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森と生きるために-森林連結経営の担い手②

森林連結経営の担い手として提案したいのは、山主・木こり・製材・大工(工務店)・不動産といった人々が、垂直統合組織を作ってオープンな経営を行うことです。森林が利益をもたらすなら、再生産を考えるのは当然でしょう。採算の見込めない場所は別として、適地への再造林を高値での原木買い取りの条件とする、垂直型の組

森と生きるために-森林連結経営の担い手①

山と生活者を最短距離で結ぶ「森林直販」の実現、そしてバイオマスへの安定的な燃料供給と併せ、山の価値を最大化して維持することを目的とするのが「森林連結経営」です。ではそれを実際に行うのは、どんな人達なのでしょうか。森林組合は山主を構成員とする共同組織ですが、補助金に頼る運営が長く続いた結果、多くが

森と生きるために-大型パネルによる森林直販

これまでの日本の木材生産・流通は完全なプロダクトアウトでした。買い手を探してどこまでも運び、買い叩かれることを繰り返してきたのです。在来木造に使われる部材の種類の多さは在庫量を膨らませ、利益は輸送コストに消えていきました。最終製品までに多くの事業者の手を経る必要から、製材品の質に対する責任はとことん

森と生きるために-点の成功を面へ

私は2007年からの15年間、様々なセミナーや講習に参加し、日本の各地を訪ねて多くの人に教えを乞うてきました。FSCジャパンや、「文化遺産を未来につなぐ森づくり会議」などの団体にも参加し、森林再生に少しでも貢献する方法を探ってきたのです。一般企業で経理や営業管理を担当する日々の中、週末や有給休暇を使

森と生きるために-原木生産量の推定

書籍のための原稿を書こうとすると、数字の根拠や出典をいかに厳しくチェックされるか、それを肌で感じたことは大きな学びでした。ブログは気楽なもので、間違いに気づいたり指摘をいただいたりした場合、後で修正することも可能です。そもそも、自分一人で書いているので、恥をかくのも自分だけです。しかし書籍は訂正がで

林業ビジネスチャレンジ-NPO法人設立その2

2019年の初冬、自分達の行動が社会にどうインパクトを与えていくのか、それを体系的に表すロジックツリーと呼ばれる関連図を、私は苦労して書き上げました。その中で考えたのは、林業や木材産業の関係者だけでは問題は解決できない、花粉症という、ある意味タブーな言葉を使ってでも、多くの人の関心を引き付け、資金や

林業ビジネスチャレンジ-NPO法人設立その1

2019年の秋、私はある経営者団体の総会にオブザーバーとして参加しました。その団体は、企業活動を通じて社会課題の解決をしていくことを理念に掲げており、「この木どこの木?」キャンペーンなど私の活動を知った知人が誘ってくれたのです。当時も森林を巡るビジネスに関心を持つ人がかなりいたのですが、林業・木

森を巡るショートトリップ-カレンダーの景色

私は毎年、ある山岳雑誌の出版社のカレンダーを購入しています。一日の朝、カレンダーをめくる時は、いつもワクワクします。不思議と、自分にとってどんな月になるのか、あるいは自分がすべき事などが、その月の風景に現れている気がするからです。例えば、2018年の8月は、一面に広がる湖上からの景色でした。私は

森を巡るショートトリップ-絵画の森の少女

私の家の寝室には、一枚のリトグラフがかかっています。茶色と白のモノトーンで、深い森の中にいる少女が、キリっとした表情で斜め45度の方向を見つめています。片手の指には小鳥がとまり、もう片方の手で金属の環を持っています。その輪の中には、銀河や恒星が描かれているように見えるのです。この絵を買ったのは、

林業ビジネスチャレンジ-異能異才セミナー

2019年の秋、以前勤めていた旅行会社グループで、多様性を認め合い、働きやすい会社を作るキャンペーンがありました。そのイベントの一つに「異能異才セミナー」という催しの告知があり、目にした私は迷わず応募したのです。本来の仕事とは関係が無いけれど、趣味や副業で、人には無い特殊な技能・才能を持っている人に

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