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林業ビジネスチャレンジ-「この木どこの木?」キャンペーン

2017年に静岡県掛川市にある「事任八幡宮」を訪れ、私は自分の行いと望みを、日本の行く末のあるべき姿の実現に重ねようと決心しました。その具体的な方法を考え続けるうちに、自分にできる行動として、「この木どこの木?」と問いかけるキャンペーンをしかけてみようと思ったのです。このフレーズは、誰でも知って

森を巡る旅-「事任八幡宮」

静岡県の掛川市八坂にある、「事任八幡宮」(ことのままはちまんぐう)は、御柱際で有名な諏訪大社と、修験道場として名高い戸隠山とを結ぶ一直線上に建つ、由緒ある神社です。公式ホームページによれば、西暦131年から190年頃という遠い昔に創建され、807年に、坂上田村麻呂が東征の際、勅命を受けて再興し、

森を巡る旅-「山田旅館」

長野県小谷村、妙高戸隠連山国立公園の標高850Mの山腹に、山田旅館は建っています。江戸、明治、大正、平成とそれぞれの時代に建築された建物が軒を連ね、うち6棟が登録有形文化財になっています。江戸時代に作られた本館は今も客室として使われており、文化財に泊まることができる、珍しい宿なのです。川中島の合

木々に寄せて-その10「楠」

楠と聞くと、その漢字からして温かい地方の樹木というイメージですが、関東では街路樹に多く、私の住む街も、勤め先のビルの傍にも、楠の武骨な幹がそびえ立っています。時に、丸坊主に見えるほど強度に剪定されることがありますが、数か月後には再び枝を伸ばし、緑の葉で覆われ、その生命力の強さに感嘆します。常緑広葉樹

木々に寄せて-その9「黒文字」

森の中には、高木になる木ばかりでなく、低木でも存在感を発揮する木が沢山あります。中でも私にとって思い出深いのが「クロモジ」です。箱根の山中に多く自生していて、ゴールデンウイークの時期に黄色い花を咲かせるため、自然解説の中で必ずとり上げる定番の樹木でした。雌雄異株であり、雌雄どちらも散策路のすぐ脇にあ

木々に寄せて-その8「楢」

楢というのは、クヌギやミズナラ、カシワなど、コナラ属の落葉広葉樹の総称だそうです。箱根にはミズナラが多く自生していて、葉の形から見分けもつきやすく、自然解説の折にも馴染み深い樹木でした。落ちていた葉を鹿の角に見立てて、子供達の笑いを誘ったことも、懐かしい思い出です。そんな私が家を新築した時、奮発

木々に寄せて-その7「欅」

新緑の季節はどんな木も瑞々しい衣装を身にまといますが、欅のそれは殊に人目を引く、格別の美しさだと感じます。互生する新しい葉をつけた沢山の枝が一斉に四方に伸び、その微妙に異なる緑の濃淡が重なり合って風に揺れる様子は、ずっと見ていたいと思うほどです。そんな思いは多くの人に共通していたのでしょう。仙台

木々に寄せて-その6「橅」

箱根でパークボランティアの研修を受けた時、ブナが木偏に無と書いて「橅」とされるのは、材が腐りやすくて役に立たないからだと教えられました。大木になるのに建築などにはあまり使われない、残念な木だと思いましたが、同時に「緑のダム」という言葉も聞きました。山に雨が降った時、大量の葉でそれを受け止め、雨水が一

木々に寄せて-その5「栗」

「栗」と聞けば食用の栗を思い浮かべますが、「栗の木」と聞くと、多くの人は何を思うのでしょうか。私は鉄道の枕木を思い出します。幼い頃、線路のすぐ傍に住んでいたことがあり、列車が通過する時の振動や音、近くの踏切の様子も微かな記憶として残っています。森林や林業に関心を持つようになってから、レールを支えてい

木々に寄せて-その4「柳」

柳という一文字を聞けば、ほとんどの人はシダレヤナギを思い浮かべるでしょう。池の周りなど水辺に多く、夏の暑い時期に、その風に揺れる様は見た目にも心地よいものです。実際に日本の柳は水分の多い土壌に強く、水害などで流されても、その倒れた幹から容易に芽を出すことで、河畔に多く自生するようです。上高地に行った

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