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縮小する国の未来デザイン

参議院議員の任期は6年。それは本来、目先の物事にとらわれず長期的な課題に取り組むための制度だと思うが、今回の選挙では、本当にこの国に必要な議論がなされたようには思えなかった。人口の激減、全国的なインフラの劣化という確実にやって来る未来を踏まえて、その変化にどのように適応していくのかというグランドデザ

国土を守る山仕事

都市部での暮らしは、田舎に住む人達の仕事にただ乗りしてはいないだろうか?参院選も近い中、そんな事を考えている。都市の快適な暮らしは、地方の食料生産に加え、水源や発送電設備・物流インフラの維持によって成り立っている。沿岸地域には国境管理という役割もあり、そこに人が住んでいてくれるだけでありがた

森の力との連携

日本の植物の成長力は凄まじい。近所の庭を丈高い雑草が覆っている。春先には綺麗に片付いていた場所は、わずか数か月で人を寄せ付けない草の楽園と化した。適度な雨量に季節外れの強烈な日射し。再び刈られる前に実をつけて熟成させ、周囲に蒔き散らそうと狂奔する草の勢いは、見ていて胸苦しさを覚えるほどだ。

地球温暖化を乗り越える

例年なら梅雨空のもと雨が降り続く時期に、連日35度前後の猛暑が続く。ここ数年の夏の暑さは明らかにこれまでの人生で経験してきたものとは異質だと感じる。地球温暖化を実感せずにいられない状況なのに、この事実を嘘だとか陰謀だと断じる人々の声が、最近確実に勢いを増しているらしい。その代表格がトランプ大統領で、

日本人と時間を巡る話

最近、私の目や耳には、日本列島や日本人と時間に関する情報が良く飛び込んでくる。新聞・テレビ・ネットの膨大なデータの海から拾い上げるのだから、脳の感度が余程その分野に敏感になっているのだろう。先週まで5回続けたブログは、「火山と断層から見えた神社のはじまり」(双葉文庫 蒲池明弘著)に出会って引き込

地底に眠る縄文の森

「森のことづて」という小冊子がある。しまね自然と環境財団が平成25年に発行した、地底に眠る縄文の森・三瓶小豆原埋没林(さんべあずはらまいぼつりん)に関する本で、10年ほど前、見学に訪れた際に求めたものだ。ここ数か月、私の脳内で芽生え、根を下ろした古代日本人の暮らしや祈りへの思い、それについて書いてき

古代から続くものづくりのご縁

先日、隠岐諸島にある海士町の町営住宅のプロポーザルで、新潟県の小さな工務店が中心となったチームが採択を勝ち取った。一見すると、島根と新潟は遠く、何のつながりも無いように思われる。ところが、古代の玉造(たまつくり)において両地域はつながりがあったという。以前も紹介した「火山と断層から見えた神社のはじま

古代日本人の信仰とスギ・ヒノキとの関わり③

古墳時代の終わり頃、538年に大陸から仏教が公式に伝わった。587年に王族の帰依や布教に反対した物部氏を蘇我馬子が滅ぼしたことで、仏教は更に広まり、政治に利用されるようになる。593年には推古天皇が立てられ、摂政となった聖徳太子は法隆寺の造営を進めて、607年頃に完成したとされる。その後670年に火

古代日本人の信仰とスギ・ヒノキとの関わり②

日本書紀には、スサノオノミコトが髭から杉を作り、胸毛から檜、尻毛から槇、眉毛から楠を作り、杉と楠は船に、檜は宮殿に、槇は棺桶に使うよう定めたという逸話が収められている。日本書紀が成立したのは720年と伝わり、ヒノキを主体とした法隆寺が最初に建立されてから110年ほど後だ。つまり、既にヒノキが建築に欠

古代日本人の信仰とスギ・ヒノキとの関わり①

日本人はいつ頃から、どのようにしてスギ・ヒノキと向き合ってきたのだろう、そしてそれは古代の人々の信仰とどのように関わってきたのだろう、最近私はそんな疑問に憑かれて、折にふれ調べものをするようになった。疑問のきっかけは「火山と断層から見えた神社のはじまり」(蒲池明弘著 双葉文庫)という本を読んだことだ

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