先日、「文化遺産を未来につなぐ森づくり会議」の総会がオンラインで開催されました。議事が終了した後、文化財の修復等に必要な大径材(太い丸太)の生産を担っていただく、幾つかの林業家についての調査報告がありました。日本の森林には200万戸を超える所有者がいて、その7割は1ヘクタールに満たない小規模所有
昔、箱根で仲間と共に山の斜面を歩いていた時、急に強い風が吹いてきてみんなの足を止め、しばらく経つとまた嘘のように静かになったことがあります。その時、博学な男性が「気圧の谷の通過かな」と言うのを聞き、真偽のほどは別として、胸が高鳴ったのを覚えています。ネットで調べると、「高気圧に覆われていても、上空を
先日、大型パネルで伝統軸組工法のプレファブ化を進めるウッドステーションに、テレビ局の取材が入りました。撮影クルーの到着が予定より遅れ、たまたま打ち合わせで訪れていた私は、少なくなった社員の埋め合わせとして、その場所に居続けることになりました。金具とピンが打ち込まれた柱のサンプルを指差しながら、知人と
幼稚園から大学まで、私は静岡県東部の清水町という町で育ちました。よく昔の清水市と間違われ、「ああ清水の次郎長ね」と言われますが、旧清水市は中部にあり、今は静岡市清水区になっている別の街です。それまで沼津市の港湾地区に住んでいた父は、隣町の清水町に造成された新興住宅地の土地を買い、そこに自分で間取
私の故郷、静岡県駿東郡清水町は、その名のとおり、清流の流れる町です。柿田川湧水群と呼ばれる泉は、富士山の伏流水が数十年の時を経て湧き出し、その量は一日に約100万トンにものぼります。柿田川はこの湧水を源流として狩野川に注ぐ、全長1.2キロの、日本で最も短い一級河川です。水温は年間をとおして15度、四
SDGsは、2015年に国連で採択された17項目の目標です。私たち人類がこの地球で生き続けていくために、各国が2030年までに達成することを目指しています。その中で森林は、安全な水、クリーンなエネルギー、気候変動対策、陸の豊かさなど、多くの項目と深い関りがあります。そして大事なことは、その目標の達成
一年近く前になりますが、中学の時のクラスメイトから、来年7月の高校の同窓会で、記念講演をしてもらえないかと依頼がありました。コロナ以前、久しぶりに開催したクラス会で、私が「この木なんの木?キャンペーン」について熱弁をふるったことがありましたが、彼はそれを覚えていて、私に連絡してきたのです。聞けば
渡良瀬林産とエヌケーケーを含む企業グループは、渡良瀬流域川流域の森林を生かし、未来につなげていくことを、企業理念や事業目的に掲げています。グループの渡良瀬森林開発は、周辺の道路にいくつもの大きな看板を出し、担当者の顔写真を掲示して「山を買います!」と呼び掛けています。栃木県内で、杉・檜の植栽され
栃木県佐野市にある渡良瀬林産は2017年に工場の稼働を開始しましたが、事業の構想はその5年ほど前からあったそうです。当時、飯塚専務はエヌケーケーで集成材事業の再構築を行い、実績を上げていました。そこに、グループのオーナーであるコンチネンタルホームの廣澤代表から、流域の山を再生させる事業に着手するよう
「綺麗な工場だな」それはつい先日、栃木県佐野市にある渡良瀬林産を訪ねた時、最初に受けた印象です。そして、敷地内を全て案内された後には、それは印象ではなく、正確に特長を表す形容詞に変わっていました。黒と赤に塗り分けられた、モダンな設備、それは単に新しいから、というだけではなく、見学者に赤は危険な箇所と