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森と生きるために-業界の新陳代謝②

林業・木材業で、情熱を持って取り組んでいた人が、諦めたように他の業界に移っていく、それは組織や人の新陳代謝が進まず、業界全体が硬直化しているからではないか、と私は感じます。それは日本中で起きていることで、林業・木材業に限ったことではない、と言う声があるかもしれません。しかし、例えばNHKのニュースで

森と生きるために-業界の新陳代謝①

私は今年の4月、新しく設立された会社で働き始めると同時に、本名ではなくペンネームで活動することを決めました。それまで自分の歩んで来た道が、当初の志とは違う、本筋ではない方向へ迷い込んでいたことに気づき、その原因となった自分の甘えに決別したかったからです。これまでご縁のあった多くの人とのつながりを失う

森と生きるために-ヘルスツーリズムの進化

旅行会社のグループ企業に勤めていた時、私は一時期ヘルスケア事業に関わっていて、人間ドックの予約や精算代行、検診データの集約などの業務を行っていました。そんな関係もあり、ヘルスツーリズムには自分でも関心があったほか、それを開発する地域の方からのお声がけも頂いて、広島や岡山、長野など、各地のモニターツア

森を巡る旅-信濃町の森林セラピー

森林・林業にハマってしばらく経った頃、始めたばかりのSNS上で、「森林セラピーの一環として森林整備の作業を行う」という言葉が目に飛び込んできました。当時は間伐遅れの林を何とかしなければ、という思いが強かったものの、「森林セラピー」という新しい分野と森林整備を結びつける発想が新鮮で、すぐにその発信者に

森と生きるために-ウッドデザイン賞

今年のウッドデザイン賞の応募締め切り日が迫ってきました。去年は大型パネル生産技術の応募に関し、ほんの少しですがお手伝いしました。見事、林野庁長官賞を受賞したと聞いた時は、嬉しい反面、もっと力になれていたらと後悔もありました。私はそれ以前に、ある木材製品について、ウッドデザイン賞の応募を代行したことが

森を巡るショートトリップ-花屋の苦労

私が小学校高学年の頃、大企業に勤めていた父が突然会社を辞め、自宅を改装して園芸店を始めました。植木や草花、肥料だけでは売り上げは伸びず、近くに花屋が無かったことから、生花も扱うようになったのです。サラリーマンの家に生まれたはずが、途中から個人商店の娘になり、「いらっしゃいませ」という挨拶や店番の仕方

森を巡るショートトリップ-サルスベリ(百日紅)

サルスベリは夏から秋にかけて花を咲かせる木です。リョウブやヒメシャラと同じように、コルク質が剥がれて表面がツルツルなので、猿も登れないということからこの名前がついています。父が申(サル)年生まれだった我が家では、猿が滑るというのを嫌って、百日紅(ひゃくじっこう)という別名で呼んでいました。一本の

森と生きるために-信州大学訪問②

信州大学農学部の森林計測・計画学研究室で、加藤正人先生と学生さん達が成し遂げた研究は、精密林業計測株式会社というベンチャー企業の事業として活用が始まっています。会社を立ち上げて5年、主に自治体向けのサービスとして着実に実績を上げてきましたが、一方で先の展開が見えない、行き詰まりに直面してもいるようで

森と生きるために-信州大学訪問①

2022年7月下旬、私は長野県伊那市にある信州大学農学部のキャンパスを訪れました。テレビ局が制作する番組のため、ウッドステーションの塩地会長が信州大学の加藤正人先生を訪ねる形で、その研究を取り上げる取材に同行したのです。農学部のキャンパスは、中央道の伊那インターを降りたすぐそばにあります。乗用車で通

森を巡るショートトリップ-赤毛のアンの家

孤児だったアンが引き取られたマシューとマリラの家は、「グリーンゲイブルス(緑の切妻屋根)」という名前でした。切妻屋根は、本を開いて伏せたような山形の形状で、シンプルですが雨や雪に強く、世界中に見られるもののようです。欧米では個人の家にも名前をつけるのだなと、初めて読んだ少女時代には強い憧れを抱いたも

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