☆巻頭の一言
今日は、3編編成の森田俊彦ブログ 南九州の林業再生・山村振興の最終回です。「森林〜家作りサプライチェーン(注1)の川上を担う方々の討論です。一連の討論が、どのような「まとまり」を形成するのか、とても楽しみです(椎野潤記述)。
林業再生・山村振興への一言(再開)
2022年4月(№203)
□ 椎野潤(新)ブログ(414) 森田俊彦ブログ 南九州の林業再生・山村振興(その3)「おおすみ100年の森」サプライチェーン川上グループの討論 2022年4月29日
☆前書き
今回は、第3回目の報告として、森田俊彦さんからの投稿された「大隅100年の森」サプライチェーン(注1)の川上グループの討論(参考資料1)を引用して報告します。聞き手は、森田俊彦さんです。(椎野潤記述)。
☆引用
「おおすみ100年の森」サプライチェーン川上グループの討論
森田俊彦
[川上グループの討論]最後の川上グループになりました。今の山の現状とこれからの目指すべきところなど、また今回、NPOとして設立した計画等を、大竹野会長を含め御三方にインタビューしたいと思います。
討論参加者:駿河木材(有) 大竹野 千里 大隅森林組合 下清水久男 岩崎木材工芸 岩崎理恵
森田: 先ずは、自己紹介と共に、今山で起こっていること(再造林、人工林、担い手)をお話しください。
大竹野: 国有林を中心に、素材生産を行う事業体です。2018年(平成30年)から林業の啓発と再造林促進のため、木育事業とスギのコンテナ苗事業も新たに取り組んでいます。再造林問題は喫緊の問題です。必ず再造林している事業体がある一方、伐るだけ伐って何もしないところもあります。大隅全体としては再造林が追いついていないのが現状です。再造林は下刈など人手が肝心ですが、これといった手立てがなく頭の痛い問題だと思います。
下清水: 大隅森林組合です。大隅流域の2市4町の森林組合が合併し、現在の形になっています。確かに戦後の拡大造林で植えた資源が伐期に来ています。しかし、国や県が言葉でいうような「グリーン成長(注2)とか、カーボンニュートラル(注3)」という様には、現場は動いていません。違法伐採のような作業をする業者も実際にはいます。2018年(昭和30年)に改正された森林法では、現在の山の現場とは乖離があり、とても弱い状況だと思います。伐ったら植える。ここに法的拘束力があってしかるべきと思います。今回、このようなセクションが出来たことは、大変に喜ばしいことです。これを機に、現場の声を赤裸々にあげ、是非、現場を捉えた政策につなげて頂きたいと思います。
岩崎: 屋久杉の製材工場と国有林を中心とした素材生産事業を行なっています。昨年、CNCルーター(Sotbot、注4)という製材機械を導入し新たな製材加工に挑戦しています。全国でもまだ60機前後の導入で、鹿児島県では初の導入です。
森田: 過疎・高齢化が進む中、森林所有者、一般の方々の意識をどう捉えていますか?
下清水: 山主の山への関心は薄くなる一方です。折角「森林経営管理制度(注5)」という立派な制度が出来ても一般の方々、特に高齢の山主さんの山への意識が薄い今のままでは、進まないと思っています。実際に意向調査を出してもアンケートの解答率が、とても低いのです。これは全国的に同じ問題ではないかと思います。
環境問題やSDGs(注6)が云われる今、森林所有への問題は、市民全体で意見を出し合っていくべきだと思います。
岩崎: 高齢の森林所有者さん程、山への意識が強く「植えなくて良い。後はいないのだから。でも、私がいるうちは好きにはさせない」という意固地な方が多いのです。
大竹野: 私の地域の山主さんも同じようなものです。なので、我々は地域の林業事業体としてアプローチしてきた山主さんには、伐採届を出すまでの間に幾度となく再造林の説明を行なっています。しかし、現実はなかなか進みません。先程森林組合長が仰ったように、森林法が「伐ったら植える」という、より拘束力の強いものになれば、我々も再造林しやすくなると思います。
森田: 森林経営計画(注5)はどう進んでいくのでしょうか?今後、森林経営計画が進んでいくと、山の名義が3代、4代前のものをどう取り扱うのかという問題に、必ずぶつかります。行政の中に「司法書士事務所」「代行」のような司法関係、特に名義変更に明るい人材を置く必要が、今後は出てくるだろうと思います。
下清水: 経営計画が面積にとらわれてしまっている感じがします。原点に帰って、規模の縮小など組合だけでなく、事業体も参画できるように変えていく必要があるでしょう。
森田: 市町行政と所有者の山への意識はどうですか?
