文月ブログ

森と生きるために-量から質へ

4月末から今日まで120日、一日も欠かさずブログを書いてきました。当初はまだ書籍の原稿を書いている最中で、筆力に自信の無かった私は、少しでも力をつけようとブログも並行して書いていたのです。量が質に転じるということは多くの書籍や記事で目にしていたので、時間的には厳しくても迷いはありませんでした。
書籍の原稿は、最初に書いた「旅を終えて」を丸ごと書き直すことになり、苦闘する中で次第に自分なりの表現ができるようになっていきました。すると、ブログの文章も徐々に評価して頂ける内容になっていったように思います。
過去の自分の経験をもとに、一回に1300~1600文字を書いていましたが、それではすぐネタが尽きるぞ、と助言も受けていました。そのとおりだとは知りつつ、ネタを小出しにしてもいつかは尽きるのだから、今は量を書くことを優先しようと思ったのです。
最近、自分の経験した事だけでブログを書くことは、正直難しくなってきました。疑問に思ったことなどを調べて書こうとすれば、やはり時間がかかります。書籍の出版が間近になり、講演依頼やプロモーションなども増えてきました。これからは、毎日書くということにこだわらず、後に残るような内容を、調査・熟考を経て書いていこうと思います。あまり堅い内容ばかりでは読んでいただけませんし、時には軽い文章も交えながら。
日本の林業は近年、木材産出量を増やす方向に向かってきたと言われます。適切な森林の更新には一定の面積の皆伐・再造林が必要なのは確かですが、実際には3割程度しか再造林が行われていません。量を追う林業から、木材を無駄なく使い、高付加価値をつける林業へと、転換していくべきだと、私達は今回の書籍で提言しました。
仰ぎ見るような方達との共著が実現した今、私には曲がりなりにも作家としての責任があるのだと自覚するようになりました。各分野で実績を積まれた他の筆者と異なり、私はこれからの行動で、書籍に書いたことに嘘はないと証明し続けなくてはなりません。
「森林列島再生論」、この本がより多くの人に長く読まれるように、そして提言が実現されていくように、質にこだわった発信を続けていこうと思います。

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