地域再生 各県で若年労働者数が増加すると 県民一人当たりの所得も拡大する(その1) 若年層就労者が急増 沖縄県では3倍、群馬県・鳥取県では2.6倍に

積極的な就労支援によって地域内の若年層を増やそうとする動きが、各地で活発になっています。若年層の就労者が急増しました。2015年に比べて沖縄県で5倍、群馬県・鳥取県では2.6倍になりました。

 

林業再生・山村振興への一言(再出発)

2022年1月 (№171)

椎野潤(新)ブログ(382) 地域再生 若年層就労者が急増 沖縄県では3倍、群馬県・鳥取県では2.6倍に 2022年1月7日

 

☆前書き

日本経済新聞の2021年12月4日の朝刊は、このことを報じていました。今日は、これをブログに書きます。記事は、以下のように書き出しています。

 

☆引用

「地域から都市部への人口流出が続く中、UターンやIターンなどといった積極的な就労支援で、地域内の若年層を増やそうとする動きが活発になっている。沖縄県では29歳以下の新規就労者が、この5年でおよそ3倍になった。取り組みを探ると地域の未来が見えてくる。」(参考資料1、2021年12月4日、日本経済新聞から引用)」

 

☆解説

日本経済新聞は、厚生労働省の「雇用動向調査」を基に、29歳以下の新規就労者数を集計しています。2020年の新規労働者数を2015年と比べたところ、最も増加率が高かったのは沖縄県でした。同県は、3倍の5万4000人に増えました。2位は、群馬県で2.6倍で9万人に増えました。3位の鳥取県も2.6倍でした。2万1000人に増えました。24位の栃木県まで、増減率はプラスになりました。

新型コロナの悪魔の襲来で、この年の採用活動は、大きく落ち込んだと、私は思っていましたが、各地の自治体の皆さんの必死の対応が、立派な成果をあげていたのです。厳しい状況だろうと想像していた2020年の各地域での新規就業者獲得は、想像を超えた善戦でした。

幕開けした新年2022年の、日本各地の若手人材の増強について、私は大きな期待を持ちました。人口減少が続き、暗い気持ちになりがちだった日本各地で、コロナに対する必死の対策が、明るい未来を切り開いたのです。このブログでは、優等生だった、沖縄県、群馬県、鳥取県、山梨県を取り上げて書きます。

 

[沖縄県]この記事では、沖縄県が運営する就職支援サービス「りっか沖縄」の支援例を、丁寧に書いています。担当者は、就職先を探すのに苦しんでいた青年の希望をかなえようと、自動車販売会社を紹介しています。そして内定を獲得しました。

りっか沖縄は2019年度にスタートしました。那覇市のほか、東京と大阪に窓口を設置しています。県内での就職に興味のある学生や若者らの相談に応じ、200社以上もある登録企業を紹介します。登録していない企業でも希望に応じて担当者が企業と接触して就労につなげました。2020年はコロナ禍のもと企業は、採用を控えて慎重な姿勢を取っていた年でしたが、担当者の「このような時だからこそ」との熱意が実を結んだのです。沖縄県は、こうした努力が実って、2015年から2020年までの間の、若手の新規就業者数の増加率で、全国トップになったのです。

 

[群馬県]群馬県は、学生ばかりでなく、企業をも、金銭面で支えています。県外在住の学生向けには、県内企業のインターンシップ(注1、就業体験)の参加者を対象として、2018年から交通費を補助する制度を開始しました。一回5000円を上限として、1人あたり3回まで利用できます。

企業向けには、出店料無料のオンライン交流会を主催しました。先輩社会人に体験談や企業選びのポイントなどを語ってもらい、県内就職に関心を高めることを目指しました。また、就職活動前の低学年の学生にも、参加を誘っています。コロナ禍下の2020年は、かなりの参加者がありました。群馬県は、この一連の努力により、若手の新規就業者数の増加率で、全国第2位に食い込みました。

 

[鳥取県]鳥取県は、採用活動の費用補助を2011年から実施しています。パンフレットや会社説明の動画制作、就職情報サイトなどへの広告掲載費などの3分の1、30万円を補助しています。2019年からは、説明会のプレゼンテーションの仕方や面接官の振るまい方などを教えるセミナーを開催してきました。これらが新規就労者数の増加につながりました。

