テレワーク地方に磁力 通信速度・働く空間調査 滋賀県彦根首位 山形県酒田・山梨県甲府・島根県松江これに続く 

林業再生・山村振興への一言(再開)

 

2021年10月 (№147)

 

□椎野潤(続)ブログ(358) テレワーク地方に磁力 通信速度・働く空間調査 滋賀県彦根首位 山形県酒田・山梨県甲府・島根県松江がこれに続く 2021年10月12日。

 

☆前書き

日本経済新聞が、適切な調査をして下さったお蔭で、テレワーク(注1)に適した環境整備が進んだ中核都市が、浮き彫りになりました。この諸都市が中心になり、地域再生が起こりそうです。2021年9月4日の日本経済新聞が、これを書いていました。今日は、これを読んでブログを書きます。

 

☆引用

「新型コロナウイルスの流行で自宅や貸しオフィスでのテレワークが広がっている。日本経済新聞が人口10万以上の285市区を対象に、テレワークに適した環境が整っているかどうかを分析・採点したところ、首位は滋賀県彦根市だった。上位には地方の中核都市が並んだ。自治体が自らの潜在力を認識し、テレワーク環境を整備すれば、地域経済にプラス効果をもたらしそうだ。(参考資料1、2021年9月4日、日本経済新聞(朝田賢治、森川直樹)から引用)

 

☆解説

快適なテレワークには、周囲に邪魔されない空間や、どこにいても円滑にデータを送受信できる通信環境が必要です。日本経済新聞は、政府や企業の公開データを基に、住宅面積、人口当たりの貸しオフィス数と公衆無線LANスポット数、域内通信速度を集計しました。この4項目を指数化し、40点満点で自治体の総合力を比較しました。

この結果首位は、滋賀県彦根市でした。そして、これに続く2位は山形県酒田市で、3位は島根県松江市と山梨県甲府市が同率で並びました。

彦根市は、住宅面積と貸しオフィスが満点でした。2021年4月に開業した民間の貸しオフィスには、会社員のほか、就職活動中の学生も集まりました。このシェアーオフィス会社の経営者は、「利用者の4割は近隣自治体からきていた」と言っていました。

2位の酒井市は、港湾都市です。観光業が盛んで公衆無線LANを積極的に整備してきました。2020年度にテレワーク設備の補助金を導入すると、締め切り1カ月前に、1千万円の予算上限に達しました。また、同市は市内企業のデジタル化を促す補助金も、新設しました。

3位の島根県松江市は、2000年時代からの光ケーブル整備が成功し、通信環境や貸しオフィスで優位だったのです。(参考資料1、2021年9月4日、日本経済新聞(朝田賢治、森川直樹)を参照引用して記述)

 

☆まとめ

日本経済新聞が採点した「テレワークに適した環境のトップ10」を示すと以下のごとくです。

順位    都市         総合点(#)

1  滋賀県彦根市       35.25

2  山形県酒田市       34.00

3  山梨県甲府市       32.50

3  島根県松江市       32.50

5  青森県弘前市       32.00

5  静岡県沼図市       32.00

7  宮城県石巻市       31.75

8  富山県富山市       31.50

8  静岡県富士市       31.50

10 栃木県宇都宮市      31.25

10 佐賀県佐賀市       31.25

10 山形県鶴岡市       31.25

10 長野県松本市       31.25

(#)総合点は、40点満点。住宅面積、域内通信速度、人口あたりの公衆無線LANスボット数と貸しオフィス数の4項目を指数化して産出した。

 

これを眺めてみますと、地方の県庁所在地や地域の中核都市が、バランス良く点数を稼いでいます。このトップ10に並んでいる都市は、なんとなく、一定の姿が揃っている感じがします。これは、各地の地域創生を牽引している10万人台都市の姿を示しているように見えます。

日本経済新聞が、ここで調査した285市区の全リストが、手に入れば、日本の地域創生の鍵を握っている市区の姿が見えてくるとも思えます。その全データが,どこかに公表されていないか、探してみようと思いました。

 

結局、各地方の特性を生かせば、テレワーク(注1)環境を磨いていけるということです。まず、第1のポイントは、各地の古い資産の活用です。人口減少で増えている空き家や、すっかり寂しくなった公共施設を、いかに活用するかです。地域にある古い資産を、貸しオフィスなどに、いかに活用できるかが重要な鍵をにぎります。

21位だった福島県会津若松市は、歴史的建造物を体験形オフィスとして企業に貸し出しています。空き店舗を改修する動きは、宮崎県日南市や北海道北見市などで広がっています。

第2のポイントは、観光資源です。島根県松江市は仕事と休暇を組み合わせたワーケーションツアー(注2)を、民間と企画し大都市圏の企業・個人に売り込んでいます。

 

ここで出てきた「テレワーク・ワーケーション(注1・2)」は、地域創生・山村振興にとって、きわめて重要です。私は、8年前の2013年から、テレワーク・ワーケーションをブログに書いてきました(参考資料3、注3)

ところで、今日、書いているブログは、続ブログ(358)です。私が大きな手術を受けて立ち直り、ブログを再開して書き始めた最初のブログ、続ブログ(001)は2020年4月1日、「テレワーク・ワーケーション」を書いたブログでした(参考資料2)。このブログは、再出発の記念すべきブログでした。でも、残念ながら、未公開ブログです。

そこで、ここでは、この続ブログ(001)執筆で引用している、話しの根幹となる元ブログを3編ご紹介しておきましょう。末尾の「コメント」欄に付けておきます。(参照資料3、注3)(参考資料4、注4)(参考資料5、注5)。ご参照いただけますと幸いです。

(参考資料1、2021年9月4日、日本経済新聞(朝田賢治、森川直樹)を参照引用して記述)

