CONTENTS

林業とネイチャーポジティブの両立

日本ではネイチャーポジティブと林業振興は両立する。むしろネイチャーポジティブに林業は欠かせないと言ってもいい。何を唐突にと思うかもしれないが、早いうちにそれをしっかり主張しないと、割り箸が環境破壊の象徴のように扱われた過去の轍を踏むことになる。今の日本で起きていることと、諸外国で進む開発による生

C4植物と闘う苗木達

タンザニアのセレンゲティ国立公園は、四国ほどの面積にライオンやヒョウなど4.000頭を超える大型肉食獣が高密度で生息している。それはヌーやガゼルなどの草食動物が300万頭もいるからだ。動物達の命を支えているのは、イネ科など成長の早いC4植物だ。光合成で作られる初期生成物が炭素3つでできているのがC3

人手不足が促す技術革新

人手不足が私達の暮らしにも迫りつつある。ニュースや新聞で報じられ、知識として知っているという範囲を超えて、より身近に感じられるようになってきた。先日宿泊したホテルでは、二次会のカラオケルームがアルコール類の提供を含め完全にセルフサービスになっていて、従業員は全く姿を見せなかった。待つ必要が無く、

平澤林産のユニークな林業

沖縄で、首里城正殿の復元に向け、柱を立てる作業が始まった。この柱のうち2本は長野県駒ケ根市の木材だそうだ。生産したのは、補助金に頼らない経営で地元では有名な会社である。以前社長に話を伺った時、木は育つのに長い時間がかかるのだから、安易には伐りたくない、高く売れる木を選んで周囲の残存木に傷を付けずに集

木の使われ方で変わる山側の利益

最近、カーボンニュートラルやSDGsをキーワードに、産業界が都市の木造化を進めている。良い事には違いないが、どんな木を使うのか、その調達が山側にどんな影響を及ぼすかというところまで突き詰めて検討されているのか、そこは良くわからない。一方、もう少し丁寧に林業の実情を知った上で建築を考えようという、山に

意外と知らない「杉」のこと

杉は北海道の一部を含め、本州以南に広く自生、あるいは植えられた日本固有の針葉樹です。多くの品種がありますが、九州以外では「杉」と一括りで語られることがほとんどです。戦後の拡大造林期に一斉に植えられたため、どこにでもあるありふれた木ですが、地域や場所によって、育ち方が全く違うことは意外と知られていない

北庄内森林組合

山形県内の、前回とは別の森林組合の方にお話を伺った。管理面積は約12,000ha、組合員は6,600名という小口所有者の多い組合だ。山仕事に携わる人員は30名だが、年間の出材量は10,000㎥前後とそれほど多くは無い。聞けば、海岸の黒松林に松くい虫被害が多く、1月~6月の半年間は市町村からの委託

木造マンションのインパクト

木造4階建てマンションの構造見学会に伺った。場所は千葉市内の閑静な住宅街。敷地に近づくと、鉄筋の足場の内側にそびえ立っているのは、鉄骨や灰色のコンクリートではなく茶色の木造建築だ。ワクワクしながら中に入ると、ロビーの広い空間にわずかに鉄の梁が使われている以外、見渡す限り全て木材でできた空間が広がって

森と一体になる日

「対象との距離感が大事。」「海に入る時はいつも、お邪魔しますと心の中で呟いている。」50年以上ものキャリアを持つ水中写真家の中村征夫氏の言葉だ。驚いたのは、中村氏が沖縄の美しいサンゴ礁と共に、東京湾での撮影を長く続けていることだった。工業地帯が続く袖ヶ浦市の岸壁のすぐそば、ほとんど視界の効かない

中古住宅の未来

パワーショベルやクレーンなど中古の建設用重機が海を渡っていく。新品を買えば数千万円する機械が数百万円で買えるので、修理して海外に移送すれば十分利益が見込めるらしい。オークションには東南アジアだけでなく、アメリカやオーストラリアなどからも多数のバイヤーが集まるそうだ。日本の中古車も海外で人気があるし、

TOP