下清水: 全くと言っていいほど山への意識はありません。このエリアの山はこうしていきましょうとか、そろそろ間伐の時期だなとか、行政が我が地域、我が山としてビジョンを持って引っ張っていくべきだと思います。
森田: 森林環境税の有益な活用策として、こういうのがあればという意見はありませんか。
下清水: 今の森林環境税(注7)の使い方は、意向調査がメインになってしまっています。本来の使い方はもっと柔軟に多様な使い方が出来るはずです。木材の出口である県産材の建築、製品の購入に対して税金を使い、木材業界を活性化させる。そうすれば自然とわれわれ川上も一生懸命に木を伐るようになると思います。
大竹野: キーワードは丸太価格だと思います。下清水さんのおっしゃる通り、お金が川下から巡って来たとして、その価格が「伐倒・造材」の作業賃だけの価格だと森林整備は出来ません。木材には、木を植えてから収穫するまでの30年、40年の造林育林コストも含めた価格が必要だからです。
森田: マンパワーとスマート化(注8) 機械化はどうお考えですか?
下清水: 働く人は福利厚生や賃金などの労働条件を言います。その条件をクリアするには、やはり組合を含め、業者が儲からないと駄目なのです。業界の儲け、つまり木材の価格問題を解決するのは、農業と同じく「流通」だと思います。
大竹野:その通りだと思います。そのためにも、川上も横のつながりが必要です。
森田: 全国的に出生率が下がる中、林業界もマンパワー不足は重要な課題です。これを解消する一つの手段として各市町村に担い手を招致する方法はどうでしょうか?市町村あるいは団体が窓口となって都会からの担い手を招致する。その後、3年なら3年の間に各事業体で資格や経験を積んでもらって、3年の後にはいずれかの企業・組合に就職する。そんなシステムはどうでしょうか。
下清水、大竹野: 担い手不足をカバーする良いシステムだと思います。一方で、林業事業体は零細企業も多く、機械投資額とコストを考えると一社で全ての重機を網羅するのは難しいと思います。今後は組合も事業体ももっと絡み合った人材連携が必要となるでしょう。
森田: おおすみ「100年の森」が目指すものはなんですか?
大竹野: 我々が目指すのは、「人の手によって管理された多様性に富んだ大隅半島の森」作りです。ここで言う「人」というのは、孫やひ孫の世代であり、「管理」されたとは、どこにどんな山があるのかを、きちんとデータとして把握し続けると言うことです。大隅の山全体をきちんと把握した上で、木材生産の山、林産物生産の山、レジャー教育の山などなど多様性を持った大隅の森林作りをすることです。自然豊かな森が必要なことは誰も疑うことはないでしょう。自然豊かな森とそれを守り続けるシステム作りを我々は後世に残したいと願っています。そのために、地域の地場産業として、自分達できちんと稼げる林産業にならなければいけないと考えています。
NPO法人「おおすみ100年の森」の2022年度(令和4年度)の活動計画としては、2つの事業を予定しています。
はじめに、大隅流域での森林経営管理制度のシステムの構築、つまり、大隅2市4町の森林環境税(注7)の有益な使い道をみなさんにお示しできればと考えています。
もうひとつが林産業を地場産業とした森林整備の道しるべとして、「SGEC(森林認証:注9))」のグループ認証取得に向けて動きたいと思います。「SGEC(注9)」「FSC(注10)」といった国際的な認証制度は国内でもまだまだ認知度が低いのです。しかし、今後の社会の在り方を考える時、この森林認証取得は、持続可能な地域つくりにおいて必須の条件だと思っています。
森林管理制度と森林認証で流域の山々が明るくなったら、次に教育、福祉、スポーツやレジャーといった多用的な山と人との関係を構築したいと考えています。
森林経営管理制度(注5)においても、森林認証取得においても、必要となるのが業界の川上川中川下をつなぐ、林産業サプライチェーン(注1)です。このチェーン「鎖」は、個々の利益や収益を上げるためではありませんし、それを考えているようでは鎖はつながりません。各人の信頼と未来の子供達へという共通の想いがあってこそつながるものです。
子ども達は希望に満ちた眼差しで私たち大人を見ています。その瞳が絶望と失望で曇ることのないよう「おおすみ100年の森」は取り組んでいきます。
