関東の都県で人口増加に転じた市区町村27 人口増に転じた市区町村と主な背景  

「次世代産業社会へ」「地域創生・山村振興&林業再生」

 

2021年8月 (№133)

 

□ 椎野潤(続)ブログ(344) 関東の都県で人口増加に転じた市区町村 27 人口増に転じた市区町村と主な背景 2021年8月24日

 

☆前書き

ここでは市区町村が人口増加に転換できた背景を探ります。2021年7月17日の日本経済新聞が、これを書いていました。今日は、これを取り上げてブログを書きます。記事は、以下のように書き出しています。

 

☆引用

「2015年の国勢調査で人口が減ったものの、2020年の今回調査で増加に転じた27の関東の自治体は、イメージアップに成功したほか、東日本大震災からの反動で数を増やした。土地開発で新たな人を呼び込んでいる地域もあり、今後、さらに注目を集める可能性もある。」(参考資料1、2021年7月17日の日本経済新聞から引用)

 

☆解説

前回の国勢調査で、人口が減少であった地域が、今回の調査では、増加に転じた自治体を見ますと、以下の3つの背景があります。

 

(1)イメージアップに成功したところ。

(2)東日本大震災からの反動で人口が増えたところ。

(3)大型商業施設や宅地整備に投じた先行投資の効果が、近年になって現れたところ。

 

[イメージアップに成功した処]

2021年7月2日のブログ(参考資料2)に書きましたが、茨城県つくば市は、ツイッター(注1)、フェイスブック(注2)、インスタグラム(注3)の3つの交流サイト(注4)を使って地域の活性化を急速に進展させています。つくば市には、SNS(注4)発信の陣頭指揮をとる凄いリーダーがおられるのです。酒井謙介戦略課参事プロモーションプランナー(注6)です。

この方が、専門知識を駆使して、牽引していますから、フォロワー(注5)数が6万5000人もいるのです。つくば市はSNSを通じて、世界の数十億人の人々に、情報伝達ができるのです。コロナ危機が一段落したら、つくば市に、世界から観光客が殺到すると思います。「イメージアップした自治体」ということになると、つくば市が、圧倒的な首位です。

関東一極集中の中、治安に関する印象などが背景になり、前回調査では、東京都23区内で唯一人口が減少していた足立区が、今回3.8%の増加に転じました。自転車盗難窃盗対策などの取り組みを進めた結果、2019年から2年連続で刑法犯認知件数が戦後最少となりました。その結果、10代後半や20代の、進学や就職などによる人口流入が増えました。

 

[東日本大震災の反動で人口が増えた処]

千葉県浦安市は、東日本大震災で市内の86%が液状化し、一時、人口が流出していました。でも、今回の調査では4.5%と持ちなおしました。

JR新浦安駅から数キロ離れた高洲地区や有明地区では、三菱レジデンスなどの大規模な住宅開発も進んでいます。ここでは、今後も人口増が続きそうです。

 

[大型商業施設や宅地整備に投じた先行投資の効果が、近年になって現れた処]

埼玉県本庄市は、2015年の国勢調査では、4.9%減っていました。でも、2020年の調査では、1.0%伸びになりました。上越新幹線の本庄早稲田駅北口に2013年、大型ショッピングセンター「ベイシアゲート本庄早稲田」が開業し、周囲に住宅が開発されました。同駅は、東京駅から50分です。都内への通勤者の人気が、今、高まっています。本庄早稲田駅から新幹線を利用すると最大43万円を受けとることができます。ここも、これから人口が増えそうです。

神奈川県座間市も、2020年は、2.7%と増加に転じました。1995年の日産の工場の閉鎖に伴い、周辺の工業が減少していましたが、跡地に商業施設や物流施設が建設され、最近、人口が増加傾向になっています。2018年にイオンモール座間が開業しました。座間市を通る小田急線の複々線化が完了し、相模鉄道も2019年からJRとの相互直通運転が始まりました。都心へのアクセスは、格段と向上しています。ここも、人口がさらに増えそうです。(参考資料1、2021年7月17日、日本経済新聞を参照引用して記述)

 

