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森を巡る旅-林業寺子屋その1「郡上八幡でのチェーンソー修行」

林業塾の最終日、速水社長は塾生に一枚のチラシを見せ、「興味がある人は行ってみたら」と仰いました。それは岐阜のNPOが主催する「林業Iターンミーティング」というイベントでした。使命感に燃え、どんな事でも吸収したいと意気込んでいた私は、早速その催しに申し込んだのです。23人の塾生の内、参加したのは私一人

森を巡る旅-速水林業の林業塾その2「FSCジャパン入会」

速水林業の林業塾を受講したことで、もう一つ大きな関りが生まれたのが、「FSCジャパン」です。正式な会の名称は「特定非営利活動法人 日本森林管理協議会」で、速水社長が日本で初めて森のFSC認証を取得したこともあり、森林認証を推進していこうと設立されたばかりの団体でした。FSCは「Forest Stew

森を巡る旅-速水林業の林業塾その1「運命の出会い」

2007年7月に家づくり体験塾を修了した後、私の関心は建築よりも森林・林業に傾いていました。日本中にこれほど森があるのに、どうして住宅のほとんどが外材で建てられるのだろう、その疑問が頭を離れなかったのです。そんな中、書店で一冊の本に出会います。速水林業の現社長、速水亨氏の御父上、速水勉氏の書かれ

森を巡る旅-家づくり体験塾その5「大失敗から学んだもの」

私達が野地板を張った後で、専門の職人さんが屋根を鉄板で葺いてくれました。各地の現場で余ったものを格安で譲り受けたそうで、モザイクのように色とりどりでした。2月には、開口部のサッシやドアの取り付け、外部の壁の下地張りが行われました。ここで私は一生忘れられない大失敗をしたのです。作業分担

森を巡る旅-家づくり体験塾その4「寒風吹きすさぶ野地板張り」

10月に始まった体験塾ですが、回を重ねるごとに参加者同士の絆は深まっていきました。男性が15人、女性が5人くらいだったでしょうか。食事当番は男女とも公平に割り当てられ、その時は仲間と協力して苦手な料理も頑張りました。建築の基礎知識や道具の使い方を学びながら、11月上旬には地鎮祭、コンクリート

森を巡る旅-家づくり体験塾その3「大工さんは凄い!」

この体験塾では、何人もの大工の棟梁が私達を指導してくれました。塾生は安価な大工道具一式を購入し、指金の使い方から墨付けのやり方、ノミやゲンノウの扱い、鋸の挽き方など、一通り教わって実践に移ります。当時宿泊していた古民家は30人近い人が泊まれる広さでしたが、昔の人と現代の私達では水回りの感覚が大違い、

森を巡る旅-家づくり体験塾その2「国産材と外材の違い」

家づくり体験塾のカリキュラムは多方面にわたっており、木造軸組住宅の構造や部材の名称、木材に関する事や、左官や畳、設備についても広く学びました。そこで印象に残っているのが、木材業界では広く知られた、杉・檜・外材を露地に固定し、経年変化を観察した実験です。簡単に言ってしまえば、杉・檜に比べ、外材は腐

森を巡る旅-家づくり体験塾その1「木材伐採のリアル」

私がなぜ国産材振興に拘るのか、時間をかけて説明をしても、中々納得してはもらえません。山林を所有している訳でも、林学を学んだ訳でもない、長く一般企業に勤め、何の専門家でもない私が、なぜ国産材利用推進の先頭に立つなどと大きな事を言えるのでしょうか。その理由と主張を伝えるために、これまでの経験のうち、

春の訪れとスズランの影

通勤途中の道の端に、だれが植えたのか、毎年この時期にスズランが可憐な花をつける。咲いている期間は一週間程度と短いが、心に強い印象を残す。毒があると聞いたことがあり、ネットで調べると、やはり全草に毒を持ち、特に花や根の部分は取扱注意とのこと。動物に食べられてしまわないように、毒で身を守

木材は森の記憶遺産

私たち人間や動物の体は、日々多くの細胞が壊れては新しく生まれ、外見上は何の変りも無いように見えても、中身は置き換わっていきます。生物学者で作家の福岡伸一氏の「動的平衡」という言葉に表されるように、分子レベルでは、半年前の自分と今とでは全く異なっているのです。一方、樹木では生きているのは樹皮に近い

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