベスト10を、以下に示します。

未婚率が低い市区町村   男女計(%)   男性(%)   女性(%)

(1)和歌山県北山村      25.9    37.4    22.2

(2)長崎県佐々町       37.8    41.3    34.8

(3)和歌山県日高町      37.8    44.2    31.5

(4)北海道中富良野町     38.5    46.7    31.0

(5)鹿児島県長島町      39.1    44.9    33.0

(6)滋賀県栗東市       39.5    45.5    33.5

(7)福岡県粕屋町       40.0    44.9    35.4

(8)三重県朝日町       40.2    46.6    33.9

(9)宮崎県三股町       40.3    44.7    36.7

(10)京都府大山崎町     40.6    45.7    35.8

 

このベスト10を見ますと、第10位は、京都府大山崎町で、その未婚率は、40.6%でした。市町村別の未婚率は、都道府県別に比べる、かなり数値の低い地域があるのです。

前記の図表(自治体別未婚率)で、2番目に未婚率が低かった(50〜52%未満)、北海道+17県内の各市町村が、このベスト10に入る程度に「未婚率」減少に頑張ってくれれば、とりあえず、「国の人口減少の歯止め」になるはずなのです。これにより、「地域の消滅阻止」の見込みも、立てられることになりそうです。

 

今、日本で、最も重要な解消テーマは、「人口減少」の克服です。「人口減少」に歯止めを掛けて、人口増加社会に反転させて行くことです。この大転換の切っ掛けとして、「未婚率」の減少が重要であることが解りました。そのため、強い熱意のある婚活活動が、各地で開始されています。

婚活の成果件数は、まだ、多いとはいえませんが、その活動の進む地域の熱気が素晴らしいのです。今、日本人の寿命は、年々、伸長しています。これから、ますます長くなる人生を、心豊かに幸せに過ごすために、最良の相手を早く見付けたいという熱い空気は、満ち満ちてきているのです。(2022年4月23日の日本経済新聞(天野由輝子、竹内正直、笠原昌人、上野正芳、桜井佑介)を参照引用して記述)

 

(注1)未婚率:総務省の国勢調査人口等基本集計から配偶関係「未婚」の25〜29歳、30〜34歳の男女を抽出し、各年齢層の人口(配偶関係「不詳」を除く)で割って未婚率を算出。両年齢の平均を、30歳時点とみなした。事実婚は調査上「配偶者あり」と解答するため、未婚に含まない。

(注2)合計特殊出生率:(total fertility rate、TFR):人口統計上の指標で、15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計したもの。一人の女性が、その年齢別出生率で一生の間に産むとしたときの子供の人数に相当する。この指標によって、異なる時代、異なる集団間の出生による人口の自然増減を比較・評価することができる。

(注3)未婚率が低い市区町村:30歳時の未婚率。総務省「国勢調査人口等基本集計」から算出。同じ値の場合は、小数点第2位以下で順位付け。1945年の国勢調査は未実施

 

参考資料

(1)日本経済新聞、2022年4月23日

 

[付記]2022年5月24日。

 

 

 

[追記 東京大学名誉教授 酒井秀夫先生の指導文]

[指導を受けたブログ名:□ 椎野潤(新)ブログ(420) 地域環境 NPOを磨く 観光NPOの強力な体制作り 2022年5月20日

 

文月恵理様

 

ブログ配信ありがとうございます。

 

今回は観光NPOへの期待と分析ですが、観光NPO数が多い県は、当然ながら観光資源に恵まれていると思います。大雑把に言って、偶然かもしれませんが、東京からは遠く、行くには航空機が必要で、それなりに滞在日数も増えるかと思います。

 

一方、第1群は、観光にたよらずとも、地域の個性、魅力があります。東京からは新幹線で行けます。

 

こうしてみると、日本の各地は自然や文化がそれぞれ異なり、個性豊かで多様性に富んでいます。それだけ選択肢も多いと思います。

人口減少は、経済活動からみれば憂慮することが多いかもしれませんが、やりようによっては、日本の底力は豊かで明るいのではと元気をいただきました。

 

酒井秀夫

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