規制緩和 改革の波 地方にも 菅政権に期待と緊張

秋田県の出身で、強い突破力を持つ菅義偉首相を、地方は大きな期待と強い緊張感を持って迎えました。新政策で、地方を一気に変化させると、私は感じています。今日は、この課題をとりあげます。

 

林業再生・山村振興への一言(再開)

 

2020年10月(№45)

 

□ 椎野潤(続)ブログ(256)  規制緩和 改革の波 地方にも

菅政権に期待と緊張 2020年10月27日

 

☆前書き

2020年9月21日の日本経済新聞(参考資料1)に、改革の波、地方にも、菅政権に期待と緊張という大きい見出しの記事が出ていました。今日は、これを取り上げてブログを書きます。記事は、以下のように書き出しています。

 

☆引用

「地方出身を全面に、突破力を持ち味にする菅義偉首相を、地方は期待と緊張を持って迎えた。新政権が重視する規制改革とデジタル化は、地域の活性化に役立つ。一方で打破すべきだとされた役所の縦割りや既得権、前例主義は地方にもある。新型コロナウイルス対策が落ち着けば、改革の波が地方にも押し寄せよう。」(参考資料1、日本経済新聞、2020年9月21日、斉藤徹弥から引用)

 

☆解説

菅首相が生まれ育った秋田県湯沢市の秋ノ宮地区は、宮城、山形両県に接する山あいにあります。冷涼な気候で夏イチゴが特産です。首相の父がつくったイチゴの生産組合は、5年前に75戸ありましたが、55戸に減少しました。後継者に悩むのは、多くの地域と変わらないのです。

秋ノ宮温泉郷は、秋田、宮城、山形の3県の県境にあります。県境地域というのは、どの県でも、おろそかにされがちですが、ここは逆に、活性に満ちみちています。道路を走っているのは、宮城県ナンバーの車が多いのです。これは山形県新庄市との間で行われている、東北自動車道の建設が、今、盛期を迎えているからです。

県境の縦割りの壁を崩す、自動車の県境を越えた活発な流れは、首相がめざす、地域活性化の具体的な姿です。

菅内閣の発足にあたり、各地からは、様々な声が上がっています。記事に記載されている、各地の声を引用すると、以下のごとくです。

(1)栃木県経済同友会の中津正修筆頭代表理事は「新政権には、大きな変革よりも、アベノミクスの継続と新型コロナの早期終息の実現が求められる」と指摘しています。最優先は雇用維持とし「躊躇なく、追加の経済対策を打ち出すべきだ」と語りました。

(2)静岡市の田辺信宏市長は「菅氏は総務相時代に、ふるさと納税を発案した。地方への問題意識が高く、首長として期待している。地方創生を加速してほしい」と、エールを贈りました。

(3)宮崎県の河野俊嗣知事は「東京一極集中の打破に向け、さまざまの制度を見直すことで後押ししてもらいたい」と話しました。

(4)土佐経済同友会の小川雅弘代表幹事は「新型コロナの失業者が農業などの1次産業に向かっている。地方にもっと人が流れる仕組みを作ってほしい。農地取得などで規制緩和を進めてほしい」とのべました。

(5)菅首相が、地方銀行について、「将来的には数が多すぎるのではないか」と発言したことについて、愛媛県商工会議所連合会の大塚岩男会頭(伊予銀行会長)は、「地方創生の大きな原動力になってほしい期待の表れだ」と語りました。

(参考資料1、日本経済新聞、2020年9月21日、斉藤徹弥を参照して記述)

 

☆まとめ

菅首相は「日本の全ての地方を元気にしたい」と、常に話されています。具体的な施策としても、マクロの視点から手厚く財源を投入し、地方全体の底上げをめざす地方創生を進めて来ました。これは、これからも変わることはないと思います。

