テレワークが普及 都市から地方へ移住を望む若者が増大

12月4日と8日のブログで、被災地の石巻、南相馬で、未来の夢豊な社会の建設をめざして挑戦する、若い女性の頑張りを書きました。ところが、このコロナ危機の中で、大都市の都心に住む若者たちの中に、自然豊かな地方へ移住したいという希望の芽が、芽ばえてきているのです。今日から2回にわたり、これに着目してブログを書きます。

 

林業再生・山村振興への一言(再開)

 

2020年12月(№60)

 

□ 椎野潤(続)ブログ(271) テレワークが普及 都市から地方へ移住を望む若者が増大 2020年12月15日

 

☆前書き

コロナ危機のもとで、都市の中心部に住む若者たちが、郊外や地方へ移住したいと考えるようになりました。この気持ちが芽生えたのは、2020年の夏ごろです。日本経済新聞の2020年7月11日の夕刊は、このことを記事に書いていました。「私の同僚は地方移住」という大きな見出しが出ていました。今日は、これを取り上げてブログを書きます。

 

☆本文

大阪で会社員として働く山本馨子さん(28)は、長野への移住準備を進めていました。ITコンサルタントとして、取り引き先に常駐して、働くことが多かったのですが、コロナ拡大後は、完全テレワーク(注1)に移行していました。

もともと、山本さんは、自然豊な環境での生活に、凄く興味があったのです。2020年8月には、長野県安曇野市にシェアーハウスを借りて移住しました。山本さんの背中を押したのは、「元の仕事を続けながらでも移れそう」という、これまでにはなかった状況の出現です。これで、自然豊かな環境で生活したいという、山本さんの夢がかなったのです。

都市近郊で、短期間に住まいを変えながらテレワーク(注1)する人もいます。オンライン商談ベルフェイス(東京・渋谷)の大堀優弥さん(23)は、原則在宅勤務になって、「これなら川崎に住む必要がない」と、賃貸物件を解約しました。そして自社の提携物件を対象にして、最新ソフト「住み放題サービス」を活用した生活を、始めたのです。

神奈川の鶴巻温泉や、小田原、南伊豆と住まいを変えながら過ごしています。知らない土地を散歩したり、人のいないビーチに行ったりするのは刺激的だと話しています。

東京で、営業代行・ウェブ制作会社を営む北添義幸さん(35)は、出身地の高知で飲食店のテークアウト支援サイト「高知家エール飯」の運営に関わっています。生活拠点も高知に移しました。コロナショックを受けた地元での取り組みを知り、自分から連絡をとったのが、きっかけでした。いつかは地元に貢献したいという希望が満たされたのです。

今、地方での暮らしに魅力を感じた若者たちが、コロナをきっかけに動き始めています。(参考資料1、日本経済新聞、2020年7月11日(河野俊、田中早紀)を参照して記述)

 

☆まとめ

コロナ危機の到来で、テレワーク(注1)による仕事が増えました。それにより、都市での仕事を維持したまま、地方へ移住することが可能になったのです。これで都市居住者が、自然環境豊かな地方へ、移住するのが容易になりました。

山本馨子さんの場合は、仕事がITコンサルタントで、テレワーク化に、もってこいの仕事だったことと、会社の上司の深い理解あったことが、成功要因です。山本さんが、上司と相談すると、業務の割り振りを調整して、当面は継続できることになったのです。

でも、山本さんも会社側も、コロナ危機が去ったあとも、コロナ以前の仕事ぶりに、戻るつもりはないのだと、私は思います。山本さんの会社の経営者は、多分間違いなく、先進的な方で、次世代産業を直視している方だと思います。もともと、ITコンサルタントのような仕事は、少し先の未来には、テレワークが、仕事の常識になるはずだったのです。それがコロナ危機の到来で、何年か前倒しになったのです。この波に乗り遅れたら、業界内で出遅れてしまうと考えておられるでしょう。

このような業界の先進的な人々は、どんどん、先の対策を進めています。この記事が出て、もう4〜5カ月たちますから、現在は、さらに大きく前進しているでしょう。

オンライン商談を仕事にしている大堀優弥さんの仕事も、仕事自体がオンラインですから、居住地はどこでもよいのです。転々と居住地を変える生活を選びました。北添義幸さんのウエブ制作も同様です。ネットを使って、どこに住んでいても、仕事ができます。生まれ故郷に貢献したいという思いと、何よりも飲食店のテイクアウトと今までの仕事を組み合わせた方が、やり甲斐があったのでしう。

このような人達の仕事は、次世代に向けて、どんどん、増えていきます。それが日本社会の進化の方向だからです。ですから、このような人達の地方移住の需要は、今後も拡大し続けます。このような移住の直接のニーズは、多彩だと思いますが、自然豊かな処に住みたいというのは、共通のニーズです。

各地の山村の方々は、移住願望者が「ここは移住にぴったりだ」と思うように、急いで対応すべきです。また、生み出す魅力が決断できたら、自分たちが生み出す山村の素晴らしさを、都心の移住願望者に迅速に伝えねばなりません。SNSなどを使った勧誘手段を、しっかり段取りする必要があります。 (参考資料1を参照して記述)

 

(注1)テレワーク(telework):、勤労形態の一種で、情報通信技術(ICT、 Information and Communication Technology)を活用し、時間や場所の制約を受けずに、柔軟に働く形態をいう。「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語。

 

参考資料

(1)日本経済新聞、2020年7月11日。

 

[付記]2020年12月15日。

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