 

(注1)テレワーク:勤労形態の一種で、情報通信技術(ICT、Information and Communication Technology)を活用し時間や場所の制約を受けずに、柔軟に働く形態をいう。tel (離れたところで)とwork(働く)の合成語。

(注2)ワーケーション:work(ワーク)とvacation(バケーション)の合成語。休暇中、特に旅行先でテレワークを行うこと。

(注3)参考資料3、日本経済新聞、2013年5月21日から引用。

(注4)参考資料4、日本経済新聞、 2018年8月2日から引用。

(注5)参考資料5、日本経済新聞、 2018年9月22日夕刊から引用。

(注6)参考資料6、日本経済新聞、2021年4月28日から引用。

(注7)ユニリーバ(Unilever N.V./Unilever plc 蘭/英):世界有数の一般消費財メーカー。食品・洗剤・ヘアケア・トイレタリーなどの家庭用品を製造・販売する多国籍企業。現在世界180ヵ国以上に支社網を擁する。本社:オランダ ロッテルダム、イギリス ロンドン、設立:1930年。

 

参考資料

(1)日本経済新聞、2021年9月4日。

(2)続(001)新型コロナの大爆発で世界は危機に直面 今求められているのは「遠く離れていても 相互に信頼を高められる働き方改革」「テレワーク・ワーケーション」2020年4月1日。

(3)椎野潤ブログ:女性の働く環境の整備、2013年5月22日。

(4)椎野潤ブログ: 日立製作所、テレワーク、社外勤務10万人、働き方改革拡大、2018年8月16日。

(5)椎野潤ブログ: ユニリーバ、全都道府県で役所の空き部屋を仕事の拠点に、2018年10月14日。

(6)椎野潤(続)ブログ(319) 旅行・航空 地方に活路 ワーケーションによる地域交流 2021年6月1日。

 

[付記]2021年10月12日。

 

[コメント][テレワーク・ワーケーションに関する古いブログ]

[最初のテレワークのブログ、2013年5月]

2013年、政府は自宅などで子供をみながら働ける「在宅勤務」の拡大と、女性の就業率の向上、さらに、第一子出産前後の女性の継続就業率の向上の数値目標を示しました。その数値目標は、以下の通りです。

(1)自宅などで仕事をするテレワークの導入企業数を、2013年の1割から、2020年までに3倍にする。

(2)週一日以上の在宅の就業者を2012年の12.5%から、2016年までに10ポイント以上増やす。

(3)25〜44歳の女性の就業率を、2011年の67%から73%にあげる。

(4)第一子出産前後の女性の継続就業率を、2009年の38%から、55%に引き上げる。

その頃(2013年)までは中身が曖昧で、議論が総論に終始していました。この議論に数値目標を示したのは大きな前進でしたが、問題は具体策でした。

これが、うまく行くかどうかで、日本と日本人の未来が、明るいものにもなり悲惨な姿にもなると、私は、8年前の2013年からブログで強く警告していました(参考資料3、注3)。

 

[次のテレワークのブログ、2018年8月]

日立製作所の社員は、2018年、子会社なども含め国内で17万人、世界で30万人いました。2018年8月に、テレワークにすると発表したのは10万人で、国内勤務社員の60%です。また、この時すでに自宅で働いていた社員が1万5000人いました。社内調査の結果、9万人がこのような働き方を希望していました。

日立製作所は3年前に、今日の日本の姿を完全に予見し、未来に向けて進めねばならない改革を具体的に強力に進めていました。コロナ危機を迎え日本国内の一般企業との差は、さらに著しく拡大しています。日本国内に立派な見本がいるのです。今、ただちに全力で追撃しなければなりません(参考資料4、注4)。

月刊椎野潤ブログ集 2018年2月号が、出版になっています。タイトルは「シェアビジネスの広がり―所有からの解放が向かう先」です。本書の中では、「車、自転車、オフィス、そして洋服・アクセサリーにまでシェアリングエコノミーが広がる事例が紹介されています。読んでみませんか。アマゾンのアドレスは以下の通りです。https://www.amazon.co.jp/dp/4865582061/

 

[テレワーク・ワーケーションの凄い企業ユニリーバ、2018年10月]

オランダと英国に本社を持つ、ユニリーバ(注7)は、凄い会社です。日本法人のユニリーバ・ジャパンは、地域の市町村の役場の一室を借りて、住み込んで、市町村の経営戦略を作ってくれます。コンサルタント料は要求しないのです。ユニリーバのお蔭で、今、凄く活力を持ち、活性化した市町村は多いのです。今からでも遅くありません。ユニリーバが、まだ、来ていない市町村は、部屋を貸して、すぐ住み込ませた方が良いのです。

このブログは、是非、本文を読んでください(参考資料5、注5)。短くした要約より、本文を読んでいただきたいのです。読み込むアドスレスは以下です。

先導者たち (sendosha.com)

 

[お願いの追記]

今回、私は、昔ブログを読み直して、坂道を登る凄く重い荷車を押し上げるという「日本再生」を、ここまで、頑張って押し上げてくれてきた、日立製作所とユニリーバに、深甚の感謝の気持ちを持ちました。ここでもう一力(ひとちから)を貸してもらえれば、今日のベスト10に並んだ、テレワーク環境整備が急伸中の中堅都市のリーダーたちが、日本各地の地域再生・山村振興を力強く進めてくれるだろうと、大きな期待を持ちました。各地には、今、地元を、なんとか再興しようと、強い気持ちで頑張っているリーダーがおられるはずです。今日のブログが、その方々のお目に止まることを、切に願っています。このブログを、その方たちに手渡すことができる方は手渡してください。どうかお願いします。

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