でも、ここで直面する大きな課題は、首相が打破すると強い決意を示された縦割りや既得権益、前例主義の打破です。

今回、コロナ危機の緊急対策で、役所の中の課題として、浮き彫りになりましたが、実は、これは日本国内で、一番進んでいる、民間の大企業の企業内にも、強く残っているのです。私は、長い間、「企業内官僚主義(参考資料2、注1)」と呼んで「改革すべき大問題」であると述べ続けてきました。

 

今、日立製作所(参考資料3)などでは、随分進展しており、このような先進企業の改革は、コロナ危機の到来で、一気に前進しました。コロナの悪魔は、人々が長い間苦労して作り上げてきた大切なものの多くを破壊しましたが、改革の障害になっていた壁も、一気に吹き飛ばしました。

2020年2月から6月ごろにかけて、全ての活動が停止を余儀なくされました。この結果、改革に消極的だった人達がしがみついていた組織なども、一斉に沈没しました。今、改革に有益なものも、復旧するのは、とても大変です。でも、改革が進むと不要になるものの復旧は、なお一層難しいのです。復旧しても先での収益の見込みがないからです。

コロナ危機の到来で、5〜10年先には「そのような時代になる」と思われていた次世代が、2〜3年先には「そのようになる」と思われるようになりました。未来の到来が、急に前倒しになったのです。ここで改革を急ぎ早める企業も出始めました。コロナが改革の背中をおしたのです。2020年10月13日のブロク(参考資料3)に書いた、日立の16万人のDX研修(注2)のような挑戦を、「うちの会社」も、やらなければと思った方も、多かったでしょう。

 

これは大都市、大企業ばかりのことではないのです。小企業でも地域でも同じことなのです。菅政権は、地域の役所について、特に緊急性を要する、コロナ関連のAI、IoT化などを中心に、迅速に実施するでしょう。これは「大事だとわかっていながら、なかなか進まなかった」、地域の次世代化にとって、最高のチャンス到来となったのです。

これから地域では、役所自身の仕事の改革が先行して、民間小企業と個人の次世代化を牽引します。前回のブログ(参考資料4)に書いた「社長100人」のアンケートの結果でも「中小企業の再編成促進」を実施すべきだという回答が97・8%に達していました。これは、政府や自治体、役所が頑張らねばならない課題であると同時に、企業経営の当事者の重い決断がなければ、進まないテーマなのです。

コロナの追い風を受けて、次世代への変化の風が急に吹き荒れます。変化に抵抗して、元に戻るのも大きなエネルギーが必要です。地域の中小企業の経営者の方は、同じエネルギーを使うのなら、次世代へ向かう道を選んだ方が良いのです。習うべき「日本の代表的な100人の社長」の判断を深く信じて、今こそ力強く進むべきです。

(まとめは、参考資料1を参照して椎野潤が記述)

 

(注1)参考資料2、pp.134〜135。

(注2)デジタルトランスフォーメーション(digital transformation: DX):トランスフォーメーション (transformation): 物の形態、外観、性質などをかえること。変革。変形。変質。デジタルトランスフォーメーション: デジタル技術で事業を変革すること。DX研修:DXに関する専門研修。

(注3)参考資料3、国土緑化推進機構、フォレストサポーターズ、活動報告、mori-zukuri.jp/signp=701。

(注4)参考資料4、国土緑化推進機構、フォレストサポーターズ、活動報告、mori-zukuri.jp/signp =704。

 

参考資料

(1)日本経済新聞、2020年9月21日。

(2)椎野潤著:建設ロジスティクスの新展開〜IT時代の建設産業変革への鍵〜、彰国社、2002年2月20日。

(3)椎野潤(続)ブログ(254)コロナ下でデジタル革命が急発信、日立製作所16万人にDX研修、2020年10月13日。

(4)椎野潤(続)ブログ(255)規制緩和「拡大」すべしの回答9割、日本経済新聞「社長100人アンケート」2020年10月16日。

 

[付記]2020年10月27日、椎野潤記

返信を残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です