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森と生きるために-2×4(ツーバイフォー)国産化に向けて

2023年の年明け早々、日刊木材新聞に、2×4建築資材製造大手のウイングと、木造軸組建築用大型パネルを製造販売するウッドステーションの提携記事が大きく掲載されました。この記事ではわずかに触れられただけですが、両社はこれまで外材に頼ってきた2×4の資材を国産化していくことも前向きに検討しています。

森と生きるために-信州大学での新たな挑戦

2023年1月4日、信濃毎日新聞の一面に、「デジタル在庫で木材受注生産」と題した記事が掲載されました。副題には「ドローンやAI活用 使える立木の情報収集」「価格安定 持続可能な林業へ」という文言が続きます。本文は、この事業を手掛ける信州大学農学部の加藤正人先生への取材を基に、AIなど最新技術を駆使し

森と生きるために-木材流通の転換点

2021年、新型コロナウィルスの蔓延による世界的な物流の混乱をきっかけに、ウッドショックと言われる木材の不足・高騰が始まりました。外材の輸入が止まり、影響を受けるのは梁桁が中心のはずが、木材在庫が少なくなっていたタイミング、相場取引という慣習や先行き不安により、国産の合板や羽柄材なども大きく値上がり

森と生きるために-広葉樹の森の生かし方

12月の上旬、旅行会社の知人の紹介で、高松市の塩江町でFAMツアーに参加してきました。FAMツアーはFamiliarization(ファミリアライゼーション) :慣れ親しむ、から来る言葉で、観光地が商品造成や誘客のために専門家や人気インフルエンサーなどを招待して実施する視察ツアーのことです。私自身は

森と生きるために-ツーバイフォー(2×4)工法を学ぶ

木材は建築以外にも家具や木工品、紙やバイオマスなど多くの製品に使われます。しかし取引価格が最も大きいのは、住宅・建築に使われる製材品や合板向けの木材です。ですから、山の維持管理に必要な木材価格を実現するためには、出口とか川下と呼ばれる、住宅その他の建築について知ることが欠かせません。木造と言えば

森と生きるために-森林と建築の連携最前線

2022年11月15日、大分県の佐伯広域森林組合の皆さんが、地元の製材や工務店など多くの関係者と共に新潟県長岡市を視察に訪れました。直行便などあるはずもなく、皆さん早朝に大分を出て羽田に飛び、大型バスに乗って途中で木造住宅の建築用金物を製造するメーカーを視察した後、長岡入りされました。そうして迎えた

森林直販の具体化

森林列島再生論において、私は山の資源情報と建築の部材データを連動させ、中間流通を省いて直接施主に販売する「森林直販」を提唱しました。その具体化に向けたプロジェクトが、信州大学の加藤研究室とウッドステーション株式会社を中心に動き始めました。山の資源情報の詳細な捕捉は、ドローンや地上レーザーを利用した計

森と生きるために-木材の地域内利用の難しさ

先日、東北のある地域の建築関係の方々が、森林列島再生論を読んで触発されたと、ウッドステーションを訪れました。私も著者の一人として会合に出席し、その方々の悩みを伺うことになったのです。その地域では、豊富な森林資源を生かし、地域内での連携や有効活用を図ろうと協同組合を結成し、木材関連事業所を近くに集

森と生きるためにー災害復興と住宅

短い秋からいきなり冬になる予感がするこの頃、頑丈で温かい家に住んでいる自分の幸せを改めて思う話を聞きました。東日本大震災やその後の災害でも仮設住宅が多く作られましたが、その品質が人間性を無視した劣悪なものだったというのです。長く居つかれては困るという理由から、薄い壁は冷暖房の効率が悪く結露でカビが酷

森と生きるために-書籍から拡がる世界

森林列島再生論の出版から2か月が経ちました。最初はただ書店に並ぶのを見るだけで嬉しく、知人の感想や通販サイトのレビューに一喜一憂していましたが、ここに来て大きな変化が起きています。一つは本を読んだ方からのビジネスの引き合い、もう一つは自分が信州大学に招かれ、来年から農学部伊那キャンパスで勤務すること

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