 

[山梨県]山梨県は、学生の大きな負担になる、奨学金の返済支援を打ち出しました。ここでは県内の機械電子関連の製造業に就職することを前提に、就業翌年から最大8年、借りた奨学金の8分の1を毎年受け取ることができます。これは2020年は前年度比の 54%の増加で、人気大沸騰でした。山梨県産業人材育成課では、「地元に根付いてもらうことが目的」と言っていましたが、その期待は立派にかないそうです。(参考資料1、2021年12月4日、日本経済新聞(鈴木洋介、内藤英明、瀬口蔵弘)を参照引用して記述)

 

☆まとめ

若者の新規就労者数の増加は地域に活力をもたらします。新規就労者数の増減率と県民所得の増加率を分析すると就労者数が増えるほど1人当たりの県民所得も増える傾向があります。

大手就職情報会社、マイナビの新卒学生への意識調査によりますと、地元就職希望者の比率は近年、低下傾向にありました。一方で群馬県労働政策課の担当者は「新型コロナの影響で実家に戻ってオンライン授業を受けている学生が、地元就職を意識するケースが増えている」と述べています。このような影響もあり、群馬県では、2022年の卒業予定の新規就業者数の増加率で前年比2.9ポイント増の57.8%になりました。

マイナビの高橋誠人編集長は「採用を諦めていた地方の中小企業にもチャンスが広がっている」と指摘しています。幕開けした新年2022年は、地域の中小企業にとって、人材増強の絶好のチャンスです。(参考資料1、2021年12月4日、日本経済新聞(鈴木洋介、内藤英明、瀬口蔵弘)を参照引用して記述)

 

(注1)インターンシップ(internship):特定の職の経験を積むために、企業や組織において労働に従事している期間のこと 。

参考資料

(1)日本経済新聞、2021年12月4日

[付記]2022年1月7日。

 

[追記(1) 東京大学名誉教授 酒井秀夫先生の指導文]

[指導を受けたブログ名:[特別ブログ]明けましておめでとうございます。2022年1月4日]

[引用文]

大谷様

明けましておめでとうございます。

ブログ配信ありがとうございます。

原点を持って、信念があれば何事にも負けなしです。

椎野先生の歩みが先を照らしてこられました。

千年続く闇もマッチひと擦りで照らし出されます。

本年もよろしくお願いいたします。

酒井秀夫

 

[追記(2)次世代林業創生・山村振興への先導者 塩地博文さんの指導文]

[指導を受けたブログ名:[特別ブログ]明けましておめでとうございます。2022年1月4日]

[引用文]

大谷様

新年おめでとうございます。

先生の冒頭文を以下コピーします。

先導者たちへ

先導者=高い志をもって時代を先駆ける者は、

常に孤独である。

漆黒の闇夜に一艘の小船を漕ぎだし、

大海を渡らんとする如き、

そういう孤独をきっとみな、

味わっているはずである。

人の先に立って、未踏の明日を切り拓こうとすることとは、

そのような勇気ある精神の戦いである。

松明に火を灯し舳先に掲げよう。

この一点の小さな明かりが、

思いかけず、遥か遠くにある同じ志の者を励ますとしたら、

やがて次々と狼煙のように伝播して、

煌めく数多の松明が、満天に輝く星空になるとき、

先導者=高い志を持って時代を先駆ける者は

決して孤独ではない。

 

このメッセージに改めて落涙しております。

私は、長年、孤独でした。

未開の地ほど、暗黒な場所はありません。椎野先生の掲げた松明に目を凝らして、開発の闇を過ごしてきました。

大病した際にも、このまま闇の中で死んでいくのか〜と自問自答しました。

昨年、本当の松明に出会えました。その松明を目指して、闇を抜け出しそうです。

今年も、先生を師と仰いで邁進する所存です。

 

塩地 博文

 

[追記]沖縄県の頑張りに期待する

このブログで最優等生の沖縄県が、今、コロナで苦闘しています。私は、ここも、見事に乗り切ってくれると期待しています。沖縄県が、どのような形で乗り切るのか、私は注目しています。(椎野 潤)

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