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森と生きるために-遅すぎるツバメの子育て

昨夜、所用で訪れたJR総武線幕張駅の構内に続く階段で、ピーピーと鳴く声がする方向を見上げると、何とこの時期にツバメのヒナが巣から顔を出しています。親鳥も付近を飛んでいて、虫を捕えてはヒナに運んでいました。親鳥が近づく度に、3羽のヒナが一斉に細い首を伸ばして餌をねだる様子はとてもたくましく、時期外れと

森を巡るショートトリップ-枯れ木の役割

毎年購入しているカレンダーの8月は、青い湖の中にカラマツの枯れ木が並ぶ、ちょっと変わった光景です。枯れ木が湖の中に立っているのは、ダムの建設で水没したか、山が崩れて川をせき止め、一帯が湖になったものでしょう。上高地の大正池が有名でしたが、少しずつ倒れて、近年はほとんど無くなったと聞きます。アマゾン川

森と生きるために-木造住宅の需要

「住宅が建たないから、市場で木が売れないんだと思ってました。違うんですね。」これは最近、都市部の木材市場で働く男性から聞いた言葉です。恐らく、住宅に使う製材品は地方の製材工場から直接プレカット工場に向かい、そこで加工されて建築現場に納品されるので、都市部の木材市場を経由することはほとんど無いでしょう

森と生きるために-森林での放牧

昨日は馬の事を書きましたが、今日は牛を森で放牧する試みについてです。10年以上前になりますが、環境系のコンサル会社が中心になって、乳牛を森林で放牧し、採れた牛乳をブランド化して販売する試みがありました。牛が人工林の草を食べれば、必要な下刈りの労力を省くことができます。森を歩き回ることで足腰を鍛えた健

森と生きるために-馬と人のつながり

所要で神奈川に行く途中、錦糸町で降りる人々の中に競馬ファンらしい男性を見て、かつて訪れた岡山の吉備中央町を思い出しました。そこにある乗馬クラブでは、引退した競走馬を引き取って、普通の人が乗りこなせるよう再訓練(リトレーニング)していました。競走馬は引退後、強ければ種馬としての余生がありますが、そ

森と生きるために-変化への対応

林業や木材業の現状について、深く知ろうと調査を進めると、数年前、時には半年前の事実が今では大きく変わっていて、驚くことがあります。企業名はそのままでも業態が全く異なっていたり、昨年まで原木の3割を県外から購入していた製材工場が、今ではほぼ地域材で需要を賄えるようになるなど、ウッドショックの影響もあっ

森と生きるために-林地の集約化

ずっと準備してきた「森林列島再生論」が9月初めに出版される予定です。校了の時点でやれる事は全てやったと思っていても、やはり後から「これも書きたかった」と思う内容が浮かんできます。その一つが、あまりに細かく分かれたままの、日本の森林の所有形態の問題です。日本政策投資銀行の方が、日本の森林の所有者は約2

森と生きるために-気候変動と木材

ヨーロッパに生育する樹木の種類は、アジアや日本に比べてかなり少ないそうです。その原因は、何度も訪れた氷河期に多くの樹種が生き残れず、数が減ってしまったからだと言われています。日本の場合は、南北に細長い地形のため、緯度では北海道がイタリアやスペインなどヨーロッパ南部、九州はモロッコやアルジェリアなどア

森と生きるために-気候変動と住宅性能

「家の作りやうは、夏をむねとすべし」とは、良く知られた徒然草の一文です。冬はどんなところにも住めるが、夏に暑い家は耐え難い、と続きます。吉田兼好が住んでいた京都は、昔から冬寒くて夏は暑いところと言われていましたし、それ以外の地域でも、障子や襖を開け放てば風が通るように、家の向きなどを工夫して建ててい

森と生きるために-山長グループの大型パネル工場②

長い歴史を持つ山長グループが、もともと集成材を原則とする木造大型パネルの工場を自ら手掛ける。その目的は「国産材復権への挑戦」ではないか、私はそう考えました。歴史のある企業は、変化への対応力に優れた企業でもあります。社会が大きく変わり、しかもこの30年間、木材の価格がずっと下がり続けてきたにもかかわら

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