☆まとめ

今日のブログで「まとめ」の基点とした「3つの背景」は、とても重要です。

まず、第一のポイントは、「イメージアップの成功」としてまとめたポイントです。現在、各地は、SNS(注4)のインスタグラム(注3)で、世界中から、驚くほど多数のフォロワー(注5)を集めていました。各地の市区町村は、地域の住民の数を超えるフォロワー(注5)を集めているのです。これが、今後、数十倍、数百倍なるのも、決して夢ではないのです。これにより、コロナ危機が一段落した後には、驚くほど多数の観光客の日本訪問が期待されます。

第二のポイント。「大震災からの反動」では、大震災や大洪水が起きて、各地の地価が暴落します。これがチャンスになります。災害が復旧した後、暴落した地価を原点にした、住宅建設を始めます。ここに建設した住宅に、SNS(注4)で集めた多数の海外顧客を民泊として泊めます。

日本の伝統的な美と現代の進歩的な美感覚が融合した「美しい日本の木造住宅」と、ここに住む「優しい和の心をもった日本人家族」がもてなす民泊に、外国人達は、凄く満足します。

第三のポイント「宅地、家などへの先行投資」ですが、各地の家作りに、大手デベロッパーが、強い活性を持って挑みます。その家は、海外から押し寄せてきた外国人を受け入れる民泊です。景勝地に建った家。長閑な田園や山間部、海辺に建った家が民泊として外国人を迎えます。

いよいよ、地元の人達だけでは、手が回らなくなります。都会から二拠点居住の人達が大勢、各地の民泊を支えるために動きます。第一居住を各地に建てられる家にし、都市を第二居住にして、ワーケーション(注7)で、都市の勤め先から多くの日数を各地で過ごす人達が、コロナ後の日本を支えることになるのです。この人達が行う活動は、森林サービス産業(注8)に属する仕事が多くなってくるでしょう。それにより、森林サービス業の実施するべき活動の幅と厚みも、当然、増してきます。

この一連の動きは、コロナの襲来で傷ついた日本の経済と財務を、一気に回復させる基幹エネルギーになると思います。

3つのポイントを、私はこのように考えています。(椎野潤 記述)

 

(注1)ツイッター(Twitter):アメリカ合衆国・カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くTwitter, Inc.のソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS)。

(注2)フェイスブック(Facebook):アメリカ合衆国・カリフォルニア州メンローパークに本社を置くFacebook, Inc.のソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS)。

(注3)インスタグラム:写真に特化したSNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。画像や短時間動画を、共有する無料のスマートフォン・アプリとそれを用いたサービスのこと。

(注4)交流サイト=SNS(Social Networking Service):人と人との社会的な繋がりを維持・推進する様々な機能を提供する、会員制のオンラインサービス。

(注5)フォロワー: Twitterをはじめとするソーシャルサービスにおいて、特定のユーザーの更新状況を手軽に把握できる機能設定を利用し、その人の活動を追っている人のことである。自身のことをフォローしているユーザーのこと。

(注6)プロモーションプランナー:販促企画者。

(注7)ワーケーション:work(ワーク)とvacation(バケーション)の合成語。休暇中、特に旅行先でテレワークを行うこと。テレワーク:勤労形態の一種で、情報通信技術(ICT、Information and Communication Technology)を活用し時間や場所の制約を受けずに、柔軟に働く形態をいう。tel (離れたところで)とwork(働く)の合成語。

(注8)森林サービス産業:多様な生活者を意識し、森林空間が生み出す恵みを活用したサービス。医療・福祉、教育・学習支援、観光・旅行、娯楽、林業等に関わるサービスを複合的にビジネス化。相乗効果を発揮することを目指す。

 

 

参考資料

(1)日本経済新聞、2021年7月17日。

(2)椎野潤(続)ブログ(329) 東京青ヶ島 フォロワー住民の21倍 島嶼部や山間部の自治体で上位 2021年7月2日。

 

[付記]2021年8月24日。

 

[コメント]

本文の解説で紹介した、茨城県・茨城県つくば市や、東京都青ヶ島村、神奈川県逗子市、横浜市、横須賀市などは、ツイッター(注1)、フェイスブック(注2)、インスタグラム(注3)の三つの交流サイト(注4)を使かい、各地域の住民の人数を超えるフォロワー(注5)を集めています。これは、今、ブームになっています。この凄い波にのって、森林サービス産業の魅力を世界に認知させたいのです。そして、地元の「森林サービス産業(注8)」の魅力を世界に発信する市町村を、出現させたいのです。

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