文月ブログ

山を持つということ

山主さんってどんな人だろう?昔は材木が高値で売れたから、広大な森林の所有者は大富豪だった。一雨降るごとに木が太って財産が増える、そんな表現をした山林王もいた。しかし今は木材の価格が下がり、先祖からまとまった面積の森林を受け継いだ人達も維持に四苦八苦している。知人のある林家さんは十数haの土地持ちだけれど、一か所にまとまっているのは大きくても1ha、他は数十筆に分かれている。ご先祖は台風や山火事、虫や病気で全滅するのを恐れ、所有地を細かく分散させたのだろう。新たに道をつけたくてもそこは他人の土地、所有者がわからないことも多い。ましてや日本の森林所有者の7割は1ha未満の土地しか持っていない。大した価値もなく、土地登記の義務もなかったから長いこと放置され、持ち主どころか境界もわからなくなっている。
マンション建て替えの是非で揉めることが多いように、区分所有には後になって出てくる問題を先送りにする性質が潜んでいる。山は誰のものか、どうすれば森林を富として次世代に渡せるのか、人口の激減はそれを考え、変化を起こす契機でもある。

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