NPO法人おおすみ100年の森活動報告(2024年夏)

□ 椎野潤ブログ(大隅研究会第16回)  NPO法人おおすみ100年の森活動報告 おおすみ100年の森代表 大竹野 千里 当法人は、2022年4月に【人の手によって適切に管理された生物多様性のある大隅の森つくり】を目的に発足致しました。2019年度から始まった森林環境譲与税と森林経営管理制度の有効な

「輸入材は国産材よりも安くて良い」は過去のもの

□ 椎野潤ブログ(塩地研究会第43回) 「輸入材は国産材よりも安くて良い」は過去のもの 木村木材工業株式会社 代表取締役 木村 司 はじめまして。埼玉県で無垢造作材加工工場を経営する木村木材工業株式会社 木村 司と申します。私は、輸入材は国産材よりも安くて良いものだという木材業界の不文律が音を立てて

再造林が強める林業の社会的包摂力

□ 椎野潤ブログ(塩地研究会第42回) 再造林が強める林業の社会的包摂力 株式会社森林連結経営 文月恵理 再造林、それは林業が苗を植えてから収穫するまでの一つのサイクルを終え、新たな命の循環を歩みだす初期段階だ。日本の多くの地域で、人工林が利用に十分な成長を遂げているのに、木材価格の低迷や再造林の困

森林組合の行方―林業サプライチェーンの実現に向けて⑦森林経営を担う組織へ

□ 椎野潤ブログ(塩地研究会第41回) 森林組合の行方―林業サプライチェーンの実現に向けて⑦森林経営を担う組織へ 北信州森林組合 堀澤正彦 ダラダラと書いてきましたが、とうとう連載の最終回です。タイトルが「森林組合の行方」なのに一言も書いてないだろうと、呆れながらも読み続けてきた方はお怒りではないだ

森林組合の行方―林業サプライチェーンの実現に向けて⑥椎野先生の教え

□ 椎野潤ブログ(塩地研究会第40回) 森林組合の行方―林業サプライチェーンの実現に向けて⑥椎野先生の教え 北信州森林組合 堀澤正彦 椎野先生に会いたい!思いはほどなく実現しました。酒井先生(椎野塾塾頭、東京大学名誉教授)の視察を受けたおりに林業サプライチェーンの夢を話したところ、「椎野先生を連れて

森林組合の行方―林業サプライチェーンの実現に向けて⑤椎野理論との出会い

□ 椎野潤ブログ(塩地研究会第39回) 森林組合の行方―林業サプライチェーンの実現に向けて⑤椎野理論との出会い 北信州森林組合 堀澤正彦 境界明確化により施業地の集約が容易になり、さらに高精度森林資源データを運用することで、年間の工程計画をもとにした「計画生産」が可能になったことを前段までで記しまし

日本人の木の文化を超えて

□ 椎野潤ブログ 塾頭 本郷浩二 「日本人の木の文化を超えて」 日本人は木が好きではない。 これは、ある時期から私が持った反説的疑問というか、木づかいについてがっかりした思いを凝集した課題です。 日本は木の文化が育まれてきた、ということを巷では普通に言われます。西洋が石の文化であることとの対比で使わ

ヨーロッパ林業の勢い

□ 椎野潤ブログ 塾頭 酒井秀夫 「ヨーロッパ林業の勢い」 暑中お見舞い申し上げます。 先月ドイツの林業機械展KWF (https://kwf-tagung.net)に行ってまいりました。4年ごとに開催され、5日間で5万人の来場者が見込まれていました。 途中、フランクフルト市内のガソリンスタンドで燃

木材について考える

□ 椎野潤ブログ(塩地研究会第38回) 木材について考える 戸田てつお(森林総合監理士) 前回、林業は森林の持つ多面的機能を発揮させつつ森林を適正に管理し利益をあげるために木材等を生産していく産業だと捉えた。今回、その収穫物である木材について考えてみたい。 木材は、燃料や紙パルプ、そして住環境の資材

林業について考える②社会で支える森林経営

□ 椎野潤ブログ(塩地研究会第37回) 林業について考える②社会で支える森林経営 戸田てつお(森林総合監理士) 林業の育林費用は概ね植栽・下刈もろもろ合わせて2百万円/ha程度とされている。 一方、ざっくりであるが木材の収入はスギの場合、原木市場で平均1万3千円~1万4千円/㎥であり、原木市場までの