国土緑化推進機構のフォレストサポーターズのメンバーズとなり、美しい森林づくり推進国民運動に参加しました。今日から活動報告を投稿します。
□椎野潤(続)ブログ(229)山村振興 コロナ危機後の経済再出発は山村から 日本の安全で幸福な未来社会の担い手になる (2020年6月15日 )
☆前書き
コロナウイルス危機は、日本社会にとっても、凄く強烈なパンチでした。でも、日本と日本人は、冷静で粘り強い対応で、第一波は、なんとか乗り越えました。ここでの経済再生は、タイミング良く強力に、出発しなければなりません。コロナ後の経済再生の出発は、「山村振興」のキックオフから始めるべきです。
☆本文
100年前、内村鑑三が予言したように(参考資料1、2)、危機に立ったとき、日本の民は強かったのです。強い規制ではなく、ゆるやかな自粛で、大きな危機を乗り越えました。このあとの経済の再建も、見事に成し遂げると思います。
この日本と日本人の姿を、世界の識者は賞賛しました。各国のメディアは、驚きの声を上げました。イギリスの大手メディアは、日本のコロナの感染者数は、0が一つ少ないのではないかと報じました。 これは10年前の東北大震災のときも、世界のメディアは驚いて報道したのです(参考資料3)。そして、日本人は、「空気が読める」「和の世界を作れる」と、その美質を激賞しました。
でも、この日本人の美質の裏には、コインの表裏のように、大きな欠点があるのです。「空気を読める」「周囲が皆、動かないから、自分も動かない」。ですから、変化の激しい、今の世界の潮流の中で、日本人は動きが遅いのです。
コロナ危機の対応でも、動きが遅いのが目立ちました。安倍首相も「がまんの日本人」で、じっと我慢して耐えて待ちました。そして「空気を読める日本人」が「和の社会」を形成するのを待ちました。
日本人は、ピンチに立つと強いのです。明治維新でペルーの黒船が来たときも、第二次世界大戦の終戦のときも、日本人は、見事に立ち上がりました。そして強制力ではなく、民間企業が自主的に連携して、立ち上がったのです。コロナ後も、日本人の魂(たましい)が目覚めれば、経済を立派に立ち上げるでしょう。ここ10年ほどは、世界の早い進化に遅れ、ジリジリと引き離されてきましたが、ここで一気に追い上げて追い抜くと思います。
そして、明治維新でも、終戦後でも、改革の必要はわかっていながら、なかなか進まなかった処は、一気に解決したのです。山村振興も、このタイミングが絶好のチャンスです。一気に進めるべきです。
☆まとめ
私は、日本の未来は、二つの顔を持っており、この二つを調和させて進めねばならないと思っています(参考資料4)。それは、東京を中心とした世界一の先進都市国家の顔。地域が自立し、活性を持ち、コツコツと成長を続ける地域社会の顔です。この二つをバランス良く進めなければ、日本の安全で幸福な社会は築けません。この「地域」のことを、私は「山村」と言っています。山間部の社会ばかりでなく、地域社会をまとめている、地域の「マチ」も含めて「山村」と呼んでいます。
山村振興では、国全体の進むべき目標の姿、望んでいる「実現したい社会」を、まず、明確にしなければなりません。「皆が読む空気」を明確に位置づける必要があるのです。しかも私は、地域は「年々、活性化する処でなければならない」と思っています。また、人口も、少しずつ増える処としたいのです。このまま人口が減っていけば、結局、貧しい「生活に困る社会になってしまう」ことを皆が自覚して、「よし、頑張ろう」と思えば、きっと良い空気になるのです。
活性化は、出来るところから着実に、でも強力に進めて行かねばなりません。活力ある社会にするには、地域を「収益を上げられるビジネスモデル」にしなければなりません。
それを進めるには、以下の諸項目を実施する必要があります。
(1) 海外の外国人を積極的に誘致します。
(2) 日本国内各地の人々にも、広く来てもらいます。各地域の山村の人達、都市の人達との交流を進めます。
(3) お金を投下してもらいます。海外からも、国内各地からも投資してもらいます。
(4) 世界の人々の喜ぶ特産品を開発します。
(5) 自分達の地域に既にある特産品は、さらに重要です。特産品を見直して、より魅力のあるものに,ブラッシュアップしなければなりません。他地域の特産品との特徴の違いを、一層、際出(きわだた)せる工夫をします。
