来月末、佐伯広域森林組合を訪ねるツアーを実施する。毎年少しずつ内容を変えながら、今年で三回目だ。
初年度は東大名誉教授の酒井先生に団長をお願いし、再造林を極めるツアーとして、佐伯に加え、県境を接する耳川を巡った。どちらも立派な森林組合だが、取り組み方は、すぐ隣なのにこれほど違うのかと驚くばかり、改めて林業と地域のつながりの多様さを学んだ。
昨年度は元林野庁長官の本郷氏に団長を受けて頂き、森林直販を学ぶと題して、森林組合の人達がゼネコンに頼らず自営建設した新工場をメインに見学した。林業関係者だけでなく、大学院生やコンサル、金融機関の方々も参加し、佐伯がなぜここまでできるのか、規模の大きさで思考停止せず、その挑戦する風土に目を向けて頂いた。
今年は東京都市大学の建築都市デザイン学部長、小見康夫先生に団長を依頼している。募集チラシには「森林直販を考える」としか書いていないが。裏テーマは「森林直販時代に備える」だと思っている。建築側でとんでもない技術革新が進行中で、平面図・立面図を読み込ませるだけで伏図が生成され、そこで地域材を使いたい場合はどうすればいいか、すぐにAIが図面を修正してくれる、そんな時代がすぐそこまで来ている。その技術を開発したウッドステーションの塩地会長も始めて参加し、他にも森林と建築をつなぐキーマンが揃い踏みする予定だ。
佐伯は年間20万m3を扱う大きな組織で、小規模な林業事業者には直接参考になる部分は少ないと思われがちだ。しかし冒頭に書いたように、あそこは規模が大きいから、平地が多いから、などと言っていては何も見えず、学ぶこともできない。
木造建築を生業とする人々も、実際に山を見て、人々がどんな風に、資本主義と徹底的に相性の悪い林業という長期間の事業に取り組んでいるのかを知って欲しいと思う。
人が植えた木は、必ず手を入れ続けなくてはならない。それは針葉樹でも広葉樹でも同じことだ。手のかけ方は様々で、皆伐再造林だけでなく、複層林を形成して択伐による林業を目指すのも良し、間伐をし続けて神社仏閣に使えるような大径木を育ててもいい。地形・地質・気候・土壌、そして周囲の人口や経済状況により、答えは無数にあるだろう。
佐伯の山では、人々が植えた木に責任を持ち、将来にわたって責務を果たし続けるという強い意志が、美しい緑のモザイク模様を織り成している。茶色の地肌が露わになった場所も、すぐに植栽されるはずだと安心して見ていられる。どの方向を見ても、スクスク育つ若木達の真っすぐな懸命さに癒される風景は、ここに来なければ体感できない。
ツアーにはまだ少し余席があるので、10月28日(水)~29日(木)の二日間、参加したいという方はご連絡を。
文月ブログ
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