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森と生きるために-山長グループの大型パネル工場①

和歌山県の田辺市に本社を置く山長商店、その歴史は古く、ホームページによれば江戸時代末期から育林事業を始めたとあります。所有する6000haの山林やその周辺地域から丸太を伐り出し、製材・乾燥させ、プレカット工場で加工し、住宅建設の現場に納品する、一貫生産を手掛ける老舗の企業グループです。山長材と言

森を巡る旅-木材コーディネイト基礎講座②

2019年の12月、国材コーディネイト基礎講座の二回目の演習が、前回と同じ飯能で行われました。ほぼ一日、製材所や屋外で過ごすので、防寒対策を厳重にするよう注意がありました。私はもともと寒がりなので、言われずとも人より多く着込んでいくのですが、この時はそれでも足りず、使い捨てカイロをもらって背中に貼っ

森を巡る旅-木材コーディネイト基礎講座①

3年ほど前、兵庫県にあるNPO法人の主催する「木材コーディネイト基礎講座」を受講しました。この団体は10年以上前からこの講座を開催していましたが、場所が丹波市という遠方だったため、10万円を超す受講料と交通費・宿泊費の負担、そして休みを取る日程調整の困難さで諦めていたのです。この年は、初めて東京での

森と生きるために-木造高層ビル

先日、大手保険会社が、丸の内に高さ100メートル、地上20階の木造高層ビルを建てるというニュースが流れてきました。昨年、公共建築物等木材利用促進法が改正され、対象が民間の建築物にも広がったことや、企業がSDGs・ESG投資といった考え方を重視するようになったことなどから、国産材を使おうとする機運が高

森と生きるために-森林列島再生論

9月上旬に、ずっと準備を進めて来た本が日経BPから出版されます。ECサイト上の予約受付も近く始まる予定で、書籍のタイトルは「森林列島再生論」。昨年の秋にウッドステーションの塩地会長が構想し、当初は筆者というより専門家と読者の橋渡しをする「森林添乗員」としての役割を打診され、最終的には自分の目線で一章

森と生きるために-業界の新陳代謝②

林業・木材業で、情熱を持って取り組んでいた人が、諦めたように他の業界に移っていく、それは組織や人の新陳代謝が進まず、業界全体が硬直化しているからではないか、と私は感じます。それは日本中で起きていることで、林業・木材業に限ったことではない、と言う声があるかもしれません。しかし、例えばNHKのニュースで

森と生きるために-業界の新陳代謝①

私は今年の4月、新しく設立された会社で働き始めると同時に、本名ではなくペンネームで活動することを決めました。それまで自分の歩んで来た道が、当初の志とは違う、本筋ではない方向へ迷い込んでいたことに気づき、その原因となった自分の甘えに決別したかったからです。これまでご縁のあった多くの人とのつながりを失う

森と生きるために-ヘルスツーリズムの進化

旅行会社のグループ企業に勤めていた時、私は一時期ヘルスケア事業に関わっていて、人間ドックの予約や精算代行、検診データの集約などの業務を行っていました。そんな関係もあり、ヘルスツーリズムには自分でも関心があったほか、それを開発する地域の方からのお声がけも頂いて、広島や岡山、長野など、各地のモニターツア

森を巡る旅-信濃町の森林セラピー

森林・林業にハマってしばらく経った頃、始めたばかりのSNS上で、「森林セラピーの一環として森林整備の作業を行う」という言葉が目に飛び込んできました。当時は間伐遅れの林を何とかしなければ、という思いが強かったものの、「森林セラピー」という新しい分野と森林整備を結びつける発想が新鮮で、すぐにその発信者に

森と生きるために-ウッドデザイン賞

今年のウッドデザイン賞の応募締め切り日が迫ってきました。去年は大型パネル生産技術の応募に関し、ほんの少しですがお手伝いしました。見事、林野庁長官賞を受賞したと聞いた時は、嬉しい反面、もっと力になれていたらと後悔もありました。私はそれ以前に、ある木材製品について、ウッドデザイン賞の応募を代行したことが

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