幼稚園から大学まで、私は静岡県東部の清水町という町で育ちました。よく昔の清水市と間違われ、「ああ清水の次郎長ね」と言われますが、旧清水市は中部にあり、今は静岡市清水区になっている別の街です。それまで沼津市の港湾地区に住んでいた父は、隣町の清水町に造成された新興住宅地の土地を買い、そこに自分で間取
私の故郷、静岡県駿東郡清水町は、その名のとおり、清流の流れる町です。柿田川湧水群と呼ばれる泉は、富士山の伏流水が数十年の時を経て湧き出し、その量は一日に約100万トンにものぼります。柿田川はこの湧水を源流として狩野川に注ぐ、全長1.2キロの、日本で最も短い一級河川です。水温は年間をとおして15度、四
SDGsは、2015年に国連で採択された17項目の目標です。私たち人類がこの地球で生き続けていくために、各国が2030年までに達成することを目指しています。その中で森林は、安全な水、クリーンなエネルギー、気候変動対策、陸の豊かさなど、多くの項目と深い関りがあります。そして大事なことは、その目標の達成
一年近く前になりますが、中学の時のクラスメイトから、来年7月の高校の同窓会で、記念講演をしてもらえないかと依頼がありました。コロナ以前、久しぶりに開催したクラス会で、私が「この木なんの木?キャンペーン」について熱弁をふるったことがありましたが、彼はそれを覚えていて、私に連絡してきたのです。聞けば
渡良瀬林産とエヌケーケーを含む企業グループは、渡良瀬流域川流域の森林を生かし、未来につなげていくことを、企業理念や事業目的に掲げています。グループの渡良瀬森林開発は、周辺の道路にいくつもの大きな看板を出し、担当者の顔写真を掲示して「山を買います!」と呼び掛けています。栃木県内で、杉・檜の植栽され
栃木県佐野市にある渡良瀬林産は2017年に工場の稼働を開始しましたが、事業の構想はその5年ほど前からあったそうです。当時、飯塚専務はエヌケーケーで集成材事業の再構築を行い、実績を上げていました。そこに、グループのオーナーであるコンチネンタルホームの廣澤代表から、流域の山を再生させる事業に着手するよう
「綺麗な工場だな」それはつい先日、栃木県佐野市にある渡良瀬林産を訪ねた時、最初に受けた印象です。そして、敷地内を全て案内された後には、それは印象ではなく、正確に特長を表す形容詞に変わっていました。黒と赤に塗り分けられた、モダンな設備、それは単に新しいから、というだけではなく、見学者に赤は危険な箇所と
「大型パネルを道具に、いや武器として使え!」先日行われた大工の会で、塩地氏はそう言って、大工に覚醒を促しました。お前たちは凄い能力を持っている、なのにこのまま安く使われ続けていいのか、文句を言うだけ、耐えるだけで済まさずに、大型パネルを自ら使いこなせ、というのです。大工というのは自称で、多種多様
弱い立場で負担を押し付けられ続けた、山と大工、その両方にとって救世主となるのが、大型パネルの技術です。それを開発した塩地氏は、モイスという建材の開発者でもありました。燃えない上に調湿機能もあり、柔軟で耐震性に優れ、しかも使用後に粉砕すれば肥料になる、環境に優しい建築材料ですが、その重量は大工にとって
木は生きていて、似たものはあっても、同じものは一つもありません。だから木材は、見た目も強度もバラバラ、扱いを間違えれば曲がったり反ったりする、厄介な材料です。それをうまく見極めて、昔から建築物を建ててきたのが、大工さんでした。もとは高い社会的評価と誇りを持っていたはずの職人集団が、近年は現場作業員の