松明を灯し続ける人、椎野潤先生にお会いした。
先生は早稲田大学の元教授で、日本にサプライチェーンという言葉と概念を紹介した方だ。20年以上前に、中小工務店と専門工事業者、建材販売業者、プレカット工場などが集まる「鹿児島建築市場」という組織を作り、建築のデータ連携を進めようとされた。一時は多くの都道府県に広がったが、様々な理由から行き詰り、負債を抱える人も出た。責任を感じた先生は一切の職を退き、以後はブログ発信だけを精力的に続けて来られた。
その椎野先生の最後のテーマが、日本の森林再生と地域振興だ。教えを受け、志に感銘を受けた人達が、高齢のため筆を置かれた先生の後を継ぎ、今も交替で椎野ブログを書き続けている。
私も椎野先生の後押しで佐伯広域森林組合のレポートを書き、それが書籍の共同執筆につながるという、大きな恩を受けた一人だ。
87歳の今もなお、先生を囲む人達の輪には新しいメンバーが加わり、これまでに無い視点や可能性を提供して議論を活性化させる。まるで星を生み出す銀河を見るようだ。
生きること、それ自体が他を照らす光になるような生、この先も長く私達を導いてくれますようにと祈らずにいられない。
コメント