捨てられる花を救え(その2) ダイレクト・ツウ・コンシューマー、一人一人が欲しい花卉を供給する産地直販

□[山村振興] 捨てられる花を救え(その2) ダイレクト・ツウ・コンシューマー、一人一人が欲しい花卉を供給する産地直販

 

林業再生・山村振興への一言(再開)

 

2020年10月(№40)

 

□ 椎野潤(続)ブログ(251) ダイレクト・ツウ・コンシューマー

一人一人の本当に欲しい花卉を供給する産地直販 2020年10月2日

 

☆前書き

前回のブログで書いたプロジェクトに参加していた、アドアーフローカ(注1)の山本ゆかりさんは、ダイレクト・ツウ・コンシューマー(D2C、注2)で最も重要となる機能を、すでに構築していました。今日は、これをプログに書きます。2020年6月23日の日本経済新聞(参考資料1)を参照して記述します。

 

☆本文

静岡県牧之原市(注3)でガーベラを育てているアドアーフローカ(注1)の山本ゆかりさんも、コロナで波にのりました。

山本ゆかりさんは、日本列島に大きな被害を及ぼした台風19号で、大きな影響を受けました。今年の春先こそはと意気込んでいましたが、コロナ危機の襲来で、経済的にも精神的にも大きなダメージを受けたのです。そんなおり、井上さんから、産地直送プロジェクトの声がかかりました。これは心の支えになりました。

 

アドアーフローカでは、ガーベラの新作ができるたびに、SNSのインスタグラム(注4)に写真を投稿しています。私も、フェースブックで公開しているホームページ(注1)を開いてみました。

本当に美しいガーべラが、品種名をつけて並んでいました。息をのむ思いでした。そこには「花大好き」の熱烈なファンが、大勢集まっていました。そこは感動するファンの言葉で満ち溢れていました。「蕾(つぼみ)が開いていく楽しみ」「パスティーニ ペサロ、ひらひらと舞う花弁が軽やか。〜すごーい開放感〜」。ファンのことばに心を揺さぶられます。ここには大ファンでなければ通じない言葉が飛び交っています。

「これ大好き、絶対欲しい」という大合唱が聞こえました。アドアーフローカは、この熱烈なファンに囲まれているのです。コロナがきても、ここには需要の減少はありません。一層盛り上がっています。このようなファンの集団の結束は、危機がくるほど強まるのです。

またアドアーフローカでは、産直サービスの花に、交流サイト上で、花の写真の投稿を促すためのハッシュタグ(注5)をつけています。これがファンの投稿を加速していました。山本ゆかりさんは「お客さんの感想を、直接聞けるのが、すごく新鮮です」と言っていました。

 

☆まとめ

次世代産業を担うものの一つとして注目されているダイレクト・ツウ・コンシューマ(D2C、注2)には、二つの重点があります。一つ目は、製造から販売までが、垂直統合したビジネスモデルであることです。その名が示すように、生産者とコンシューマがダイレクトに繋がっているのです。途中に卸売り業者も、市場も、競り市も、小売店もありません。ですから、流通費は、劇的に安いのです。

二つ目は、顧客と生産者本人との情報が密着しており、顧客一人一人の本当の希望や夢が、生産者に個々に伝えられることです。

この事業モデルでは、事業を拡大するエネルギーは、顧客の熱い夢なのです。欲しがる買いたがる人たちのエネルギーの総和が力です。この事業の鍵は、需要を予測して事業戦略を立てるのではなく、顧客によって需要を、いかに拡大させるかにあるのです。ですから、人口減少のもとでGDPを拡大し続けたい社会では、これは最重要なモデルなのです。

これが実現できたのは、近年の人工知能(AI)、全てがつながるIoTの急速な進化と、これを用いて市場(しじょう)のファンを熱狂させるSNSのインスタグラム(注2)とスマホアプリ、これらを開発して立ち上げる、多数の熱狂的なスタートアップ達が登場したからです。

山本ゆかりさんは、花卉の販売の集客で、AI・IoTを強力に使った、この次世代体制を、すでに確立していました。この販売ビジネスモデルが主流になるには、まだ、5年ぐらいかかると、私は思っていました。でも、コロナ危機の数カ月間で、一気に、その時間は短縮しました。

この山本ゆかりさんのビジネスモデルは、コロナ後の次世代に向けた販売の、牽引者になって行くと思います。これは花の販売だけでなく、全ての販売に広がっていくはずです。でも、花卉の販売は、その先頭を切っていくのに、もってこいの商品です。

