森林・林業にハマってしばらく経った頃、始めたばかりのSNS上で、「森林セラピーの一環として森林整備の作業を行う」という言葉が目に飛び込んできました。当時は間伐遅れの林を何とかしなければ、という思いが強かったものの、「森林セラピー」という新しい分野と森林整備を結びつける発想が新鮮で、すぐにその発信者に
今年のウッドデザイン賞の応募締め切り日が迫ってきました。去年は大型パネル生産技術の応募に関し、ほんの少しですがお手伝いしました。見事、林野庁長官賞を受賞したと聞いた時は、嬉しい反面、もっと力になれていたらと後悔もありました。私はそれ以前に、ある木材製品について、ウッドデザイン賞の応募を代行したことが
私が小学校高学年の頃、大企業に勤めていた父が突然会社を辞め、自宅を改装して園芸店を始めました。植木や草花、肥料だけでは売り上げは伸びず、近くに花屋が無かったことから、生花も扱うようになったのです。サラリーマンの家に生まれたはずが、途中から個人商店の娘になり、「いらっしゃいませ」という挨拶や店番の仕方
サルスベリは夏から秋にかけて花を咲かせる木です。リョウブやヒメシャラと同じように、コルク質が剥がれて表面がツルツルなので、猿も登れないということからこの名前がついています。父が申(サル)年生まれだった我が家では、猿が滑るというのを嫌って、百日紅(ひゃくじっこう)という別名で呼んでいました。一本の
信州大学農学部の森林計測・計画学研究室で、加藤正人先生と学生さん達が成し遂げた研究は、精密林業計測株式会社というベンチャー企業の事業として活用が始まっています。会社を立ち上げて5年、主に自治体向けのサービスとして着実に実績を上げてきましたが、一方で先の展開が見えない、行き詰まりに直面してもいるようで
2022年7月下旬、私は長野県伊那市にある信州大学農学部のキャンパスを訪れました。テレビ局が制作する番組のため、ウッドステーションの塩地会長が信州大学の加藤正人先生を訪ねる形で、その研究を取り上げる取材に同行したのです。農学部のキャンパスは、中央道の伊那インターを降りたすぐそばにあります。乗用車で通
孤児だったアンが引き取られたマシューとマリラの家は、「グリーンゲイブルス(緑の切妻屋根)」という名前でした。切妻屋根は、本を開いて伏せたような山形の形状で、シンプルですが雨や雪に強く、世界中に見られるもののようです。欧米では個人の家にも名前をつけるのだなと、初めて読んだ少女時代には強い憧れを抱いたも
先日、「文化遺産を未来につなぐ森づくり会議」の総会がオンラインで開催されました。議事が終了した後、文化財の修復等に必要な大径材(太い丸太)の生産を担っていただく、幾つかの林業家についての調査報告がありました。日本の森林には200万戸を超える所有者がいて、その7割は1ヘクタールに満たない小規模所有
昔、箱根で仲間と共に山の斜面を歩いていた時、急に強い風が吹いてきてみんなの足を止め、しばらく経つとまた嘘のように静かになったことがあります。その時、博学な男性が「気圧の谷の通過かな」と言うのを聞き、真偽のほどは別として、胸が高鳴ったのを覚えています。ネットで調べると、「高気圧に覆われていても、上空を
先日、大型パネルで伝統軸組工法のプレファブ化を進めるウッドステーションに、テレビ局の取材が入りました。撮影クルーの到着が予定より遅れ、たまたま打ち合わせで訪れていた私は、少なくなった社員の埋め合わせとして、その場所に居続けることになりました。金具とピンが打ち込まれた柱のサンプルを指差しながら、知人と