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林業ビジネスチャレンジ-渡良瀬林産とエヌケーケー②

栃木県佐野市にある渡良瀬林産は2017年に工場の稼働を開始しましたが、事業の構想はその5年ほど前からあったそうです。当時、飯塚専務はエヌケーケーで集成材事業の再構築を行い、実績を上げていました。そこに、グループのオーナーであるコンチネンタルホームの廣澤代表から、流域の山を再生させる事業に着手するよう

林業ビジネスチャレンジ-渡良瀬林産とエヌケーケー①

「綺麗な工場だな」それはつい先日、栃木県佐野市にある渡良瀬林産を訪ねた時、最初に受けた印象です。そして、敷地内を全て案内された後には、それは印象ではなく、正確に特長を表す形容詞に変わっていました。黒と赤に塗り分けられた、モダンな設備、それは単に新しいから、というだけではなく、見学者に赤は危険な箇所と

森と生きるために-大工の復権③

「大型パネルを道具に、いや武器として使え!」先日行われた大工の会で、塩地氏はそう言って、大工に覚醒を促しました。お前たちは凄い能力を持っている、なのにこのまま安く使われ続けていいのか、文句を言うだけ、耐えるだけで済まさずに、大型パネルを自ら使いこなせ、というのです。大工というのは自称で、多種多様

森と生きるために-大工の復権②

弱い立場で負担を押し付けられ続けた、山と大工、その両方にとって救世主となるのが、大型パネルの技術です。それを開発した塩地氏は、モイスという建材の開発者でもありました。燃えない上に調湿機能もあり、柔軟で耐震性に優れ、しかも使用後に粉砕すれば肥料になる、環境に優しい建築材料ですが、その重量は大工にとって

森と生きるために-大工の復権①

木は生きていて、似たものはあっても、同じものは一つもありません。だから木材は、見た目も強度もバラバラ、扱いを間違えれば曲がったり反ったりする、厄介な材料です。それをうまく見極めて、昔から建築物を建ててきたのが、大工さんでした。もとは高い社会的評価と誇りを持っていたはずの職人集団が、近年は現場作業員の

森と生きるために-多様な個性を生かす

私が16年間見続けた中で感じる、林業の持つもう一つの大きな魅力・可能性について書きたいと思います。私は優秀な人材、先端技術、といった言葉を使って森林連結経営の持つ可能性を説明してきました。しかしそれは一方で、従来の資本主義が振りかざしてきた効率性信仰、強いものが勝つという思想と地続きのものであり、私

森と生きるために-森林連結経営の担い手④

森林連結経営の実践、そして森林直販を実現するうえで、「信頼」は重要な基盤であり、利益の源泉となります。なぜなら、建築サプライチェーンの強化が最大の利益を生み、その実態は全てのデータの共有にあるからです。企業は普通、原材料の価格や量、製品の販売先ごとの単価、人件費などを公にしません。収入も損失も、隠す

森と生きるために-森林連結経営の担い手③

従来の資本主義は、果てしなく横に広がる経済です。最安値の原料を探して大量に作り、欲しい顧客がいればどこまでも運びます。それがイノベーションを生み、圧倒的な富の源泉となってきました。何万点もの複雑な部品を組みたてる自動車産業や、数百万通りの実験やデータ解析から有効な成分を作り出す製薬など、その手法が適

森と生きるために-森林連結経営の担い手②

森林連結経営の担い手として提案したいのは、山主・木こり・製材・大工(工務店)・不動産といった人々が、垂直統合組織を作ってオープンな経営を行うことです。森林が利益をもたらすなら、再生産を考えるのは当然でしょう。採算の見込めない場所は別として、適地への再造林を高値での原木買い取りの条件とする、垂直型の組

森と生きるために-森林連結経営の担い手①

山と生活者を最短距離で結ぶ「森林直販」の実現、そしてバイオマスへの安定的な燃料供給と併せ、山の価値を最大化して維持することを目的とするのが「森林連結経営」です。ではそれを実際に行うのは、どんな人達なのでしょうか。森林組合は山主を構成員とする共同組織ですが、補助金に頼る運営が長く続いた結果、多くが

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