☆まとめ 1 椎野潤記
川下、川中、川上の3つのグループの討論を読ませていただいて、私は、大きな感動をいただきました。最初に、南九州のみなさまの話を記した文を拝読した時からみれば、わずかな短期間の間で、みなさんの地域が、未来の幸福社会を作っていくのに対して、何をすれば良いかが、明瞭に判ってきました。皆さん、凄い大成長です。
NPO法人「おおすみ100年の森」の会長、大竹野千里さんは、駿河木材の社長として、国有林の素材生産を、中心になって担っておられ、森林の再造林の促進のための木育事業に挑戦されている方です。大竹野千里さんは、私が、今、挑戦している、「日本の林業再生と山村振興」で、何をしなければならないかを、きわめて明確に、熟知されていました。来るべき未来へ向けて歩むべき道を、良く知っておられ、既に、この道を先導されていました。私は大竹野さんに、私の活動を支援いただければと、熱望しました。
大竹野さんが、今回の討論で述べておられていることの中で、私が感動した言葉を、以下に抽出して略記させていただきます。
(1)岩崎木材工芸の岩崎理恵さんが、「高齢の森林所有者さん程、山への意識が強く「植えなくて良い。後はいないのだから。でも、私がいるうちは好きにはさせない」という意固地な方が多いのです」と言われたのを受けて、大竹野さんは、「私の地域の山主さんも同じようなものなのです。なので、我々は地域の林業事業体としてアプローチしてきた山主さんには、伐採届を出すまでの間に幾度となく再造林の説明を行なっています。しかし、現実はなかなか進まないのです。先程森林組合長が仰ったように、森林法が「伐ったら植える」という、より拘束力の強いものになれば、我々も再造林しやすくなると思います」と言っておられます。私も同感でした。
(2)森田俊彦さんが、森林環境税の有効な活用策について問われたのに対して、大隅森林組合の下清水久雄さんが「今の森林環境税(注7)の使い方は、意向調査がメインになってしまっています。本来の使い方はもっと柔軟に多様な使い方が出来るはずです。木材の出口である県産材の建築、製品の購入に対して税金を使い、木材業界を活性化させる。そうすれば自然とわれわれ川上も一生懸命に木を伐るようになると思います」と述べられていますが、これに対して大竹野さんは「キーワードは丸太価格だと思います。下清水さんのおっしゃる通り、お金が川下から巡って来たとして、その価格が「伐倒・造材」の作業賃だけの価格だと森林整備は出来ません。木材には、木を植えてから収穫するまでの30年、40年の造林育林コストも含めた価格が必要だからです」と話されています。これには、私は、全く同感です。
(3)森田俊彦さんが、スマート化と機械化について問われたのに対して、下清水さんが「働く人は福利厚生や賃金などの労働条件を言います。その条件をクリアするには、やはり組合を含め、業者が儲からないと駄目なのです。業界の儲け、つまり木材の価格問題を解決するのは、農業と同じく「流通」だと思います」と言われました。これに対して、大竹野さんは、「その通りだと思います。そのためにも、川上も横のつながりが必要です」と指摘されました。これは非常に重要な指摘だと思います。
(4)森田さんが、林業界のマンパワー不足の対策として以下のような、素晴らしい提案をなさいました。「林業界のマンパワー不足をカバーする方法として、各市町村に担い手を招致する方法はどうでしょうか?市町村あるいは団体が窓口となって都会からの担い手を招致する。その後、3年なら3年の間に各事業体で資格や経験を積んでもらって、3年の後にはいずれかの企業・組合に就職する。そんなシステムはどうでしょうか。」これに対して、下清水さんと大竹野さんは「担い手不足をカバーする良いシステムだと思います。一方で、林業事業体は零細企業も多く、機械投資額とコストを考えると一社で全ての重機を網羅するのは難しいと思います。今後は組合も事業体ももっと絡み合った人材連携が必要となるでしょう」と言っておられました。
(5)森田俊彦さんが、「おおすみ100年の森の目指すものは何ですか」と問われたのに対して、大竹野さんは、以下のように述べておられました。これは、私は、この一連の討論の「まとめ」そのものだと思いました。私が書きたいと思っていたこと、そのものだったのです。そこで、少し長いですが、ここで、改めて引用させていただきます。(ここまで椎野潤記)
