文月ブログ

林業ビジネスチャレンジ-「手作りもくレース」その1

国産材ビジネスセミナーを通じて知った、高知県の「ばうむ」という会社は、厚さ5ミリほどの集成材をレーザーでレースのように美しくカットした、「もくレース」という商品を製作・販売しています。土佐嶺北杉の柾目を生かし、コースターやフォトフレーム、ティッシュボックスなど、木肌の優しさとレーザー加工時の焼き色がアクセントになった商品は、発売から10年以上たった現在も、定番として愛されているようです。
この商品のスピンオフ企画として、私が発案した「手作りもくレース」は、DIY女子と呼ばれる、手作りをこよなく愛する人々を新木場に案内した時の会話をきっかけに生まれました。
2012年か2013年頃、知人を介してDIY女子の方々とお会いし、当時まだ新しかった新木場の木材会館や、周辺の施設を案内する機会がありました。彼女達に、国産材について理解を深めてもらい、愛情と時間を注いで作るものだからこそ、材料には国産を使うという選択をして欲しいという理由からでした。
新木場にできたばかりのカフェでお茶を飲んだ時、展示されていたもくレースのコースターを見た参加者の一人が、「可愛い!作ってみたい」と声を上げたのです。私は「え?」と驚きました。もくレースは狭い部分は数ミリしかない、繊細な加工品で、普通の人なら「欲しい」とは思っても、「作りたい」とは全く思わないでしょう。DIY女子と名乗る人達だからこその感覚だと思いました。同時に、レーザー加工なら、出力を調整することで、完全に焼き切る部分と、線を引くだけの部分とを分けることが可能なはず、それを彫刻刀で自分の好きなように穴を開けられる、半製品を作ってみたらどうかと閃いたのです。
早速「ばうむ」の知人に連絡を取り、こんなものが作れないかと相談して、試作品を送っていただくことになりました。コースターの図柄の一つを用いて、手では開けられない細かい穴はレーザーで焼き切り、彫刻刀での手加工が可能な20か所ほどの穴は線を引くだけにした、手作り用もくレースがこうして出来上がったのです。聞くと、レーザー出力の調整には相当苦労したとのことでした。木には柔らかい部分と、節のような固い部分が混在します。比較的同じような見た目の木を張り合わせた集成材であっても、木の持つ性質としてある程度のばらつきは避けられません。ですから、線だけの部分と、レーザーがほぼ貫通していて、ちょっと手で押しただけでポロっと穴が開いてしまう部分が生じるのです。
このような状態では、商品として一般向けに販売をすることは難しいでしょう、しかし、ワークショップなら、参加者にそのような木材の性質を説明することで、他では体験できない、美しいオリジナルの木製品を作る機会を提供できそうです。
思わぬ発見もありました。自分でやってみると、全ての穴を掘りぬくのはかなり大変な作業です。こんな苦行ばかりでは楽しくないと、穴開けをしない部分に油性マーカーで試しに色を塗ってみました。すると、普通なら木目に沿って滲んで広がるインクが、レーザーの線の内側に止まるため、くっきりと発色してモザイクのように見えることに気付いたのです。
いくつものサンプルを作る作業自体が楽しく、これならいけるという手ごたえを感じました。下にフェルトを敷くと、穴をあけた部分からその色が覗いてより鮮やかに見えます。自分お客さんだとしたら、お金を出してもやってみたい、欲しいと思える商品だと自信を持てたのです。次回は、実際に行ったワークショップの様子をお伝えしましょう。

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