九州には杉の品種が多い、本州では杉はほぼ一括りにされていて、秋田杉とか天竜杉とか言われるのは産地の名前だ。その地に適して成長が良く、材質も優れたものが選ばれてきたのだとすれば、他の地域の杉とは遺伝的性質も違っているだろう。少花粉杉を含め、その土地ごとに合う品種を提供しようする苗木業者さんは、もちろん
深まる秋は、命を支える恵みのことを考えさせる。頭(こうべ)を垂れる稲の穂、甘い果実を実らせる梨やリンゴ、広葉樹はドングリを落とし、草も無数の種を風に散らせる。やがて来る冬に備えて、多くの生き物がそれを糧にして栄養を蓄える。地球上の多くの場所には、四季や、雨季と乾季といった循環する気候の変化があり、そ
林業現場のドローンは、計測よりもまず運搬で活躍するかもしれない。最近、林業ICTの進捗について様々な方にヒアリングさせて頂いているが、ドローンで取得した映像やレーザデータを森林管理に生かす道はまだ険しいようだ。比較的規模の大きい森林組合や林業事業体、小さくてもICTに関心のある事業者は、普通にドロー
林業の労災保険料率は全産業の中で最も高い。毎年、厚生労働省が発表する料率のリストを開くと、一番上に林業の60という数字が表示される。1,000分の60、つまり6%だ。他の産業を見ると、鉱業や建設業の一部の事業ではそれを超える率があるが、産業全体では断トツに高い。農業は1.3%、危ないように感じる漁業
自宅のテレビのリモコンがBSから地上波に切り替わらなくなった。契約している会社のアプリを開き、「お困りごと」の項目で解決法がないか探してみたが、BS/CSが見られないという項目はあっても、地上波に戻せないという事例はない。それでチャットボットによる相談、というボタンを押してみる。するとこちらが文字を
森林組合と素材生産事業者はどのような関係にあるのだろう。ちなみに、素材生産とは木を伐採して一定の長さに切り、木材として販売する事業者のことだ。林業に関わる会社にも様々な業態があり、森林組合のように伐採後の地拵え・造林・育林まで一貫して行う会社もあれば、最近は造林に特化した会社も増えてきている。中
森林にデジタル人材を呼び込み、林業の見えない壁を飛び越えよ。昨日の投稿を読んだある方から、良い話だが結びが抽象的過ぎるのではないかとメッセージを頂いた。足して二で割る、誰も傷つかない意見では本当に社会を動かすことはできない。何かを変えたいなら、批判を恐れずブレない主張を打ち出すことだと。それで言
若い林業技術者に話を聞いた。地元出身で、伝統的な林業地域の大学校に二年通った後、自分の親も働いていた今の会社に就職したそうだ。林業は地域ごとに全く違うので、学んだ内容が必ずしも地元で活かせる訳ではない、だから早めに戻ろうと思ったという。彼が勤めて5年ほどになる会社は、社長が保有する1,000ha
山で働く人の賃金はいくらぐらいなのだろう。令和4年度の林業白書には、月給制の従業員は増えつつあるがまだ29%程度とある。林業従事者の年間平均給与は約343万円で、全産業平均よりも100万円程度低い。勤務地が都市部でなく生活費の安い地方だとしても、常に他産業との労働力の奪い合い
伐ることは機械化できて儲かるが、植えて育てることはずっと難しい。特に、植えることよりもその後の世話の方が遥かに大変だ。ウッドショックで木材の価格が急騰した時も、簡単に生産量を増やせなかった理由の一つは、伐った後の再造林の目途が立たないからだ。昨年300haに植栽を行ったというある森林組合では、そ