森林にデジタル人材を呼び込み、林業の見えない壁を飛び越えよ。
昨日の投稿を読んだある方から、良い話だが結びが抽象的過ぎるのではないかとメッセージを頂いた。足して二で割る、誰も傷つかない意見では本当に社会を動かすことはできない。何かを変えたいなら、批判を恐れずブレない主張を打ち出すことだと。それで言いたいことを改めてまとめたのが冒頭の一文だ。
その方の話では、世界各地の鉱山はいずれも僻地にあり、高額の報酬を提示しても技術者が集まらない。知恵を絞った結果、例えばアフリカの鉱山では、技術者の多くがシンガポールのコントロールセンターにいて、そこから監視し指示を出している。現地では最小限の人員以外は全て無人の機会が動いているそうだ。
確かに、労働人口が激減する日本の社会もその方向に向かわざるを得ず、林業とて同じことだ。日本の山は小規模で急峻だと言い訳をするばかりではなく、例えば木材を運搬するフォワーダーの無人化など、衛星通信サービスを使えば実用化できそうな仕事はある。多くの挑戦と失敗から学び、技術を進化させていけばいい。
自然を愛する、森を守りたいと考える日本人は多く、労働者獲得においてとてつもないアドバンテージを有しているはずなのに、いざ林業となると、自然破壊で食べているかのような誤解を中々払拭できない。残念ながら林業側にも、自分達の特殊性を誇り、簡単にわかってもらいたくない、という内向きの思考があるのを、私自身も感じたことがある。
現代社会の鋭い分析で知られる哲学者のマルクス・ガブリエルは、「日本はジャンプしなければならない」と言った。私はそれを聞いて、自分の中のモヤモヤが一気に晴れた気がした。見えているが地続きでは無い場所へ、私たちは身をかがめて飛び移らなくてはいけない。そこで大きな推進力になるのはやはりデジタルだ。森林に関心を持つデジタル人材に呼びかけ、活躍の場を提供してはどうだろう。彼らの助けを得てジャンプした時、林業を取り囲む壁の向こうに、森を守ろうとする多くの人々、応援団の存在が見えてくるのではないだろうか。
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