文月ブログ

森を巡る旅-さんぶ木楽会

このままでは「地に足が着いていない」状態になるのでは? そんな不安を感じていた時に出会ったのが「さんぶ木楽会」です。私はFSCジャパン、文化遺産を未来につなぐ森づくり会議、そのような団体に入会して知見を広め、貢献できる道を探そうとしたのですが、高い理想を掲げて活動する会だけでは、地域に根差した肌感覚の林業の世界を見誤るのではないかと危惧していました。
この会は、千葉の女性農家林家の方が中心となり、林業振興や木材利用拡大につながることを、当時から今に至るまで、無理なく楽しく行っています。千葉では、林業家と言えるような広い面積の山林を所有する人はまれで、ほとんどは農家さんの持ち山です。会には他にも、森林組合で働く人や県の林業職、私のように林業に直接関係はないけれど、活動に興味を持って東京から参加している人などもいます。
主な活動は、木のコースターやカスタネット、箸などの木工品作りと、それらのイベントでの販売です。他にも、森林組合からの委託で、枝打ちや植栽(苗木の植え付け)を請け負うこともあります。活動拠点は八街市にある森林組合の事務所をお借りし、原価や実費などを差し引いた収入は、参加した人で分けることになっています。
ユニークなのは、産業祭などのイベントで商品を並べる時、木工品と並んで農家さんの作った野菜や果物、花などが並ぶことです。肩の力を抜いた普段着の活動だけに、千葉の山主さんの日常生活を垣間見ることができ、参加の機会は少なくても、私にとって貴重な体験です。
基本は女性の会ですが、植栽などで人手が足りないのを補うためもあって、最近は数人の男性も準会員として参加しています。こんな臨機応変なところも、陽光に恵まれた房総らしい大らかさだなと感じます。
大型林業機械で大量に伐採する林業以外にも、こんな小さな林業があるのだと、私に教えてくれた、大好きな会です。

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