地域再生 人手不足対策 外国人の雇用確保の壁 中小学校の日本語教育地域で格差 教育環境の改善急務

コロナ禍の終焉後の日本再建を考えますと、外国人との共生社会の樹立が、きわめて重要だと強く感じます。その思考を進めて行きましたら、近年、外国人が、日本で子供を立派に育てたいと強く希望していることを知りました。でも、この外国人の子供の養育について、現在、大きな課題があるのです。

 

林業再生・山村振興への一言(再開)

 

2021年10月 (№152)

 

□椎野潤(続)ブログ(363) 外国人材定着の壁 中小学校の日本語教育地域で格差 教育環境の改善急務 2021年10月29日。

 

☆前書き

外国人の子供に日本語を教える体制は、日本各地の間で、大きな隔たりがあることが解りました。2021年9月15日の日本経済新聞が、これを書いていました。今日は、これを取り上げてブログを書きます。

 

☆引用

「外国籍の子どもらに日本語を教える体制に偏りが生じている。外国人が多く住む自治体の間で、日本語指導の担当教員一人が受け持つ子の数に、最大3倍の差があることが、日本経済新聞が入手した資料で判明した。教員不足で指導が行き届かない地域もある。外国人との共生の担い手となる子どもが、十分な教育を受けられる環境の整備は急務だ。(参考資料1、2021年9月15日、日本経済新聞から引用)」

 

☆解説

文部科学省によりますと、日本語の授業が必要な外国籍の子供は、全国の公立小中学校に2020年5月1日の時点で、3万8千人いました。日本語の指導は所属するクラスとは別の教室で行うため、担当の教員が追加で必要になります。

同省は全都道府県と政令市の67自治体に、担当教員を約2000人配置しています。各都道府県・政令市に、日本語指導が必要な子供が平均566人おり、教員一人が18人を受け持つ計算になります。でも、配置人数にばらつきがあるのです。

日本語の指導が必要な子供の数が、全国平均の656人より多い13都府県と5政令市をみますと、教員一人の受け持ち数が最も少ないのは東京都と栃木県で11人でした。最も多いのは千葉県です。その受け持ち数は32人で3倍の差がありました。受け持ち人数が多ければ細かい指導は難しいのです。

千葉県船橋市は、日本語指導が必要な子供は200人以上いますが、担当教員は5人しかいないのです。また、教員がいない学校へ通う子供は、教育免許を持たない外部の指導者に頼ったり、携帯翻訳機を使って授業を受けています。

地域格差の主因は財源不足です。同省は2020年度、900人の教員を、日本語指導が必要な児童生徒45人につき一人の割合で、各都道府県・政令市に割り振りました。その上で残りの約1100人を、自治体の申請に基づいて配置する仕組みにしています。

公立小中学校の教員給与は、国と都道府県・政令市が分担しています。担当教員を増やせば、県などの財政支出は膨らみます。県の独自予算で追加配備する自治体もあります。でも、千葉県は「財源は限られている」として行っていません。(参考資料1、2021年9月15日、日本経済新聞を参照引用して記述)

 

☆まとめ

独自予算で手厚い指導体制をとる自治体もあります。神奈川県横浜市では、国が予算を付けてくれた「16人に一人」に加えて市費を投じて、「9人に一人」を実現させました。それでも指導体制は十分とは言えないのです。

中国、フィリピン、ベトナムなどから来日し、日本語を学ぶ必要のある児童数が最も多い市立小学校には、日本語担当教員が7人います。各学年の担当が一人ずつと、来日から半年未満の児童の担当が一人の体制です。児童は毎日、所属するクラスの国語の時間帯に、別の教室で日本語の授業を受けます。授業は10人以下で実施しますが、校長は「日本語の進み具合が異なる一人一人を細かく指導するには、5人程度以下が理想」と話しています。

 

これまで日本では、「外国人労働者に頼むのが最もコストが安くなる」と言って外国人に、多くを依存していました。でも、これからはコスト面からみれば、外国人よりも、ロボットの相棒君の方が、どんどん有利になるでしょう。

AIロボット君の技術の進歩は目覚ましく、急速に技能は向上し、コストも低減して行きます。一方で中国・フィリピン・ベトナムなどは、国民の生活水準が向上し、人件費は高騰します。ですから、これから先は、外国人に期待するのは、「高度の知識・技術と人格」になると思います。その希望を達成するには、その人達の子供たちの支援や日本語教育が、きわめて重要です。

 

将来は、世界各国への日本の林業技術援助の一員として、高度の外国人の子供たちが、活躍してくれるのではないかと、私は強く期待しているのです。人口減少が続く中で、高いレベルの人材の輸出が、日本の未来の豊かさを維持していく鍵になると、私は感じているからです。(参考資料1、2021年9月15日、日本経済新聞(金春喜)を参照引用して記述)

 

参考資料

(1)日本経済新聞、2021年9月15日。

 

[付記]2021年10月29日。

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