(6) 自分の地域にしかないものを、あらためて経験してみます。食べてみます。着てみます。土地の名所を、あらためて歩いていみます。地元の魅力を見落としていなかったかを、しっかり確認します。
(7) 地元名産品の国内外への販売拡大を丁寧に検討し、支援を求めます。
(8) クラウドファウンディング(注2)などで、お金を投資してもらいます。
それもコロナ危機の直前に「良いところまで行っていた」商品・サービスについて、一刻も早く、スタートダッシュすることです。山村振興は、長期の目標が重要ですが、すぐ実施できる人が、海外の国々にいるのですから、そのやろうとしている人達に、すぐ動いても貰うのがとても大事です。旅行業者などを入れずに、自分で多言語自動翻訳機などを使って、直接電話で話すのです。
もちろん、電話だけでなく、メールで直接やりとりするのは、一層、良いのです。さらに、SNS(注3)を使うのです。面倒なことが多くなり、忙しくなりますが、それが山村活性化です。交通業者の取り分が、山村の家庭に入ります。それが収益の拡大モデルです。
このように努力していけば、山村の人達の方が、都会人より「情報を持っている」「海外の情勢を把握している」と、言われるようになるでしょう。あなた自身が、そんな一人に、まず、なって欲しいのです。それはあなた自身の、人生100年時代の、生き甲斐を見付ける旅への出発です。日本の幸福な未来社会の、担い手の一人になる、生涯設計の実践です。
(注1) 参考資料4、pp.48〜49。
(注2) クラウドファウンディング(crowdfunding): 群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語。不特定多数の人が、インターネット経由で、他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを意味する。
(注3) SNS (Social Networking Service) ソーシャル・ネットワーキング・サービス: SNSとは、人と人との社会的な繋がりを維持・促進する様々な機能を提供する、会員制のオンラインサービス。友人・知人間のコミュニケーションを円滑にする手段や場を提供したり、趣味や嗜好、居住地域、出身校、あるいは「友人の友人」といった共通点や繋がりを通じて新たな人間関係を構築する場を提供するサービス。Webサイトやスマートフォンアプリなどで閲覧・利用する。
参考資料
(1) 椎野潤著:内村鑑三の言葉〜現代社会を突き抜ける金言〜、われわれは この世に 何を遺して逝くのか、メディアポート、2012年9月9日。
(2) 椎野潤ブログ:「内村鑑三の言葉」〜現代社会を突き抜ける金言〜を読み直し、日本の再興を考える、2015年12月28日。
(3) 椎野潤ブログ:日本と日本人の美質と弱点(その2)、外国人が賞賛する日本人の美質の言葉、2012年12月14日。
(4) 椎野潤著:日本の転換点で考える〜日本と日本人の歴史を見直して今何をなすべきか〜、メディアポート、2014年1月24日。
[追記]
私は、最近、情報発信で、「ロボットの相棒に助けてもらおう」と呼びかけています。この言葉が多いので、目が回るほどかもしれません。「まとめ」の中で、「多言語翻訳機を使って」と書きましたが、このような活動をするときには、外国語ペラペラの人に手伝ってもらうと、凄く楽でしょう。その人を相棒と言っているのです。今の世は、人工知能(AI)が進化していて、支援を受けるのは楽なのです。「翻訳アプリ」を、自分のスマホに入れれば良いのです。そう考えると、ロボットの相棒は、どこにもいるのです。ここでは相棒ロボットは、人形ではなく、スマホの姿をしています。
私は、2010年3月から2020年1月まで、ほとんど毎日、ブログを書いて発信してきました(https://sendosha.com/参照)。私は、現在、84歳ですが、人生の最晩年の10年間を、この情報発信にかけてきたのです。
2019年に大きい病気をして、2020年1月に、この生活から引退しました。でも、神様が「まだ、やり残しているモノがある」と命をくださいました。そのお蔭で、その後の回復は奇跡的でした。4月から、「林業再生と山村振興」に的を絞った発信を再開しました。そして、フォレストサポーターズの積極的な方々との出合いがあり、その情報発信活動の場に参加できたのです。ここに、未来を支える大事な仕事に、強力な仲間が出来ました。
[付記]2020年6月15日、椎野潤記。