文月ブログ

森の所有権の行方

森は誰のものだろう。自分が森だったら、誰に所有され、どんな風に扱ってもらえたら嬉しいだろう。
先日、森林の所有と経営の分離に取り組んでいる森林組合の方にお話しを伺った。2000年代半ばから、約70人の所有者の160haの森林に地上権を設定し、70年間の信託契約を結んで管理しているという。その契約自体は問題なく履行されているが、それ以外に拡大はしていないそうだ。理由をお聞きすると、組合と信託の経理を分けて管理するのが非常に煩雑で、多くの山主の細かく分かれた土地を集約化する労力と併せ、仕事を増やすのは難しいということらしい。
この組合の民有林は約50,000haで組合員数が約6,200人なので、一人当たりの面積は約8haと比較的多いように思えるが、所有地は筆(ひつ)で表される小さな区画に分かれている。1haは100m×100mの面積だが、実際には5筆以上に分かれてバラバラに存在していることが多い。組合員数はここ10年で1,000人減っているうえに、1割に当たる600人には連絡がつかないという。施業したい土地に連絡先不明の所有者がいる場合、迂回して実施できればいいが、場所によっては手をつけられず断念することもある。相続に関する法律が改正され、ようやく土地登記が義務化されるけれど、既に所有者不明になっている土地の問題は解決されない。
木は大きく成長し、地域の山々を覆っている。水や空気の恩恵と共に、土砂災害が起きれば生活の破壊者にもなる森は、私達をどうするの?と問いかけているように思える。

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