ぎふフォスター協れまでの会の設立 こ総括と次への展開 

林業再生・山村振興への一言(再開)

2020年11月(№54)

 

□椎野潤(続)ブログ(265)なぜ、一般社団法人 ぎふフォレスター協会を設立したのか(その7) これまでの総括と次への展開 2020年11月24日

 

☆前書き

私は、岐阜県郡上八幡の小森胤樹(注1)さんの、新しい視点の改革に深く感動し、2020年8月25日から9月22日までの間に、6編のブログを書きました。それから、2カ月の間があいてしまいましたので、このブログシリーズの再開にあたって、その1〜6を総括した上で、次の展開を考えます。

 

☆本文

2020年8月25日に執筆した「なぜ、一般社団法人 ぎふ フォスター協会を設立したのか(その1、参考資料1)では、小森さんにフォレスター協会設立の必要性の確信について書いてもらいました。次の8月28日の(その2、参考資料2)では、設立したときの経緯を丁寧に記述してもらっています。さらに、9月1日の(その3、参考資料3)では、その目的を明確に示してもらいました。ここで「ぎふフォレ協」の目的は大きく二つありました。 市町村林務行政支援体制の構築と組織化 岐阜県地域森林監理士及び森林総合監理士としてのスキルアップの2つでした。小森胤樹さんは、全国に先駆けて、民間フォレスターを組織化し、フォレスターとは、どんな役割を担う組織かを、実例をもって示してくれていました。私は、これで全国の困っている市町村が支援され、大いに勢いが付くだろうと思いました。「ぎふフォレ協」は、私が応援している「林業再生・山村振興」にとっても、強力な応援団になるはずだと確信しました。

 

私は、(その4、参考資料4)のブログを書いていて、林業再生も大分、進んできたと感じました。ここで、この後は具体的な事例を紹介していきたいと思いました。

私は、ブログ「その3(参考資料3)」に出ていた「地域林政アドバイサー制度」に、強い関心を持ちました。そこで、インターネットで検索してみましたが、私は驚きました。林野庁は、実に手厚い支援をしているのです。

「地域林政アドバイサー制度(参考資料7)」では、以下の諸点の支援をしています。

(1)市町村森林整備計画及び構想の作成関係業務。

(2)市町村有林の経営計画の作成、実行管理、事業発注への助言。

(3)森林経営計画の認定の指導・助言(現地確認、事業体指導)。

(4)森林経営管理制度に係わる事務の指導・助言。

(5)伐採・造林の指導・助言(現地確認、事業体指導)。

(6)民有林における地籍調査、境界明確化活動の指導・助言。

(7)森林GIS、林地台帳システムの整備、メンテナンス。

(8)新たな土地所有届出や所有者からの修正申し出を踏まえたデータの更新への助言。

(参考資料7から引用)

実に至れり尽くせりです。

 

でも、小森君は、なかなか、思うようには、進んでいないようでした。何故でしょうか。全国の都道府県市町村のうち、林業改革が進んでいない処では、何処から進めたらよいか、どこから支援を受けたら良いかわからないのです。そして私は、かって「相談する窓口の部署」すらないと県に出会ったことも思いだしました。それから、随分、時間がたっています。でも、全国の中小町村の中には、まだ、未整備のところが、とても多かったのです。小森さんが探していたのは、そのような地域の人たちでした。

 

2004年の頃、私は、九州で先進的な実証実験をしていました。私は、この時の実験のことを書いた書物があったはずだと、思い出しました。そして探して見付けたのです。書名は「生きている地球と共生する建築生産(参考資料8)」です。

この実験は、鹿児島市に建設する木造住宅の杉の構造材を、家を建てる顧客のパソコンから直接、山林の林家へ、インターネットで木材を発注して、加工済み製材を直接、建設現場へ届けてもらう試みです。これは、今、注目されている、ダイレクト・ツウ・コンシューマー(D2C、注2)です。

実施していたのは、鹿児島県鹿児島市の工務店ベンシステムと鹿児島県の大隅半島の南端の南大隅町のベネフィット森林資源協同組合でした。このプロジェクトのリーダーは、鹿児島建築市場を推進していたベンシステムの高橋寿美夫さんとベネフィット森林資源協同組合の森田俊彦さんでした。ところが、最近、森田さんと、偶然、東京で会ったのです。森田さんは、鹿児島県南大隅町の町長になっておられました。全国探しても、これほど林業に精通している町長は、そう多くはいないでしょう。この森田さんは、今、林業再生・山村振興の推進に、九州の人達と相談し会って、熱心に活動を始めています。私のブログにも、2020年12月に登場していただく計画です。

 

結局、ブログ(その5〜6、参考資料5〜6)は、このときの「九州ロジスティクス改革プロジェクト」について、丁寧に書きました。このブロジェクトは、今、大変に評判になっています。今すぐ、やるべきだという、声が凄く高まっています。

 

☆まとめ

結局、ブログのその1〜6を、整理した結果、「民間フォレスターによる市町村支援事業」を、迅速に実施すべきだと言う結論になりました。次回のブログ(その8)から、これを書きます。

 

(注1)小森胤樹:一般社団法人 ぎふフォレスター協会代表理事、森林総合監理士、岐阜県地域森林監理士、林業技士(林業経営)、郡上エネルギー株式会社 代表取締役、株式会社郡上割り箸 代表取締役。

(注2)ダイレクト・ツウ・コンシューマ(D2C Direct to Consumer):製造から販売までを垂直統合したビジネスモデルのうち、実店舗を介さず、インターネット上の自社ECサイトでのみで販売するモデル。インスタグラムなどのSNSを通じた消費者(コンシューマー)と生産者の情報交換が主力になる。

 

参考資料

(1)椎野潤(続)ブログ(240)なぜ、一般社団法人 ぎふフォレスター協会を設立したのか(その1)、設立の必要性の確信、2020年8月25日。

(2)椎野潤(続)ブログ(241)なぜ、一般社団法人 ぎふフォレスター協会を設立したのか(その2)、協会設立、2020年8月28日。

(3)椎野潤(続)ブログ(242)なぜ、一般社団法人 ぎふフォレスター協会を設立したのか(その3)、目的とゴール、2020年9月1日。

(4)椎野潤(続)ブログ(246)なぜ、一般社団法人 ぎふフォレスター協会を設立したのか(その4)、その1〜3を読んで、2020年9月15日。

(5)椎野潤(続)ブログ(247)なぜ、一般社団法人 ぎふフォレスター協会を設立したのか(その5)、九州木材ロジステティクス改革プロジェクト(1)、林業と国産材を復活させる活動、2020年9月18日。

(6)椎野潤(続)ブログ(248)なぜ、一般社団法人 ぎふフォレスター協会を設立したのか(その6)、九州木材ロジステティクス改革プロジェクト(2)、実証実験 2020年9月22日。

(7)地域林政アドバイサー制度について:林野庁 森林利用課 森林集積推進室 令和2年4月。

(8)椎野潤著:生きている地球と共生する建築生産、日刊建設工業新聞社、平成17年月7月27日。

 

[付記]2020年11月24日

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