林業再生・山村振興への一言(再開)
2021年8月 (№131)
□ 椎野潤(続)ブログ(342) 次世代産業社会へ向けた林業・山村(その2)
森林サービス産業の解説 2021年8月17日
☆前書き
安高志穂さんがブログ執筆に参加して下さいました。早速、「次世代産業社会に向けた森林サービス産業」と題する解説をいただきました。今日は、これを引用させていただいて、ブロクを書きます。
☆引用
[次世代産業社会に向けた森林サービス産業]
「森林サービス産業(注1)とは、森林空間が生み出す恵みを活用して、老若男女の多様な生活者を意識し、医療・福祉、教育、観光・旅行、娯楽、林業に関わるサービスを、複合的ビジネス化し、相乗効果を発揮することを目指していくものです。
森林浴をはじめ森林空間で過ごすことは、健康増進などに効果があると理解しつつも、多くの方々は、このような効果を日常生活で十分に享受できていないのが現状です。
ある民間のアンケート(参考資料1)では、6割以上の人が1年に1回も、山や森林に遊びに行っていないという結果を示していました。
人生100年時代の中で林野庁は、幼児期から学齢期、青年期、壮年期、老年期のあらゆるライフステージ(注2)において、また、学業、仕事、生活、余暇等の様々な場面において、森林とふれあったり、森の恵みをいただきながら、健康的・文化的で、楽しく心豊かに暮らすライフスタイルを、「Forest Style」(フォレストスタイル、注3)として提案しています。
これまでの森林空間利用は、キャンプや登山、自然探勝など、山や森林に関心のある方々が、休日に非日常を楽しむのが中心でした。
Forest Styleが、これまでの森林空間利用と異なるのは、ガイド等が体験プログラムを提供し、森の恵みをより効果的に感じさせることです。また、企業の社員やテレワーク(注4)導入企業など、森林に関心のない集団を、顧客層としていることです。さらに、平日利用や長期滞在の利用を目指していることです。
Forest Styleが定着すれば、山村地域に新たな雇用と収入機会を、創出することができます。山村振興に貢献できます。また、現在、我が国では、人口減少社会、人生100年時代、超スマート社会が同時に到来しつつあります。働き方改革の実現、健康寿命の延伸、アクティブラーニング(注5)、新しい生活様式の実践など、社会課題の解決が急務になっています。今このようなとき森林空間の利用が、社会や企業の課題解決に貢献できる可能性が見えてきました。
林野庁では、「森林サービス産業(注1)」の創出・推進を通じて、森林と人との新たな関わり方である「Forest Style(注3)」が、国民の皆さまに浸透するように進めているところです。」(2021年7月26日、林野庁森林利用課、山村振興・緑化推進室、安高志穂室長の解説)
☆結び
コロナ禍の中期から末期にかけて、ツイッター(注7)、フェースブック(注8)、インスタグラム(注9)の三つの交流サイト(注10)を使った地域活性化が、俄かに進展していました。私は、2021年7月2日のブログ(参考資料2)に書きましたが、東京都青ヶ島村は、島の人口の21倍ものフォロワー(注11)を、交流サイト(注10)で集めていたのです。日本各地の山村で、同様な活況が見られます。
北海道占冠村、赤井川村、鶴居村、山梨県昭和町、茨城県阿見町、岡山県早島町などの各村の全域、各町の山間部にある山村で、同様な活況が見られました。これらの各地では、コロナが終焉した後の海外観光客の解禁においては、凄く大勢の観光客が押し寄せてくることが、期待されています。
ここで、山村が、そのように活気づきますと、これを基盤にしている林業の背中を押すことは、間違いありません。そこで、林野庁が次世代林業の創生を目指して進めている、「森林サービス産業(注1)」が、大いに注目されるのです。
私のブログも、そこに注目して書き進めます。安高さんからいただいた、この「解説文」は、その主柱をなすものです。
(注1)森林サービス産業:多様な生活者を意識し、森林空間が生み出す恵みを活用したサービス。医療・福祉、教育・学習支援、観光・旅行、娯楽、林業等に関わるサービスを複合的にビジネス化。相乗効果を発揮することを目指す。
(注2)ライフステージ:ライフ=生活、ステージ=段階。人生を節目ごとに段階に分けて行くこと。
(注3)フォレストスタイル:森林サービス産業の創出・推進を通じて生まれる森林と人との新たな関わり方。
(注4)アクティブ・ラーニング(Active learning):学修者主体の学習手法の一つであり、学修者が能動的(アクティブ)に学修(ラーニング)に参加する学習法の総称。日本語としては「主体的対話的で深い学習」の語があてられる。
(注6)テレワーク:勤労形態の一種で、情報通信技術(ICT、Information and Communication Technology)を活用し時間や場所の制約を受けずに、柔軟に働く形態をいう。tel (離れたところで)とwork(働く)の合成語。
(注7) ツイッター(Twitter):アメリカ合衆国・カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置くTwitter, Inc.のソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS)。
(注8)フェイスブック(Facebook):アメリカ合衆国・カリフォルニア州メンローパークに本社を置くFacebook, Inc.のソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS)。
(注9)インスタグラム:写真に特化したSNS (ソーシャル・ネットワーキング・サービス)。画像や短時間動画を、共有する無料のスマートフォン・アプリとそれを用いたサービスのこと。
(注10)交流サイト=SNS(Social Networking Service):人と人との社会的な繋がりを維持・推進する様々な機能を提供する、会員制のオンラインサービス。
(注11)フォロワー: Twitterをはじめとするソーシャルサービスにおいて、特定のユーザーの更新状況を手軽に把握できる機能設定を利用し、その人の活動を追っている人のことである。自身のことをフォローしているユーザーのこと。
参考資料
(1)『山の日』にちなんだ登山に関する調査アンケート、アスカネット、2016年7月。
(2)椎野潤(続)ブログ(329) 東京青ヶ島 フォロワー住民の21倍 島嶼部や山間部の自治体で
上位 2021年7月2日。
[付記]2021年8月17日