先日、ある建材商社の主催したセミナーで、大工という職能の過去と現在・未来について、設計士、工務店、大工、そして木造大型パネルの開発者が講演し、ディスカッションした。大工は担っていた役割をどんどん取り上げられ、多くが低待遇の作業者に甘んじている。誰も真剣に大工の事を考えていないのではという指摘もあった
FIT(固定価格買い取り)制度が始まったのは2012年。数十年かけて育った木を燃料にすることへの抵抗感から、私はボイラーの仕組み知ろうと通信教育で勉強し、2015年の5月に国家試験を受けてボイラー技士二級の資格を取った。そして産業用ボイラーの効率の高さと、過去に起きた事故の教訓を活かした幾重もの安全
先週、私は生まれて初めて献血に行き、新しく生まれ変われたような気持ちになった。その喜びを分かって欲しくて、少し自分の話をさせて頂く。子供の頃から体が弱く、月に一度は熱を出して抗生物質のお世話になっていた私。体力測定の1キロを走れない、山登り遠足は途中で落伍する虚弱な子供だったが、大学生になる頃に
体と心が健全なバランスを保つのに、個々の感覚はどんな役割を果たしているのか、考えさせられる出来事があった。懇意にしていた近所のご婦人は耳に障害があったが、補聴器をつければ会話ができ、私はよく声をかけられてお茶やお菓子を頂きながらお喋りした。しかし誰もいない時は、機械が小さな音も拾ってしまい耳障り
国難級の災害による住宅不足に備えるカギは、工業化手法を取り入れ、地域材を活かす小規模なサプライチェーンを全国に沢山作ること。4月8日に発行されたばかりの「新住宅産業論」は、その意義と具体的な手法について、防災・建築・林産業の専門家が同じ志のもとに集結した本だ。タイトルだけ見れば住宅業界の話だろうと思
先日、NHKのDearにっぽんという番組で、成田空港の拡張工事に伴って消滅する集落と、その場所や人々を記録し続けるカメラマンの姿に見入ってしまった。人口70人ほどの千葉県多古町一鍬田(ひとくわだ)地区。農業が盛んで、特に大和芋は日本一と言われ、一年中出荷していたそうだ。そんな集落に滑走路の新設を含む
家を建てて24年目の昨年は、リビングのエアコン、トイレ、化粧台の水栓、冷蔵庫と住宅設備・家電の交換が相次いだ。その延長で19年使ったテレビが壊れ、先日買い替えをした。一昨年以前に大きな家電の交換をしたのは7~8年前の洗濯機。12年前に同じリビングのエアコンを替えた時も、一人は補助員のような立場ながら
最近立て続けに、日本の終戦に関わる混乱を扱った番組を見た。東映の昔の白黒映画「日本の一番長い日」、そしてNHKの「昭和の選択 敗戦国日本の決断 マッカーサー「直接軍政」の危機」である。前者は、広島・長崎への原爆投下によってポツダム宣言受諾を決めた天皇と内閣、その決定を不服として最後まで徹底抗戦を主張
千年に一度の大地震が起きた時、自分がどこで何をしていたか、その事実に何か不思議な縁を感じる人がいると思う。というのは、私自身がその日、会社を休んで林業ビジネスのセミナーに参加していたからだ。当時はまだ有料の林業セミナーに参加する人はごくわずかで、参加者は4~5人だったと記憶している。とてつもなく
建築の素養はゼロの私だが、大量の木材を使い、炭素を長期間固定するのは木造住宅なので、少しでも勉強になればとある仕事を引き受けた。AIに深層学習をさせるため、住宅の平面図と立面図を見て、データを抽出する作業だ。平面図ではリビングダイニングや洋室・和室、浴室・トイレ・洗面、玄関・階段・廊下などの範囲を細