[おおすみ100年の森の目指すもの] 大竹野千里の「まとめ」
我々が目指すのは、「人の手によって管理された多様性に富んだ大隅半島の森」作りです。ここで言う「人」というのは、孫やひ孫の世代であり、「管理」されたとは、どこにどんな山があるのかを、きちんとデータとして把握し続けると言うことです。大隅の山全体をきちんと把握した上で、木材生産の山、林産物生産の山、レジャー教育の山などなど多様性を持った大隅の森林作りをすることです。自然豊かな森が必要なことは誰も疑うことはないでしょう。自然豊かな森とそれを守り続けるシステム作りを、我々は後世に残したいと願っています。そのために、地域の地場産業として、自分達できちんと稼げる林産業にならなければいけないと考えています。
NPO法人「おおすみ100年の森」の2022年度(令和4年度)の活動計画としては、2つの事業を予定しています。
はじめに、大隅流域での森林経営管理制度のシステムの構築、つまり、大隅2市4町の森林環境税(注7)の有益な使い道をみなさんにお示しできればと考えています。
もうひとつが林産業を地場産業とした森林整備の道しるべとして、「SGEC(森林認証:注9))」のグループ認証取得に向けて動きたいと思います。「SGEC(注9)」「FSC(注10)」といった国際的な認証制度は国内でもまだまだ認知度が低いのです。しかし、今後の社会の在り方を考える時、この森林認証取得は、持続可能な地域つくりにおいて必須の条件だと思っています。
森林管理制度と森林認証で流域の山々が明るくなったら、次に教育、福祉、スポーツやレジャーといった多用的な山と人との関係を構築したいと考えています。
森林経営管理制度(注5)においても、森林認証取得においても、必要となるのが業界の川上・川中・川下をつなぐ、林産業サプライチェーン(注1)です。このチェーン「鎖」は、個々の利益や収益を上げるためではありませんし、それを考えているようでは鎖はつながりません。各人の信頼と未来の子供達へという共通の想いがあってこそつながるものです。
子ども達は希望に満ちた眼差しで私たち大人を見ています。その瞳が絶望と失望で曇ることのないよう「おおすみ100年の森」は取り組んでいきます。(大竹野千里記)
大竹野千里さんは「おおすみ100年の森」の目指すものを、極めて明確に明示してくれました。これは、この一連の討論の「まとめ」として、私が期待していた文面と、良く合致していました。この川下、川中、川上の3編のブログは、みなさまのご努力で、立派にまとまりました。(椎野潤記)
☆まとめ 2 今後の予定 森田俊彦記
これに加えて、森田俊彦さんの「まとめ」がありました。以下です。
ありがとうございました。NPO「おおすみ100年の森」は、2022年(平成4年)3月18日(2021年度3月末)に、設立総会を開催しました。新年度(2022年度)から、いよいよ、スタートいたします。法人個人の賛同者を募り、動き出しました。
当初、サプライチェーンに注力してのシステム構築を考えておりましたが、先ずは林業界の意思統一、その上で行政に歩調を合わせてもらい、全体機運を盛り上げ、ハード面、ソフト面を皆さんが理解し、その上で出来るところから進めていくことにしました。
また、錦江町では、新年度(2023年度)から、特定地域づくり事業の立ち上げを行います。協力団体による新年度内の活動が、開始していただけそうです。南大隅町と錦江町の観光、企画課でも、来年度中の体験ツアーの開始を、予定しております(森田俊彦記)。
(注1)サプライチェーン:部材の製造から製品の流れ、情報の流れを合理化して、顧客に提供する価値の増大を図り続ける総合的な活動。サプライチェーンマネジメント:サプライチェーンをマネジメントすること。森林〜家作りサプライチェーン:林業から製材・プレカットを経て、家作りに至る長大なサプライチェーン。上流・中流・下流の3段階を形成する。
(注2)グリーン成長:自然資産が今後も我々の健全で幸福な生活のよりどころとなる資源と環境サービスを提供し続けるようにしつつ、経済成長および開発を促進していくこと。従来の経済成長が、成長のみを重視し、結果的に環境破壊やエネルギーの過剰消費、CO2大量排出などを伴ったのに対し、グリーン成長では、自然資源と生態系を適正に保全・活用し、持続可能な成長を目指す。
