世界有数のコンサルティング会社 米アクセンチュア マチの活性化を推進 IT企業が集まる福島県会津若松市

林業再生・山村振興への一言(再開)

 

2021年7月 (№119)

 

□ 椎野潤(続)ブログ(330) 世界有数のコンサルティング会社 米アクセンチュア マチの活性化を推進 IT企業が集まる福島県会津若松市 2021年7月6日

 

☆前書き

福島県会津若松市は、コロナの悪魔がくる前に、次世代社会へ向けた改革を、いち早く実施しました。これを推進してくれたのは、世界で先頭をいくコンサルタント、米アクセンチュアと世界のIT企業、日本IBMです。2021年6月8日の日本経済新聞は、この記事を書いています。今日は、これを取り上げてブログを書きます。まず、この記事の「書き出し文」の引用から始めます。

 

☆引用

「福島県会津地方を代表する観光名所である鶴ヶ城の近く、酒蔵や土産物店が並ぶ古びた市街地に、ガラス張りの巨大なビルが異彩を放つ。会津若松市などが整備したスマートシティAiCT(アイクト)で、開所から2年足らずで30社余りが進出を決め、ほぼ満室だ。進出したのは米アクセンチュア、マイクロソフト、ドイツのSPA、NEC、三菱商事など国内外の先端企業やスタートアップが中心だ。データ分析やシステム設計など400人以上が働く。」(参考資料1、2021年6月8日、日本経済新聞から引用)

 

☆解説

福島県会津若松市に、IT企業が集まる契機を作ってくれたのは、世界有数のコンサルタント企業のアクセンチュアです。アクセンチュアの世界を見抜く目が、次世代に変身できる力を持つ伝統文化都市、会津若松市の民の力を見抜きました。

このアクセンチュアの眼力に気づいて、いち早くここに、一身を託す決断をした会津若松市当局のトップにも、異能があります。

人口12万人の会津若松市は、2011年の東日本大震災で大きな打撃をうけました。原発事故で、有力産業の観光と農業が大打撃を受けたのです。

「日本では医療・福祉・交通などの分野は、規制や古くからの慣習が足かせになり、IT化に不可欠な実証実験を実施しにくい。」「会津若松の民は、伝統文化をきちんと守っている民であり、特に難しいだろう。」「でも、こういう民だから、一度、動き出せば、しっかりとした体制を作るはずだ。」こう考えたアクセンチュアの読みは見事に当たったのです。これにいち早く呼応したのが、世界のIT企業、日本IBMでした。

日本IBMは、移動が困難な高齢者らを念頭に、遠隔地診療システムをつくる実証実験を2019年から始めました。医療は健康保険、国や自治体の規制、個人情報の保護などが複雑にからまり、情報化が遅れている分野です。

市が調整役になり、大手病院、地元医師会らが協力しました。第1陣として運動に障害が出るパーキンソン病の30人が遠隔診療を受けました。患者が自宅でタブレットを使い、医師が現状を聞き取り診療しました。これは健康保険の対象で、薬の処方箋もだせます。患者はもちろん、付き添う家族にとっても通院の負担がなくなります。雪深い地域だけに、降雪の季節での恩恵はさらに大きいのです。

会津若松に特別な規制緩和があったわけではないのです。民間IT会社の進出と医療機関の協力があって実現したのです。(参考資料1、2021年6月8日、日本経済新聞を参照引用して記述)

 

☆まとめ

福島県会津若松市の市政は、これで未来に向けた動きに弾みをつけ、市民の具体的な要望を受け止めて、対策を具現化しています。「除雪車の今の位置が、わかるようにして欲しい」という要望は、市民から強くありました。これには、いち早く対応して、ネット上の地図に、リアルタイムで載せています。ネット上に、市民個々人の郵便受けを設け、市政情報を市民が、リアルタイムでみることができるようにしました。

今、菅政権が次世代へ向けて構築に力を入れている、IT庁の動きも国の事務作業のデジタル化も、福島県会津若松市は先行しています。これを列記してみると、以下のごとくです。

 

(1)ITサービスを受けるためのID取得数が市民の1割に

(2)2019年からダブレットを使った遠隔診療が始まる

(3)2020年にブロックチェーン技術を使った地域通貨が流通

(4)2021年春、中小製造業の共通業務効率化システムが稼働

(参考資料1から引用)

 

福島県会津若松市が「実証実験の街」になるうえでの利点は、人口が12万人というコンパクトさでした。大都市では行政の意志決定、利害関係の調整に、時間がかかるのです。

IT化が急速に進んだ、もう一つの理由として指摘されるのが会津大学の存在です。コンピューター科学に特化し「この分野に限れば1学年240人も学生がいる」のは国内最大級です。教授の4割が外国人で、卒業論文は英語で書いています。このように会津若松市はITが根付き、中長期的に発展できる素地が整ったのです。これから日本は全国で、総力をあげて、これに取り組むと思いますが、福島県会津若松市は、今後も先導して行ってくれるでしょう。各地は一斉にこれを学ぶべきです。

また、会津若松市が、米アクセンチュアと、日本IBMを教師として仰ぎ、国の補助支援に頼らず「民」だけの力で進めた姿を、大いに参考にすると良いのです。さらに、全国の都道府県にある国公立大学は、会津大学をモデルにして学習するべきです。

また、人口12万以下の市町村は、期待に胸を膨らませて発奮してください。この大きさが一番、発展しやすいのですから。(参考資料1、2021年6月8日、日本経済新聞(郡山支局長村田和彦)を参照引用して記述)

 

参考資料

(1)日本経済新聞、2021年6月8日。

 

[付記]2021年7月6日。

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