今、産業を次世代に牽引している先端技術は、写真映像のAI・IoT技術です。この技術の超高速の進化が、花卉の美しさの表現力を限りなく深かめて行きます。

これを山村振興に導入するのは、直近の重要課題です。山村にある花卉の生産地に、迅速に導入するべきだと思います。今、スタートアップが急速に育っていますから、その人たちを、各地の山村に呼び込む努力を、すぐ始めて欲しいのです。(参考資料1、2020.6.23、日経、荒沢涼輔を参照して記述)

 

(注1)アドアーフローカ:静岡県牧之原市にある花卉生産者。アドアーフローカHome|Facebook:フェースブックのホームページ。https://www.facebook.com/adoreflowca/

(注2)ダイレクト・ツウ・コンシューマ(D2C Direct to Consumer):製造から販売までを垂直統合したビジネスモデルのうち、実店舗を介さず、インターネット上の自社ECサイトでのみで販売するモデル。インスタグラムなどのSNSを通じた消費者(コンシューマー)と生産者の情報交換が主力になる。

(注3)静岡県牧之原市:静岡県中部に位置する。駿河湾の沿岸線から、茶の産地として有名な牧之原台地まで及ぶ。人口は、43,440人。集落は海岸沿いにあり、牧之原台地の人口は、全体の1割。2005年、檮原郡檮原町と相良町が合併して誕生。相良町は市場として発展、檮原町は城下町。かっては、ともに商業で栄えた。

(注4)インスタグラム:写真に特化したSNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。画像や短時間動画を共有する、無料のスマートフォン・アプリとそれを用いたサービスのこと。

(注5)ハッシュタグ:ハッシュタグ(井)は、「番号」を示す数字の前に置かれる記号である。

(注6)参考資料2、https://www.aoyamaflowermarket.com/item/COLUMN_REPORT_022.html

 

参考資料

(1)日本経済新聞、2020年6月23日。

(2)著者名不明:これまでにないガーベラの魅力を発信、アドアーフローカ/静岡県、青山フラワーマーケット、2018年2月1日。

 

[付記]2020年10月2日、椎野潤記

 

[コメント−1]

山本ゆかりさんの「アドアーフローカ」の魅力を的確に記した資料がありました。ご紹介しておきます。

 

[これまでにないガーべラの魅力を発信 アドアーフローカ/静岡県]

 

花開く「蕾ガーベラ」 5棟1200坪のハウスで40品種のガーベラを育てるアドアーフローカさん。ここには、アドアーフローカでしか買えないガーベラがあります。それが「蕾ガーベラ」です。バラも、咲いていく変化が良さのひとつです。ガーベラでも変化を見せられたらと、ずっと思っていました。きゅっと身を縮めた蕾の可愛らしさはもとより、花開いていく「変化」がいちばんの魅力です。山本さんの蕾ガーベラは、「ガーベラは変化がない」という当たり前を覆しました。

「変化する蕾は、どこでも出せるものだとは、思っていません。固すぎては咲かないし、開きすぎては変化が少ない。開花の具合をしっかりと見極める技術が必要です。」

ハウスの中の楽しみを、自宅でも ガーベラの中には、咲き進む中で花色が変わる品種もあります。たとえば、緑が白に、アンティークピンクがパステルピンクに。今まではハウスの中でしか見られなかったそんな変化を、蕾は客の自宅で見せてくれます。

健康なガーベラをつくるために 蕾で切っても咲くということは、それだけ株がしっかりしている証拠です。品質がコントロールしやすい養液栽培法を取り入れ、培地には、根づまり・根腐れしにくいハイドロボールを用いています。アドアーフローカさんが目指す「高品質」とは「健康的であること」です。

「ADORE FLOWCA」とは「敬愛するガーベラ」という意味です。ここには、ありのままのガーベラへの深い愛と敬意が注がれていました。(参考資料2、注6を参照して記述)

 

[コメント−2]

私の家に新聞を届けてくれる日本経済新聞から、産地直送の花を買いました。竜胆(りんどう)、雪柳(ゆきやなぎ)、カーネーション、薔薇(ばら)、鶏頭(けいとう)が、入っていました。これは静岡県からきました。竜胆は、家に来たときは、紫色の固い蕾(つぼみ)でしたが、どんどん蕾がふくらんできて、白い花弁の縁が紫色の花が、咲き始めています。このブログで書いたのと全く同じです。部屋の中が、にわかに明るくなり楽しくなりました。

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