(注3)カーボンニュートラル (carbon neutrality):環境化学の用語の一つ、または製造業における環境問題に対する活動の用語の一つ。日本語では炭素中立と言う。何かを生産したり、一連の人為的活動を行った際に、排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量にするという考え方を示す 。
(注4)CNCルーター:NC制御のルータ・マシン。 NCとは「Numerical Control(数値制御)」の略。 ルータとはネットワーク機器のルータではなく、工具としての「くり抜き機」の意味。
(注5)森林経営管理制度:間伐などの経営管理が行われていない森林について、適切な経営や管理の確保を図るため、市町村が仲介役となり、自ら管理することが難しい森林所有者と林業経営者をつなぐ制度。 この制度を活用して、健全な森づくりを進め、山地崩壊の防止や水源のかん養、木材の生産など、森林の持つ多面的機能を発揮して行く。
(注6)持続可能な開発目標=SDGs(Sustainable Development Goals):17の世界的目標、169の達成基準、232の指標からなる持続可能な開発のための国際的な開発目標 。
(注7)森林環境税: 森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律(平成31年3月29日法律第3号)に基づき、市町村及び都道府県が実施する森林の整備及びその促進に関する施策の財源に充てるため、個人住民税均等割に上乗せして課される税金である。国の課す税金であるが、実際の徴収は個人住民税に併せて市町村が行う。その収入額は、森林環境譲与税とし、市町村及び都道府県に対して譲与される。
(注8) スマート化: 情報システムや各種装置に、高度な情報処理能力、管理・制御能力を持たせること。一般的にスマート化は、空調システムや送電網などのインフラ設備に、情報処理能力 情報管理能力を搭載して、高度な運用を可能にすることを指す。社会インフラのスマート化は、ICT(情報通信技術)が実現を目指す目標の一つといえる 。 スマート化された送電網はスマートグリッド、地区全体においてスマート化が進んだ都市は、スマートシティと呼ばれる 。
(注9)SGEC:日本の森林認証制度。森林認証制度とは、適正に管理された森林から産出した木材などに認証マークを付けることによって、持続可能な森林の利用と保護を図ろうとする制度。環境ラベリング制度のひとつ。独立した第三者機関が評価・認証する制度。木材産出地域の森林管理を評価する制度であることから木材認証制度とも呼ばれる。
(注10)森林管理協議会=FSC(Stewardship Council):国際的な森林管理の認証を行う協議会。1993年10月にカナダで創設されたNGO。生産を行う森林や製品、流通過程の評価、認定、監督を行う。機関の構成員は、世界各国の環境保護団体、林業経営者、木材業者、先住民族、森林組合など。 現在の国際本部はドイツのボンにある。
参考資料
(1)森田俊彦著:「おおすみ100年の森」サプライチェーン川上グループの討論、2022年3月23日。
[付記]2022年4月29日。
[追記 東京大学名誉教授 酒井秀夫先生の指導文]
[指導を受けたブログ名:□ 椎野潤(新)ブログ(413) 森田俊彦ブログ 南
九州の林業再生・山村振興(その2)「おおすみ100年の森」サプライチェーン川中グループの討論 2022年4月26日
文月恵理様
ブログ配信ありがとうございます。
今回は、川中で事業をしておられる方々の改革への思いが語られています。
亀甲さんは、数量を確保するためにも市場機能の「安心・信用」を担保した大型中間土場が必要であると提言しておられます。これからの検知にはICTが活用されていくと思います。また、サプライチェーンにおける原木の安定消費という需要側の重要性を指摘しておられます。
おおすみ「100年の森」では再造林を当たり前の事としたいとのことで、注目していきたいです。岡本さんは、相場動向に左右されない利益率を考えた適正価格で売る努力をしなければいけないとされています。吉重さんの「山に人々の目がいくように」は、是非とも実現していきたいです。
酒井秀夫