文月ブログ

森を巡る旅-林業寺子屋その1「郡上八幡でのチェーンソー修行」

林業塾の最終日、速水社長は塾生に一枚のチラシを見せ、「興味がある人は行ってみたら」と仰いました。それは岐阜のNPOが主催する「林業Iターンミーティング」というイベントでした。使命感に燃え、どんな事でも吸収したいと意気込んでいた私は、早速その催しに申し込んだのです。23人の塾生の内、参加したのは私一人でした。

新幹線で名古屋まで行き、そこから高速バスで1時間半。乗客は少なく、バス車内では、この路線が補助金で運行されているというアナウンスがあったのが印象に残っています。

岐阜県は高知県に続き、全国で2番目に森林率の高い県で、林業も盛んです。「林業Iターンミーティング」には、各地から30人前後の人々が、自前のチェーンソーを持参して参加していました。林業従事者が中心で、当事者でも行政でもない、しかも女性の私は場違いでしたが、林業の世界に関心を寄せていることを好感してか、温かく迎えてもらいました。

今でこそ、チェーンソープロテクター付きの防護服は当たり前ですが、2007年当時は前掛けのような防護装具を付けた人が数人いた程度で、エンジン音から耳を守るヘルメットのイヤマフも珍しい時代でした。大けがや死亡事故の多発する現場でも、仕事に誇りを持つ個性豊かな人々に出会い、私の林業熱はますます高まりました。

一時期、中高年の人達を中心に、手入れの行き届かない森を自分たちで何とかしようという森林ボランティアの活動が全国各地で盛んになりました。千葉県にもありましたが、中々ピンとくるご縁がなかったこともあり、Iターンミーティングを主催したNPOが実施する「林業寺子屋」に通うことを決めたのです。ボランティアに比べ、お金をもらって教えるからには、内容も安全管理も信頼性が高いと思ったからでした。

こうして、月に一度の郡上八幡通いが始まり、午前中は座学、午後は山道を登り、NPOが管理を任されていた森をフィールドに、林業修行に挑んでいきました。

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