文月ブログ

森を巡るショートトリップ-絵画の森の少女

私の家の寝室には、一枚のリトグラフがかかっています。茶色と白のモノトーンで、深い森の中にいる少女が、キリっとした表情で斜め45度の方向を見つめています。片手の指には小鳥がとまり、もう片方の手で金属の環を持っています。その輪の中には、銀河や恒星が描かれているように見えるのです。
この絵を買ったのは、私が森林や林業に興味を持つよりもずっと前、もう25年も昔のことです。その頃には、自分は何かを一生の仕事にしたいけれど、森林なんてありきたりなテーマはご免だとさえ思っていました。なのに、今はそれをライフワークとして取り組んでいます。結局私は、その少女の導くままに、深い森を旅してきたのです。
手にした環の中には永遠の宇宙、私はその少女を「時の神の娘」だと思いました。そして、森は人が時間を制御する、というより時間とうまく付き合っていくために、手助けをしてくれる存在です。私は彼女の指にとまった小鳥で、そのことを人間に伝えるために、彼女に耳を傾けていたのです。
「さあ、行きなさい。」という声が聞こえた気がします。彼女が見つめる方角には、森を見失い、混乱した人々がいるのでしょう。私は飛び立って、森への道を先導しようと思います。森の中で彼女はきっと、私達を微笑んで迎えてくれることでしょう。

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