□ 椎野潤ブログ(大隅研究会第二回) 「NPO法人おおすみ百年の森」活動報告
「NPO法人おおすみ100年の森」活動報告を大竹野会長よりいたします。
当法人は、2022年4月に【人の手によって適切に管理された生物多様性のある大隅の森つくり】を目的に発足致しました。2019年度から始まった森林環境譲与税と森林経営管理制度の有効な活用を通して地元おおすみ林産業を活性化させ、持続的な大隅半島地域を振興するために活動しています。
5月21日の発足式では、衆議院議員森山裕先生はじめ、鹿児島県議員の方々、地元2市4町の首町方々など多くの関係者にご出席いただきました。皆様から期待と励ましの言葉を頂き、地域の皆様の林産業界への関心の高さと我々NPO法人の責任の重さを改めて痛感する、素晴らしい発足式となりました。
毎月1回の定例理事会をベースに、
・地元行政(2市4町)との定期的な情報交換と連携、
・NPO法人としての森林整備の実行、がR4年度の主な活動内容となっています。
地元行政(2市4町)との情報交換と連携について、8月17日に第1回目を行いま
した。
「森林集約の現状と課題について」というテーマで意見交換を行いましたが、担当課長さんはじめ、県地域振興局、森林管理署長さんも参加され多くの意見が交わされました。その中で、やはりどの市町も国土調査が終わっていない山林について問題意識がおありでした。
また、これから森林整備を推進するにあたって、提案型集積計画が現実的だという考えの元、「林道・作業道」が要になってくるという意見がありました。
これらの意見から、今後は地積データを効率よく集め使用する必要があることから、県森林組合連合会など関係団体を増やし、連携を密にしていくことを確認して第1回目をおえました。(写真は地元行政(2市4町)との情報交換の様子)
・NPO法人として市町の森林整備委託業務を受ける。
現場は平成30年に台風被害にあった場所です。自治会の管理する山で生活道に面していますが、現場は岩が多く人力での作業はおろか、重機作業も難しいような場所です。だからこそ一社ですることは難しく森林組合はじめ素材生産業者、製材所との連携をもって作業を行い、環境譲与税を適切に使うことが大事になってくると思います。(写真は風倒木現地案内の様子)
今後の予定として、10月にSGECグループ認証取得へ向けた視察研修を計画しています。
また、11月には第2回目の行政との情報交換会と、お祭り会場での啓発活動を行う予定です。
当団体ができたことで地元事業体にも変化が現れ、川上では森林組合と各事業体との連携を模索する動きも出てきました。これは、担い手不足を解消するためにも良い傾向にあると思います。
我々の活動は山づくりと同じで、長い年月を必要とし、結果(成果)も今すぐ目に見えるものは少ないかと思います。しかしそのような中にも今できる事業にはスピード感をもち、信頼関係の構築にはじっくりと時間をかけるといった緩急をつけた取り組みを行いたいと思っています。
(森田追記)
少しずつ行政と関係団体が同じ方向に向き始めてきました。また現実的に実証地を設けて行政と川上川下の業者へと手続きや、金銭の動きを検証することにより。無駄な工程や流通のコスト削減が検証できるのではと期待しているところです。これらを連携協議していく中で、この地の業界各社各団体が納得理解するデジタル化サプライチェーンが構築できることを夢見ております。
☆まとめ 「塾頭の一言」 酒井秀夫
「NPO法人おおすみ100年の森」が、地元行政(2市4町)との定期的な情報交換と連携の場を設けることになったとのこと。今後、森林組合はじめ素材生産業者、製材所との連携が密になれば、行政手続きや林業機械・作業班の運用、ネットワークによる情報収集、さらには行政の人事異動に対するフォローなど、風通しがよくなり、種々の無駄も省けて、人材の効率よい活性化にもつながっていくのではと思います。