「ワークマン女子」 作業服専業から新天地へ進出 女性・若者向けプライベートブランドで急成長 

林業再生・山村振興への一言(再開)

 

2021年3月(№89)

 

□ 椎野潤(続)ブログ(300) 「ワークマン女子」 作業服専業から新天地へ進出 女性・若者向けプライベートブランドで急成長  2021年3月26日

 

☆前書き

前回のブログでは、「STEM(科学・技術・工学・数学)分野(注1)」で活躍する女性のことを書きましたが、作業服を女性のファッション着に変えていった「ワークマン女子」も、働く女性の意識転換の背中を押してきた重要な存在でした。日本経済新聞の2月9日の朝刊は、ワークマンについて以下のように書いています。

 

☆引用

「作業服大手のワークマンが2021年2月8日発表した2020年4〜12月期の単独決算は、税引き利益が前年同期費23%増の133億円と10期連続で過去最高となった。アウトドアやスポーツ向けの衣料を中心に扱う新業態店「ワークマンプラス」の出店拡大で、利益率の高いプライベートブランド商品(注1)の売上が増えた。

売上高にあたる営業総収入は、16%増の831億円だった。新型コロナウイルスの拡大で、屋外型レジャーが人気となり、機能性に優れた衣料品の販売が伸びた。全ての月で既存店売上高が前年同月を上回った。(参考資料1、2021年2月9日、日本経済新聞から引用)

 

☆解説

私は、2019年11月末に、「ワークマン女子」についてのブログ(参考資料2、注2)を書いています。ワークマンは、現場で働く職人が着ていた作業服に、顧客が喜ぶ魅力を少しずつ付け加え、長年月をかけて、女性が着こなして巷(ちまた)を歩く、ファッション着に育て上げ、女性の意識も変えて行きました。それで増えていった「ワークマン女子」に、私は強い関心を持っていたのです。それで前回のブログで、「STEM(科学・技術・工学・数学)分野(注3)」で活躍する女性のことを書きながら、続いて「ワークマン女子」を書きたいとの思いに至ったのてす。以下に、そのブログ(参考資料2、注2)を引用します。

 

[昔ブログの引用]

[椎野潤ブログ:大化け株「ワークマン」 作業服専業から新天地へ転出 女性・若者向け プライベートブランド分野で急成長、 2019年11月29日。]

 

「2019年10月26日の日本経済新聞に出ている「ワークマン」の営業総収入と営業利益の棒グラフを見ますと、2009年から2018年まで、実に着実に少しずつ右肩上がりに上がっています。少しの凹凸もありません。この会社は、驚嘆するほど着実な会社なのです。

この間に、巷(ちまた)を歩く女性の中に、ワークマンブランドを着こなす女性も、少しずつ増えていきました。それには同社が、若者が好むものに作業服を、細かく改良を加えてきた、長期にわたる熱い試行錯誤の努力が大きかったのです。でも一方で女性の方も、その間に、男に負けずに働きたい。差別されたくないと言う意識が、育って行ったのでしょう。

店舗に立ち寄る女子が増えてきたこともあって「ワークマン」は、2018年度末から、都市部を中心に、一般消費者向けのカジュアル衣料品「ワークマンプラス」を出店し加速しました。その相乗効果もあり、巷(ちまた)には、「ワークマン女子」が急増したのです。新聞の棒グラフも、2009年から2018年までの着実な右肩上がりが、2019年に至って急転して、見事に急上昇しています。

 

☆まとめ

ワークマンの粘り強い着実な経営姿勢が、新世代の女性のファッション像を生み出しました。一方これは、「働き方改革」による、男女差別の撤廃の社会の流れと、深い関わりがありました。

また、「ワークマン」の作業服は、「職人たち」にとっては「職人の誇り」の象徴でした。

これは自分の人生の目的として職人を目指す若者たちにとっても、「職人の誇り」であり続けたのです。でも、一般の若者にとっては、自分たちが入っていきにくい、心の壁になっていたのも事実です。ワークマンが、若い人に着てもらおうと、衣服の改良を重ねたことで、その障壁は静かに消えて行きました。「ワークマン女子」の急速な増加は、その輝かしい成功の象徴なのです。

「ワークマン女子」は、かってジーンズが、世界の若者を魅了して、一気に世界中に拡散した時と、何か似ています。ワークマン女子が、世界に一気に広がることもあるかもしれないと、私は感じています(参考資料2、日本経済新聞2019.10.26から引用)。

 

「STEM(注3)女子」がコロナ禍の現在、発展の凄いチャンスであったのと同様に、「ワークマン女子」の「林業・山村分野」も、今、拡大のチャンスを迎えています。

 

(注1) プライベートブランド(private brand)商品 : 小売店・卸売業者が企画し、独自のブランド(商標)で販売する商品。

(注2) 参考資料2、日本経済新聞、2019年10月26日から引用。

(注3) STEM:科学・技術・工学・改革数学の4つの英単語の頭文字を組み合わせた造語。科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の4つの領域を対象とした理数教育に創造性教育を加えた教育理念。知る(探究)と、つくる(創造)のサイクルを生み出す、分野横断的な学び。

 

参考資料

(1)日本経済新聞、2021年2月9日。

(2)椎野潤ブログ:大化け株「ワークマン」 作業服専業から新天地へ転出 女性・若者向け プライベートブランド分野で急成長、 2019年11月29日。

 

[付記]2021年3月26日。

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